本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094063370
感想・レビュー・書評
-
すでにこの世のものでなくなった六条御息所から語られる源氏物語。
家柄、教養、趣味の良さ、嗜み、そして美貌という、女としての全てを兼ね備えた、貴婦人中の貴婦人である六条御息所の悲しみ。
その六条御息所から語られる源氏の君の女たち。
一人の女性とて、異性から見た場合と同性から見た評価とで大きく異なるのは現代も同じこと。
女の立場から見ると、男というのは愚かで都合のよい人生を送っている。
上巻では源氏が明石から再び京都に帰るまでが描かれている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読了。
上巻は桐壺の更衣から明石の君まで。六条御息所が語る源氏物語。目線が変わり林真理子的解釈の源氏物語。
これはこれで読みやすく、面白い。
今の世なら光の君のような男性はゲス呼ばわりとなるでしょうが、それでもいつの世も好まれる源氏物語は何故か?時代が変われば男と女の関係も変わる。地位のある父親や男兄弟がいなければ女は、ただただ落ちぶれていくだけ。女が自分の意思で殿方を選ぶことさえできず、ただ待つのみ。今とはまるで違う男女の関係を六条御息所が霊的目線で語り、今まで気づかなかった女性たちの胸の内を考えることができる。
読み終わると再び普通の源氏物語が読みたくなる。
-
2016 11/27