僕の死に方 エンディングダイアリー500日 (小学館文庫 か 33-2)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094060201

感想・レビュー・書評

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  • 流通ジャーナリストとして乗りに乗っていて勢い付いているときに突然の余命宣告とは不本意すぎます。

    金子さんは生きていることも死ぬことも表裏一体であることを生きている私たちに身を以て教えてくれました。

    私は死んでしまうことは敗北と決めつけていたけど読み終えてから考え込んでしまいました。

    金子さんはあの世にいっても今までどおりに我武者羅に働いているのではないでしょうかね。

    ご冥福をお祈りいたします。

  • 実際に読んだのは発売当初なのでかなり前のことです。アマゾン・楽天の購入履歴にはのこっていなかったので羽田の地下(京急・モノレールの駅があるところ)の書店で購入したと思われます。
    当時は結構頻繁に出張にいっていて、飛行機も使っていたので携帯が使えないときのために結構本を読んでいました。
    本書は終活本の括りには入るのでしょうが、現役を終え人生の終盤が見え始めてから行う一般的な話ではなく、病気によって強制的に人生の終わりが迫ってきた筆者が奥様に面倒をかけないようにと様々な準備をしていく内容です。もちろんその部分の内容もとても面白いのですが、特筆すべきは臨終を迎える最期の部分です。
    もちろん筆者は書けないので奥様が書かれているのですが、涙なしには読めないです。幸い出張先で読んでいたので一人ビジホで泣いていただけなのですが、家で読んでいたら家族に心配されたことでしょう。(当時は子供が小さかったので、家で読書する余裕などなかったのですが)
    良い本だったので出張から帰った後、妻に良い本だから読んだらと渡しました。しかし今も読んだ形跡は見られません。(もっともその年の夏から転勤して6年ほど家族で家を空けていたので読む機会もなかったのではあるが)

  • 当時まだ小学生3年であった私は正直、生前の金子哲雄さんを薄っすら記憶してるようなしてないようなぐらいに朧げであった。
    いざ本を1ページ1ページ読み進めていくと、金子哲雄さんの生き様もそうだし、それ以上に奥さんである雅子さんとの関係性に思わず感服させられた。

    哲雄さん
    ゛妻はいちばん近くにいる他人だ゛

    雅子さん
    ゛金子と私の関係は、「凧」と「凧を揚げる人」のようなものでした。゛

    こう言い合える関係性って素敵だ。
    最後の最後まで生きた金子哲雄さんは立派でした。

  • ホンマでっかテレビを見ていて、ふと思い出して図書館で借りて読んだ。家で一人で読んで良かった。涙が止まらなかった。悲しい話なのに読んで元気が出る不思議な本だった。本当に今もあの舌っ足らずな楽しい感じでテレビで話している姿を見たかった。最後まで素晴らしい本をありがとう。とても熱い気持ちが伝わりました。

  • 辛い、、、が決して目を背けちゃいけない。
    読むのが苦しいなんて初めて。
    病気に立ち向かう姿がかっこよく、最後まで仕事に生きるなんて自分には出来ないと思う。そして、それを近くで支えてた奥さん。とても辛かったでしょうね。
    世の中には知らないだけで、突然の死の宣告は沢山あるんだろう。
    自分ならその時どうするのだろうか。
    今あるいのちを大切に生きよう。
    とても勉強になりました。ありがとうございました。

  • すごすぎる。死を宣告されてなお仕事を通して人を喜ばせることに全力を注ぐ姿勢には感服しかない。超月並みだけど、生きていることに感謝して日々を大切にしなければと思わされる。奥様の綴られたあとがきが涙なしには読めなかった。生々しい死の記録。

  • どう生きて、どう死ぬのか。

    死ぬ間際まで仕事を続け、葬儀の段取りまで付けてから自宅で亡くなった金子さん。その無念さと強さ、奥様との深い結びつきに涙が止まりませんでした。

    僕は死ぬまで金子哲雄さんを尊敬し続けると思います。

  • 末期がんが発覚した著者。
    結局、最後まで仕事をして、死に至る。直前には自分の葬式まで段取りを決める。
    普通とは一風変わった行動を取った著者の人格を形成するのはもうすでに長く生きたとも言えるという諦観の念だったのかもしれない。終わりに近くなって、明かされた亡くなっていた兄弟姉妹のエピソードは象徴的である。
    しかし、短い期間で次々と翻っていく思考と思想に読む側としては、「そんなに身軽に変わっていいの?変われるものなの?」と疑問を禁じえない箇所もある。
    時間単位に対してのイベントの多さに驚かされる。
    おそらくそこまでじっくりしていられないほど、終わりが近かったからだろうか。
    そしてきちんとしている。
    きちんと段取りをつける行為で死の恐怖に抗っていたのだろうか。
    高校の時の同級生であることを考えると非常に我が身に迫るものがある。
    改めて合掌。

  • あなたの出演する番組、結構見てたよ。

  • 体調の変化の気づきから余命宣告を受けるまで、そしてその後の治療についてのあたりまではある程度淡々と読めました。
    が、最後のメディア出演について書かれた第4章あたりからはずっと文字が滲んで、奥様が書かれた「あとがき」でもう涙が止まりませんでした。

    同年代の方の「終活」がどのようなものかを知りたくて読み始めたのですが、ここまで細かく「自分の千秋楽」を、余命を覚悟したうえで決められるものなのかと驚嘆しました。
    そして「最後の最後まで仕事をしたい」という願いどおりに、葬儀社の方と打ち合わせをする中で雑誌記事の校正をし、その数時間後に息を引き取られたことに再び驚くと同時に、信念を貫かれたことに盛大な拍手を送りたいと思いました。
    死生観、最期の迎え方、その後のこと…自分のことと仮定して色々考えるきっかけにもなりました。

    金子さんが亡くなられた年齢の時にこの本を買ったのに、なんでかちょっとした怖さもあって読むのをためらって時間だけが過ぎていたのですが、やっと読みました。
    後半を読むのにはエネルギーがいる気がするけれど、また時を経て読みかえしたい一冊です。

著者プロフィール

1971年4月30日千葉県生まれ。慶應義塾大学卒業後、株式会社ジャパンエナジーに入社。独立後は独自の取材と切り口で、流通ジャーナリスト兼プライスアナリストとして、TVや雑誌などの各メディアで活躍。2012年10月没。

「2013年 『学校では教えてくれないお金の話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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