逆説の日本史9 戦国野望編(小学館文庫) (小学館文庫 い 1-9)
- 小学館 (2005年5月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094020090
感想・レビュー・書評
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怨霊、言霊、穢れから日本史を見据える《赤松正雄の読書録ブログ》
日本史をおさらいするうえで比類なき面白本をようやく見つけた。歴史の書というよりも歴史推理小説といった方がいいかもしれない。かねてからの「歴史通」や、今はやりの「歴女」には、何を今更と言われよう。このシリーズが世に出てもう10有余年も経っているのだから。しかし、恥ずかしながらその存在を私は知らなかった。井沢元彦『逆説の日本史』1~12である。未読の方は、まず文庫の第一巻を購入されることをおすすめしたい。
日本史を追う井沢さんのキーワードは、怨霊、言霊、穢れの三つ。彼はことごとくをこれで抑えていく。見事なまでに。彼にかかれば歴史学者は形無し。木っ端微塵にやっつけている。宗教の本来的な役割を知らずに、文献至上主義に陥ってることの弊害を事細かにまた繰り返し飽きもせずに説く。読んでる端から忘れがちな私のようなものには、まことにこれは助かる。しかし、この手法ではさぞかし正統な歴史学者や同業他者から嫌われよう。であるがゆえに、あまり世の中に評価されていないように思われるのは、著者ならずとも口惜しい。
近眼の人が寝ぼけ眼に顔を洗ってメガネをかけた時のように、ぼんやりしていた歴史絵巻が忽然と姿を現すのは嬉しい限り。というのは少々ほめすぎかも。だが、古代から中世にかけての日本人たちにとっての、様々なる神社仏閣の存在や「和歌」の持つ意味が判明するのは大きな収穫であった。軍事について現代日本人がとかく敬遠しがちなのは、何も戦後に始まったことではなく、古代からの歴史に根ざした伝統であることを知ったことも大きい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2007/10/2 Amazonにて購入。 2008/4/19~5/17 逆説の日本史第9弾。移動用の本であったが、今日はテレビを見ながら読んだ。井沢氏の唱える説には賛否両論あるようだ(まあ、誰の説であってもそうだろうが)。私自身単なる歴史好きなので、それが正しいのかどうかわからない。というか誰にも分からないであろう。大学のエライ先生方にしろ井沢氏にしろ結局は後付けの話をしているだけなので。ただ、井沢氏の視点を変えて歴史を眺めてみよう、という姿勢には大いに共感している。ただし、今号でいえば、p.427の天才の定義には異論がある。井沢氏は「天才とは、誰もが思いついても不思議がないのに誰もが思いつかないことを、唯一発見する人間のこと」と定義する。私としては、「誰もがおもいついても不思議がないのに」は不要であると思う。天才と呼んでいいのは、「誰もが思いつかないことを、唯一発見する人間」であり、それを特別な努力なしに成し遂げる人であると思うからだ。まあ、その定義も人それぞれで良いとは思うが。
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日本人の根本原理である「和の精神」が崩壊した下克上の時代を生き抜いた戦国武将たち。織田信長、武田信玄、上杉謙信、毛利元就、北条早雲らの「天下人たる資質」を徹底検証する。混迷の時代にあって、"覇者の条件"とは何かを問う井沢流歴史ノンフィクション。
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日本人の根本原理である「和の精神」が崩壊した下克上の時代を生き抜いた戦国武将たち。織田信長、武田信玄、上杉謙信、毛利元就、北条早雲らの「天下人たる資質」を徹底検証する。混迷の時代にあって、“覇者の条件”とは何かを問う井沢流歴史ノンフィクションの白眉、待望の文庫化。
2008,5,読了 -
「中華思想」というものを思い知らされました。
なんでも鵜呑みにはしないようにしてきたけど、これは根底から覆る感じです。ニュースとかがつまらなくなりました(笑) -
現代にも信長のようなやつが出てくるのだろうか。楽しみ
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いつも買っているシリーズもとうとう戦国時代に突入。
【以下後日】 -
沖縄の歴史や倭寇の正体の解明など目からうろこがぽろぽろでした。日本人が大好きな戦国時代も独自の視点で再分析。
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琉球王国、倭寇、戦国時代です。
資料至上主義では見えてこない真実に驚愕して下さい。
このような歴史の授業であれば、いつでも受けたいですね。