サラバ! (中) (小学館文庫 に 17-7)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094064438

感想・レビュー・書評

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  • 両親の離婚により圷歩から今橋歩に。

    サッカー少年となる歩。
    男子高入学、そして圧倒的な自慰の日々。
    歩が親友となる須玖が読んでいた本はジョン・アーヴィングの「ホテル・ニューハンプシャー」。僕も好き。

    ここまできて「そっか、この小説、ジョン・アーヴィングの影響受けているんだ」って気づいた。
    そしたら、この小説、余計面白く感じてきた!
    従って、評価4→5に上げることにする。

    阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件を経て空中分解していく家族。そして、歩は東京の大学へ。
    女の子とやりまくる放蕩の日々を送ったり、オタクな映画サークルに入ったりする。

    そして、ろくに就職活動もせず、フリーのライターに。

    一方で、自分で信じるものを探す宗教的放浪をする姉は…
    リタイア後出家する父は…
    気ままに恋愛して「幸せになる」と宣言する母は…

    下巻も楽しみです!

    ところで、須玖のアーヴィング評に唸らされる。
    ー アーヴィングは、物事をすべて等間隔で見てる感じがする。
    確かに!
    僕はアーヴィングの小説のそこが好きなんだな、と改めて思った。「ガープの世界」とか、「ホテル・ニューハンプシャー」とか、「サイダーハウス・ルール」とか、物事を等間隔で見てるフェアな感じがすごくいいんです。

    さて、昨日、2022年2月22日はスーパー猫の日だったとのこと…
    それにしても、サトラコヲモンサマってなんやねん。

    • 5552さん
      たけさん、おはようございます。

      アーヴィング、『ガープの世界』しか読んだことないけれど、映画はけっこう観ています。好きな世界観です。
      ...
      たけさん、おはようございます。

      アーヴィング、『ガープの世界』しか読んだことないけれど、映画はけっこう観ています。好きな世界観です。
      物事を等間隔で見ている――なるほどです。
      私はそこに彼の優しさを感じます。
      たけさんが、アーヴィングをお好きだと書かれていて、ああ、そうなんだ、と納得しました。
      たけさんのレビュー、アーヴィング感があるような気がします。
      2022/02/24
    • たけさん
      naonaoさん、こんばんは!

      遅ればせながらの「サラバ」です。
      前に読もうとした時は、突如の読書スランプに陥って読めなくなったんですよ。...
      naonaoさん、こんばんは!

      遅ればせながらの「サラバ」です。
      前に読もうとした時は、突如の読書スランプに陥って読めなくなったんですよ。
      図書館で予約して、結構待ってようやく借りてきたのに1ページも読まずに返却しました。

      今読んでみて面白すぎてびっくり。うれしい再会でした。

      ラストがすごく良かったんですね!楽しみです。
      2022/02/24
    • たけさん
      5552さん、コメントありがとうございます!
      「アーヴィング感がある」なんてめっちゃ嬉しいです!

      アーヴィングの小説の映画版も「ガープ」「...
      5552さん、コメントありがとうございます!
      「アーヴィング感がある」なんてめっちゃ嬉しいです!

      アーヴィングの小説の映画版も「ガープ」「ホテル・ニューハンプシャー」「サイダーハウス・ルール」どれも素晴らしいですよね。「サイモン・バーチ」ありましたね。どれも原作が長過ぎて、端折られる部分が非常に多いですけど、エッセンスはしっかり感じられて大好きです。
      2022/02/24
  • 主人公の学生生活が楽しい、お姉ちゃんは社会からドロップアウトしていくのかな。

    初めての彼女と付き合って後悔するくだりが最高!
    主人公が意識していない周りからの評価が思っているより高く、彼女の友達まで調子に乗りだすところも楽しい。

  • どんどん引き込まれる。上で描かれた非日常に比べて中はどこにでもいそうな思春期の男の子の話になり、それが一層この家族の異様さを際立たせているように感じた。下ではどうなっていくのだろう?はやく読みたい!

  • 物語が進むにつれ想像以上に考えさせられることが多くなってくる不思議な感覚。

  • 1巻に引き続き、リズミカルな語り口、話の展開、個性的なキャラクターにどんどん引き込まれます。
    お姉さんがどんどんおかしくなったり、高校で阪神淡路大震災を経験して仲の良かった友人が闇堕ちしたり。
    それでも東京にでてなんとか生きていく歩くん。
    早く続きが読みたい。

  • 物語の圧倒的なちから。

    充分に濃密だと思っていた一巻のあらゆる出来事が軽く吹き飛ぶほどに、物語は一気に密度と深みを増し、大きな影に覆われ始める。

    生きることに難儀する姉の貴子は奇行を繰り返し、傷つき苦しみ続ける。そのことを恥じ、頑なに距離を取る歩。
    バラバラにほどけてしまう家族。

    一巻から語られていた「宗教」が別の角度から強烈な姿で語られ、不穏な空気が充満してくる重苦しい読書なのだが、とにかく読むのを止められない。

  • 感想は下巻にて。

  • 僕、歩が輝いている青春。ヤコブとの切ない別れの記憶も薄くなり、サッカーと恋愛の青春を過ごす。しかし家庭は複雑で家族はそれぞれの道を歩みバラバラに。矢田のおばちゃんのはじめた信仰、そして真っ直ぐに信じる姉、貴子。
    須玖、繊細で優しすぎて、ショックの大きい出来事を乗り越えられない親友。そんな親友を救い出せなかった罪悪感を抱えて大人になっていく歩。ただただ引き込まれる中巻だった。

  • いいなぁ。いいなぁ。いいなぁ。

  • 読み終わったあと、ここ最近の自分が恥ずかしくなった。
    ミエばっかり張って威勢だけ良くってまわりの大切なものを抱きしめたくなった。
    後悔なんかしないって思って生きてきたけど、後悔することがたくさんあった。それにその時の人の苦しみを今更気づいて辛くなった。

著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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