"僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia." (小学館文庫 は 10-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094086263

作品紹介・あらすじ

医大生の甲太は受験勉強をして大学に入ったものの平凡な日常に疑問を抱いていた。そんなある日「百五十万円寄付してもらえればカンボジアに小学校が建つ」というパンフレットを偶然見かける。これだ!と感じた甲太は、勢いで仲間を募り、クラブイベントを企画して、寄付金の捻出をはかろうと奔走する。同時に、カンボジアにも出向き、地雷除去、ゴミ山で暮らす家族、売春宿で働く少女やエイズ問題などの過酷な現実に触れ、自分のダメさ加減と正対することになり…。決してきれい事だけではない、一歩踏み出す勇気を与えてくれるノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 向井理主演で映画化もされたノンフィクション。

    どこにでもいるフツーの大学生が仲間を集め、150万円でカンボジアに学校を建てる…。

    150万円の集め方は六本木や渋谷のクラブイベントだし、
    きっかけも退屈な日常を変えてやりたいという、現代的な、自己チューといえば自己チューな始まり。

    地雷、ゴミ山での生活、売春宿、エイズ…。
    カンボジアの深刻な現実をこの目で見てショックを受けても、
    帰国してからマザー・テレサのような人に生まれ変われるわけでもなく、
    ダメダメな時もあったり…。

    あまりにも嘘が無いです。ホンネです。笑っちゃいます。「何やってんのさ…」と思わず苦笑いしちゃいます。

    でも、そんなフツーの男の子がやり遂げちゃったんです。

    たとえ、それで世界を変えることができなくても。

  • カンボジアに150万円で小学校を建てる。
    医大生たちのノンフィクション。

    ポリシーにとらわれて、動きが遅くなるくらいなら、
    フットワーク軽く、行動し続けることが大事
    というのがよくわかる。

    自分たちなりに、自分たちのやり方で目標を達成するというのが、素晴らしい

    自分が何者か、自己実現したい
    というような若もの特有の、「自分」に重点が置かれているのが内容と「人の為」というテーマと違和感もあるけど、
    ボランティアや人の為に動いている人たちにも、きれいごとではない生活もあり、筆者はその部分も含めてさらけ出したのだと思う。それは筆者の誠意なのだと思う。
    でも風俗とかの描写までは特に必要ないかな。

    最後に小学校の開会式にあつまってくれたカンボジアの人たち、その熱意が写真から伝わってくる。
    なによりも、そこに厳然として、小学校が立ったことに価値がある。

    何はともあれアウトプットする。それが人のためになる。
    という素晴らしさ。

    継続することも大変そうだなとも思うけど、この行動し続けることが解決策になるだろう。

  • 凄く真正直な作者だ。
    難しく飾った文章じゃなく、思った事を正直に書いてる。
    作者はこれをきっかけに今でも活動を続けてるみたい。
    思っててもなかなか出来ないのが現実。
    あっという間に読める内容だけど、考えさせられる事がいっぱい詰まってた。

  • 高校時代に読んですごく影響を受けた本です。
    同世代の人たちが感じたことを等身大の言葉で書かれていて、難しい本を読むより生々しくカンボジアの現状を知れました。
    同じ学生でも興味だけでなく行動に起こしている人がいるということにすごく刺激を受けました。

  • 大学生のあんちゃんの体験談らしく読みやすい文章だった。動機はどうあれカンボジアに実際に学校を建てた行動力がすごいな。なかなかできることじゃない。

  • 本も映画も是非見てほしい。特に映画のポルポト政権の話は、非常に勉強になると思う。今の日本は平和でこれからも、「戦争」のような事態になることはないのだろうけど、だからといって世界のどこかで起きている「事態」に目を開かない理由にはならないと思う。同じ人間である。学校をつくることとその葛藤もありのまま書かれている点もよかった。

    • まろんさん
      はじめまして。フォローしていただいて、ありがとうございます!まろんです。

      この映画、見たいと思っているうちに放映期間が終わってしまっていた...
      はじめまして。フォローしていただいて、ありがとうございます!まろんです。

      この映画、見たいと思っているうちに放映期間が終わってしまっていたのですが
      本にもなっていたのですね。知りませんでした。
      でも、本人さんのレビューを読ませていただくと
      ポルポト政権の件など、やはり映画を観たほうが私にもわかりやすいのかな、と思いました。

      勉強家の本人さんの本棚を拝見していると
      私のミーハーな本棚が恥ずかしくなってしまいますが
      今後ともどうぞよろしくお願いします(*^_^*)
      2013/03/26
    • 本人さん
      こちらこそ宜しくお願いします(^_^)v
      まろんさんのレビューに多くの花丸がついていたので、読むと素敵な表現で書かれてありました( ^^)...
      こちらこそ宜しくお願いします(^_^)v
      まろんさんのレビューに多くの花丸がついていたので、読むと素敵な表現で書かれてありました( ^^) _旦~~ いずれまろんさんが読まれた本も読みます♪

      この本の映画で一番ぐっときたシーンは、通訳のグティさんが涙を流すシーンでした。戦争体験がリアルすぎでした。戦争の時代背景のシーンは、一時映画からドキュメンタリーになった感じもしました。おすすめです。

      性格なのか好みなのか、どうも固いと思われる本ばかり読んでいます。でも読み応えがあるのが好きなんですね!(^^)!たまたま拝見した、まろんさんのレビューを見ると、なんだか和みましたし、本好きがすごく伝わってきました。いいですね。これからもちょこちょこ見させてもらいます~
      2013/03/26
  • すごいなーって思った。本当にどこにでもいる大学生なんだろうなって印象を受けたし、資金を集める方法なんてまさに大学生らしいなと思ったけど。でも、だって実際に建てちゃうなんてすごい。カンボジアに学校建てちゃうなんて。この後映画も観ました。少し設定はズレているけど、本とリンクして思わず泣いちゃいました。人ってあったかいですね。

  • 本当にすごい、尊敬する葉田さん。

    海外ボランティアへ行く決心を決めさせてくれた本。大事な本。

    行動に移すことの大切さ。

  • 気になってたけど、映画になっちゃって、ミーハーかな?とか思って読めずにいて…でも、漸く読んでみた。

    1時間もあれば読めちゃうくらい、軽いノリだけど、重たい現実を伝える真摯なマナザシ。
    変な正義感や、理想論を振りかざす訳じゃない。
    乗りかかった舟的な、行きがかり上的な…。
    むしろ、その本音な感じが好感を持てた。
    悲壮感たっぷりの支援より、よほど良いエネルギーが届けられたことと思う。
    読んでよかった。

  • <感想>
    葉田さんの見たまんま、感じたまんまの表現がとても気持ちいい。
    カンボジアに行ったことを思い出した。子供達の笑顔、家族を思う心、勉強熱心さ。今の自分、自分らしく生きていないほとんどの日本人。一体、地球はどうなってて、何をしているのだろうと不思議に思った感覚。
    「今を生きる」感覚はあの経験も大きかったな。生きる間、他の誰かにどれだけのことを残せるか。これに生きる自分を再確認できた。

    本を貸してくれた友人に感謝!



    <心が動いた表現、文章>

    ・人を救うということは、自らが力を持つということなのだろうか。自らを磨くということなのだろうか。

    ・僕らは近い将来、社会人になる。
    いったい、僕たちはどんな大人になって、誰を愛し、どんな人生を送るのだろうか。
    今すぐに答えなんて出さなくたっていい。
    日々を無駄にすることなく、今を思いっきり楽しめばそれだけでもいいような気がした。

    ・本当はいつも目の前にある「普通」に感謝して生きれていけたら最高だろうなと思った。

    ・もうキレイな自分はあきらめよう。欲望にまみれながら僕は生きている。だったら僕は間違ったならそれを正して、人に嫌な思いをさせたなら謝って、何かを考えながら、いい人と悪い人を行ったり来たりしながら素直に生きていけばいい。

    ・僕はこの人生を思いっきり生きてやります。自分が死んだときに「あーいい人生だった」と思えるように、今を、この瞬間を思いっきり生きてやります。

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著者プロフィール

医師、NPO法人あおぞら代表。1984年兵庫県生まれ。国境なき医師団に憧れ、日本医科大学へ進学。大学在学中に150万円でカンボジアに小学校を建てられることを知り、仲間と実現した経緯をつづった著書「僕たちは世界を変えることができない。」を2011年に出版し、同年に向井理主演(葉田さん本人役)で東映より映画化される。2014年にカンボジアで新生児を亡くしたお母さんと出会い、2018年2月にカンボジア僻地に保健センターを建設。2019年3月よりタンザニア病院建設プロジェクト開始。「僕たちは世界を変えることができない。」(小学館)は累計10万部。

「2019年 『僕たちはヒーローになれなかった。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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