阿佐田哲也コレクション3 三〇〇分一本勝負〔小学館文庫〕 (小学館文庫 あ 10-3 阿佐田哲也コレクション 3)
- 小学館 (2008年2月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094082500
作品紹介・あらすじ
雀プロ、成金、僧侶、医者、愛人、弁護士、学生に警察官…。風俗営業が数多ひしめくピンクゾーンに、今夜もギャンブル好きが集まってくる。東風戦、ワレ目あり、動くカネは数億円!?命の運より博打運。カタギだってヤクザだって、いやがおうにも血が騒ぐ!殺人前科はあるものの、物腰柔らかで男前の天才勝負師「オレンプ」。そして、ギャンブルを愛してやまない面々が、痺れるような勝負の世界特有の、興奮の坩堝に引き込まれていく。阿佐田哲也のギャンブルセオリー満載の、"一話完結形"連作長編麻雀小説。
感想・レビュー・書評
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阿佐田哲也はやっぱりいいですなぁ・・・!
表題作の「三〇〇分一本勝負」がなかなかいい。さすがです。「結局何やってたんだろう?」っていうやつね。
阿佐田哲也読んだことがない人が一冊目に読むにはどうかと思うけど(そういう人はやっぱり「麻雀放浪記」からだと思う)、読みなれた人にとってはこたえられない一冊だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
殺人前科、物腰柔らか、五十前、ソープランドの支配人、ギャンブルで鳴らした男、オレンプ。今は引退したようなことを言いながら、勝負に臨むと強い。
バクチに魅入られた人の戦いを描かせるとさすがにうまい。。 -
ヤバ市ヤバ町雀鬼伝三〇〇分一本勝負《阿佐田哲也》(小学館文庫)86年に上梓された阿佐田哲也氏晩年の博打小説「ソープランド」なんて言葉が出てきてびっくり。名作「麻雀放浪記」は戦後の混乱期を舞台にしたものだが、バブル景気に浮かれ始めたこの頃でも博打打ちは同じ。動いている金は「千点百万円。三万点通しでハコ三千万円。場ウマが五の十五だから二着で五千万、トップが一億五千万…」実際の麻雀打ちは「馬」で、この金を賭けているのは「オーナー」たる「馬主」彼らはゲームではなくて金を動かすことのみに興味がある訳である意味真性の博打打ち。しかし、実際にゲームをする「馬」もやはり博打打ち。どちらにしても命がけの勝負。主人公「オレンプ」は前科四犯でいづれも「通し」の春夏秋冬服役、うち一回以上は「殺人罪」らしいという人物。自分もソープランドの雇われ支配人でオーナーから飼われている博打プロデューサーみたいな役割。「ドサ健ばくち地獄」のような凄絶さは薄いけれども、他の作家には書けないよなぁ。