考えない練習 (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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  • / ISBN・EAN: 9784094087000

作品紹介・あらすじ

「イライラ」「不安」は、練習で直せる。考えすぎて、悩みがつきない私たちに必要なものは、もっと「五感」を大切にする生活。それは決して難しいことではなく、ちょっとしたコツの習得で可能になる。ここではその方法(練習)を気鋭の僧侶が余すことなく語りかける。極めて実践的と評判の心のトレーニングで、不安のない日常を手にしよう。さらに、脳研究者・池谷裕二さんとの「脳と心の不思議な関係」と題した対談も収録。単行本は発売と同時に、新聞、雑誌、テレビなど数々のメディアで絶賛され、累計三十万部を突破する。ついに待望の文庫化で、完全保存版誕生。

感想・レビュー・書評

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  • ついつい考え込んでしまう性格。
    いったんギアが入ると、なかなかニュートラルにできない。
    あ~ぁ、疲れる!
    と、自分でも思うことが(笑)

    「考えない」ことが練習でできるの?
    なんて魅力的な!!
    思わず手に取った本です。

    が…
    ”考えない”ためには五感をとぎすませなければならず…
    ”考えない”ために、”考えなければならない”?

    思っていたのと違う。
    これが正直な感想です。

    • 杜のうさこさん
      azumyさん、こんばんは~♪

      お久しぶりです!お元気ですか?
      私も体調や、その他もろもろ、へなちょこなりになんとか頑張ってます。
      ...
      azumyさん、こんばんは~♪

      お久しぶりです!お元気ですか?
      私も体調や、その他もろもろ、へなちょこなりになんとか頑張ってます。

      先日のアドラー『嫌われる勇気』
      >人を傷つけないように、嫌われないように。
      と書かれていた時も感じたんですが、
      今日、この冒頭からの3行を読んで確信しました。
      私たち、似てるかも…(#^^#)
      ずうずうしくてごめんなさい。

      傷つけないように、嫌われないように。
      それは、お互い転校の繰り返しで身についた処世術の部分もあるかも…とか。

      気を遣いすぎて疲れちゃったり、
      どうしたら一晩寝たらケロッとできるんだろう…
      そのためにはどうしたら…とまた悩む(笑)
      でも周りからは”天然”と言われる。なぜだ…(笑)

      それと 『あきない世傳 金と銀(四) 』積読状態です。
      ネタバレになっていたのに、うっかり読んでしまった!
      やっぱり天然?あはは。
      2017/11/11
    • azu-azumyさん
      うさこさん、こんばんは~♪

      コメントをいただいていたのに、お返事が遅くなってしまってごめんなさいね~!!
      私もなんとか元気にやってい...
      うさこさん、こんばんは~♪

      コメントをいただいていたのに、お返事が遅くなってしまってごめんなさいね~!!
      私もなんとか元気にやっています(^_-)-☆

      >私たち、似てるかも…
      うん、うん!
      私もそう思うよ~(^^♪

      そして、私も何を隠そう、天然です(笑)
      2017/11/20
  • 『怒りは力ではなく、弱さのしるしなのです。
    ゆるしとは「相手を無罪放免にする手段」ではなく、「自分を自由にする手段」です。』
    
    ダライ・ラマの『ゆるす言葉』という本に紹介されている一節です。
    昔は仕事でイライラすることがあるたびに読み返していました。
    
    最近はストレスのない生活をしていることもあってそれほど頭にくることもなかったのですが(できた人間ではないのでイラっとかキィーとかは日常茶飯事ですが)、久しぶりにひどい言葉を投げつけられてびっくりしたことがありました。
    頭にくるというより呆れてしまったのですが、思い出すと心がザワザワする。ザワザワするのに何度も思い出してしまう。そういえばそんな本があったなと手にとってみました。
    
    2010年のベストセラー。
    当時は表紙や著者のルックスなどでチャラいイメージがありましたが、仏教の考え方がわかりやすく書いてあって良い入門書だと思います。
    
    怒りというのは強い刺激なので人はそれが不快なものであってもそれを求めてしまう。それをシャットアウトするための「考えない」。
    
    頭にきたら「あー、今、私は頭にきてるな」とただその感情を受け入れるというのはその場で冷静になれるのでお勧めです。
    
    『考えない練習』というわかりやすいタイトルはついてますが、ようは自分の心を見つめる修行みたいなもの。海外のマインドフルネスと似てますが、瞑想が集中力を高めたり、心を穏やかにする理由がよくわかります。
    
    簡単に悟りは開けませんが、仏教っておもしろい考え方をするなあと思える本でした。
    
    以下、引用。
    
    仏道的にお勧めする方法は、抑圧と発散という道は避け、第三の道、つまり「見つめる」ということです。見つめるものは己の感情です。
    
    もし、ムカつく!と思ったら、すぐにこの「ムカつく!」をカギカッコでくくってしまうのです。自分はいま、「ムカつく!」ことが真実だと思っている。それが究極の真理であり、正しいことだと思っています。
    それをカギカッコでくくって、《私は「ムカつく!」……と思っている》《私は「ムカつく!」……と思っている》と繰り返し念じてみるのです。
    
    あくまでも、ひとつの見方や意見として、いまこの「ムカつく!」が持ち上がってきているだけなのだなと自己認識することです。そしてそんな己の感情を見つめて、それをそのまま受け入れる。第三者の視点で切り離したうえで、肯定も否定もせず受け入れるという離れ業を使って、反射反応を起こしてしまうのを食い止めるのです。
    
    意識していますと、イライラしている時や自慢話をしようとしている時、とても浅い呼吸になっていることに気がついて、こんな苦しいことはやってられない、とハッと気がつくのです。苦しさを感じると、心が自動的にきちんとした呼吸に補正してくれます。
    人は自分の姿を認知すると、変わらざるを得ません。
    話し方がおかしいことがわかると、話し方が変わります。
    自分の心の歪みがわかると、心の持ちようが変わります。
    浅い呼吸の違和感を認知することで、呼吸が変化してゆきます。
    きちんとした呼吸に戻ると、その状態に結びついていた嫌な感情や煩悩は流れ、自慢話がしたいという気持ちや、なじりたいという感情が薄まってきます。
    
    匿名性が強く、言いっ放しの掲示板は、「怒り」がけん引的な役割を果たしがちです。「誰かを攻撃したい」という怒りの煩悩に直結しやすいのです。
    その心理を分析してみますと、「これは本来の自分ではない」と思われる場所では、人は最も自分の本性をさらけ出す、という逆説的な理があります。
    
    なるべく相手の自我を刺激しないというのが、人間関係におけるたしなみです。
    メールでいきなり本題に入るのは無粋で、何かクッションが必要と感じられる時には、私はたいてい天候や周囲の状況について記すことにしています。
    それも、「雨が続いて、鬱陶しいですね」とか「寒くて嫌ですね」などの価値観や評価を入れるのではなく、事実のみを書くようにするのです。
    「雨が降って、少しずつ湿度が上がってきた部屋ではメールを書いています。そちらは快適にお過ごしでしょうか?」とか、「いま、時計の針がちょうど十二時をさしました」とか、「満月の晩に、失礼いたします」とか、まるで昔の小説に出てくる手紙のように、事実そのままを記します。
    あまり意味のない一文ですが、単なる挨拶なのですから、必要以上に相手の自我を刺激しないことも思いやりと言えるのではないでしょうか。
    
    すごく集中して気持ちよく仕事をしている時には、隣の人が喧嘩をしていても、その声に意識はいきませんけれど、落ち込んでいるような時は、そちらの音を捕捉してしまって、「ああ、うるさいな、イラつく!」と思ってしまいます。
    つまり、音があるからイラつくのではなくて、イラついているからその音がうるさく感じられるんです。
    

  • 考えない練習、という感覚はわかる。
    あ、今余計なことを考えているな、と自覚して、いったんそれをわきに置く、という訓練。
    自分の客観視。

    しかしマインドフルネスブームの中、仏教の原理をカジュアルな生き方術として扱うことには慎重であるべき、という気もする。
    数千年前のインド発祥の哲学が、今のストレス社会にそのまま適用できるかは簡単にはわからない。
    同時に数千年前から人間の悩みの本質は変わらないのだとも思えるし・・。

  • 読書録「考えない練習」4

    著者 小池龍之介
    出版 小学館

    P93より引用
    “それより良いのはもちろん、最初からまったく不愉快にならな
    いですますことです。それには、脳内における情報処理が勝手に
    進んでしまわぬよう、「情報を入り口で止める」訓練が必要にな
    ります。”

     目次から抜粋引用
    “思考という病
     身体と心の操り方
     話す
     聞く
     見る”

     僧侶である著者による、身体と心を穏やかにする為の方法を記
    した一冊。
     考えすぎる事による害についてから脳研究者との対談まで、仏
    道修行の手法をもとに書かれています。

     上記の引用は、心の情報操作について書かれた項での一文。
    色々な雑音が耳から入ってきているにも関わらず、それに心を動
    かされないという境地に至るのは、余程の修行が必要であるのだ
    ろうなと思います。
     とにかく情報が常に流れ込んで来る時代ですので、上手く調整
    するためにもこの本のような手法は役立つのではないかと思いま
    す。

    ーーーーー

  • 本屋さんで目にとまった本は、自分の求めていることが書かれているの法則!

    よくないことを永遠と考えてしまうことが悩みだった。考えても考えてもしょうがないのに。
    自分の性格のせいなのかなぁと思っていたけど、脳のヤクザ行為だったのね。ヤクザ怖い!

    よくないことを考えている、イライラしているといったときに、私は今こういう状態であるんだ、と客観視して、自分から離して脇に置くようなイメージ? これは繰り返してやらないとだな。

    イライラしているから周りが気になる、逆にペンを横にくわえると楽しいことを見つけ出す検出力が上がる。すべては自分次第なのだな、と思った。

    よくないことを永遠考えてしまうのは脳のヤクザ行為、良いも悪いも自分次第だと分かったら、少しポジティブになれそう。

  • 父からの課題図書。読了。読むのに約八ヵ月かかった。
    内容を理解するには何回も読むしかない。
    以上!

    2022年6月15日追記
    要するにマインドフルネスで解決しようっていうことなのではないか。

  • 「考える」ことにエネルギーを割かれないための方法を、仏教の手法をベースに具体的に書かれた本。

    情報を入り口で止めて自分の自我を刺激しない、自分の感情をぶつけて相手の自我を刺激しないというのは、練習が必要だけど、それができたら心が穏やかになるだろう。
    ささいなウソもつかない、というのもハッとする。

    考えない練習は、自分自身と他人の感情を、どちらも大切にすることにつながることだと感じた。

    ――――――――

    ・無意識下で「考える」ことに多くのエネルギーを割いている
    ・混乱しているときほど、考える量や時間が増える

    ・心の三つの毒は「欲」「怒り」「迷い」
    ・入ってくる情報に対して「受け入れたくない、見たくない、聞きたくない」と反発する心の衝動エネルギーが怒り。
     「やる気がしない」「妬む」後悔する」「寂しい」「緊張する」も“怒り”の煩悩エネルギー
    ・嘘をつくと、脳内の情報の連携がおかしくなる=迷い=「無知」の煩悩。その結果、混乱で記憶力や明晰さが衰え、自分の本心が分からなくなる。だから建前やごまかしなどささいなウソも積み重ねるのはやめたほうがいい。
    ・音の洗脳もある。音が入ったときに反応せず、音で止める。思考の流れを止める。
     人に悪い影響を与えないために、なるべく普段から「音を立てないで動作する」
    ・聴くー相手の苦を観察する がコミュニケーションの基礎
     相手を突き動かしているのは、苦しみ=ストレスなのではないか、という洞察。
    ・情報を入り口で止める。
    ・観察結果を自我にいちいちフィードバックしない
    ・なるべく相手の自我を刺激しない。
     メールの導入でも価値観や評価を入れず、「満月の晩に、失礼いたします」のように事実をそのまま記す。

    ●脳研究者 池谷裕二さんとの対談
    身体性ストレスに関する実験。
    ペンタガストリン(身体性ストレスを引き起こす薬)を点滴する。
    被験者の手元に、いつでも点滴を止められるボタンを用意しておくとストレスホルモンの上昇量が1/5程度ですむ。

    つまり・・・
    いつでも逃げられると思うとストレス性ホルモンの上昇量が減る。
    =「こうすればストレスの元から逃げられる」という方法を持っているだけでストレスにならない。
    =身体性ストレスも結局、意識の問題

    ●人が幸せに生きていくために育てるべき感情 慈・悲・喜・捨
    「慈」人々を含めた他の生き物が平和で穏やかであることを願う感情。
    「悲」哀れみの感情や、悩みや苦しみがなくなることを願う同情心。
    「喜」他社が幸福になって喜んでいるとき、自分もそれを見てともに喜べる感情。
    「捨」怒りや迷いを持つクセをなくし平常心を保つ心の状態。

  • マインドフルネスに興味があり手に取る。
    タイトルに惹かれる。
    いろいろなことに神経質になる人にとって
    考えないことは難しいけれど、
    実行できれば気持ちは楽になれそう。

  • 妄想が爆発しすぎるので買ってみた本。
    いまブームのマインドフルネスと近いものあり。アドラーの本で読んだ内容とも繋がってる気がする。
    そう思うと全世界人類悩みごととその根本はきっと変わらないのだろう。

    この本の内容としては、無心になろー!といっても難しいので
    事実だけを述べ、感じ、考えることで頭の無駄なノイズをなくして時間を豊かにしようじゃあないかという本、だとおもう。ためになりました。いや充分トリプルルッツばりに難しいけどね。

    心に残った内容メモ。

    ・相手の反応に自分の感情(受け入れられたい、とか聞いてなくてむかつく、など)をのせてはいけない。観察して対応をかえてみることはよいが、自我にフィードバックしないこと。
    同じように批判されたときは相手になにか苦しみがあるのだろうと洞察する。思い込みではなく、音を聞くなどして分析する。
    アドラーの「他人のタスクは他人のもの」という考え方に近い気がする。

    ・仏教で育てるべき感情は慈・悲・喜・捨であり、たとえば、そこに感謝はないと。あれこれむやみに謝ったり感謝するよりは、嬉しかったことを伝えるほうがいいということがちょっと面白い視点。

    ・お経をきくのが何故良いのかわかる気がした。意味がどうより、あのリズム、音に集中するという行為がきっと無駄な思考を排除するのだろうな。

    ・捨てないと見なくてもメモリに残ったままだから、捨てる。わかっているが難しい…!とりあえずこの本も感想書いたら処分するつもりだから許して

    ・他人への同情や心配はほどほどに。

    ・恋人と無駄話するより、つないだ手の感触を感じよう的な話はなかなか素敵と思った。つなぐ手募集

    ・人間は激しい感情や刺激につい支配される。苦痛を快楽にするシステムがあるから、つい苦痛に手を伸ばす。だけどその反射に支配されないように否定することは訓練でできる、というのが仏教にも通じる部分、らしい(意訳ご容赦を)

    さて、まずはこの本を一旦捨ててメモリから消そう(理解が間違っている)

  • 一切皆苦についてよくわかる
    ようは考え過ぎないということだろう
    なぜ? 考えすぎても意味がない
    自然に流れることも大切か

  • 仕事上でのまわりの社員との確執。仕事で失敗することへの恐れ。
    自分で勝手に作り上げるその環境。

    見方を変えれば何のこともないことがほとんど。そんなヒントをくれる本だった。
    この本には書いていなかったと思うが、開き直って取り組むことも有効かなと感じることができた。

  •  TVCMを見て、気になって読みました。
     今、私がまさに必要としている教えがいっぱい詰まっていて勉強になりました。心を整理して、常に落ち着いた状態でこの本の教えを実行出来るような人間になりたいです。
     普段読まないタイプの本なのか、書かれている内容を理解するのにいつもよりゆっくりなペースで読みました。
     池谷裕二さんとの対談も面白かったし、心理学や脳科学の奥深さに面白いと感じました。苦みや痛みなどの身体的なものから脳は進化しているって面白いです。

    今の私に刺さった部分を引用します。善友の部分は、旦那に教えてあげたいと思ったが、こういう考え方がいけないのだというのも同時に学んだ本でした。

    「・・・ものを増やしてしまうというのは、目の前の視野、現実的な目の前に見えている視界を見えなくさせるきりを作りだしてしまうのです。
     いま自分がなすべきことは何か、自分にとって適切なことは何か、自分はどういう人といたら良いか、どういう話し方をしたら良いか、どう人の話を聞いたら良いかといった瞬間の判断を鈍らせる、霧になるのです。」(p.162)

    「あなたのため」のアドバイス攻撃をしない(p.194)

    「自分の意見を押しつけたい」欲に操られない」(p.197)

    「仏道には、【善友(ぜんゆう)】という言葉があります。お互いの心を成長させていく、かけがえのない関係の友人ということですが、ブッダの教えというのは、必ずしも万人と仲良くしましょうといった博愛的な、偽善的なニュアンスというものはまったくありません。むしろ、ある意味もっと厳しいもので、お互いが堕落するような関係や、お互いの煩悩が増えるような関係、付き合っていて自分のグレードが落ちてしまうような相手からは距離を置くべきだと教えています。」(p.204)

  • 新たな発見がいくつかあった。

     心はひたすら「より強い刺激を求めて暴走する」という特徴を持っている。

     普段は、思考を操れずに多くのことを「考えすぎる」せいで、思考そのも  のが混乱して、鈍ったものになってしまいがちなのです。

    まさに、なんとなく思っていたことだ。

    最近はipodのおかげで隙間時間をpodcastで埋めることが増えてきていた。これも「考えすぎる」一因だ。これからは、podcastを減らそう。

    「大笑い」の考察も、目から鱗だった。笑いの効用が言われているが、個人的に違和感を感じていた。理由がわかり府に落ちた感じだ。

  • 【三毒】
    ・欲
    情報を求める心の衝動エネルギー

    ・怒り 
    情報に反発する心の衝動エネルギー

    ・迷い 
    目の前のことに飽きて別の刺激を求める心の衝動エネルギー
    無知の煩悩とも言う=自分の体の中での意識の働きや思考の動きを知らない


    【八正道】
    ステップ⓵ 自己ルールを律しぶれない芯を作る
    正思惟 思考内容を律す
    正語 言葉を律す
    正業 行動を律す
    正命 生き方を律す

    ステップ② 集中力を養う
    正精進 心を浄化する
    正定 集中する

    ステップ③ 気づく
    正念 心のセンサーを磨く
    正見 悟る


    【正思惟】
    念力 自分の心の状態に気づく
    定力 心の働きを変える

    六門 目、耳、鼻、舌、身、意 外部からの刺激に気づく方法



    【話す】
    〇自分の声音の観察→ 違和感があれば自然に修正される
    〇ネガティブな思考を感じたら、その感情を真っすぐに見つめる
    例:「むかつく」と思っている
    〇謝罪の際には、具体的な対策を述べる「次からはこういうやり方、順番で、同じ失敗を繰り替えさないように気を付けます」
    〇言い訳は、相手の性格や感情を分析しながら注意深く選ぶ

    〇無駄話をしない
    相手にとって有意義でないもの、心にもない相槌やフォローを返さなければならない話

    〇ありがとうを連発しない
    社交辞令は必要最低限にする


    【呼吸する】
    呼吸を意識する→違和感があれば自然に修正される


    【聞く】
    〇暴力的な音や大きな音はできるだけ遠ざける
    自分でもできるだけ音を立てずに動作する練習をする

    〇周りの音を意識的に聞いてみる

    〇相手の感情に着目して聞く
    相手の声音、速度、呼吸、表情の変化に着目

    〇批判されたときは、相手の苦しみに目を向ける
    「怒り」→喉に何かがつまったような声
    「慢:自己評価を気にしプライドにしがみつく」→相手を馬鹿にしたようなトーン

    〇音そのものに注意して聞くことで、最初から不愉快にならないようにする


    【嗅ぐ】
    嗅いだままにする
    あるにおいが鼻を刺激して、それに怒りを感じているだけ


    【見る】
    〇ニュートラルなものをしっかり見る
    例:看板が見えている→近づいて見える→今見えなくなった

    〇見ることにより自我が強く刺激されるようなものも避ける

    〇相手の感情に着目して聞く
    相手の声音、速度、呼吸、表情の変化に着目

    ただし自我に還元させないで客観視する

    〇緊張した時などは、いったん目を閉じたり半目になったりしてみる

    〇自分の姿も相手の心を刺激していることを心の片隅に置く
    自分の表情に自覚的であるように心がける


    【書く読む】
    ネガティブなことは書かない


    計画する
    あらかじめ決めておく

  • 難しかった。すべてが最もで反論の余地がない。実践すれば自分の苦痛からきっと逃れられるだろうと理屈ではわかるけれど、なかなかできないと思ってる自分がいる。まだまだ雑念だらけの凡人だから、その境地に到達することを目指していきたいと思うだけでも前進といえるのかもしれない。

  • 考えない練習
    著:小池 龍之介

    本書で提案する思考の調教とは、五感を研ぎ澄ませて実感を強めることにより、思考というヴァーチャルなものを乗り越える手だてである。目・耳・鼻・舌・身の五感に集中しながら暮らす練習を経て、さらには思考を自由に操ることを説いている。

    本書の構成は以下の9章から成る。
    ①思考という病
    ②身体と心の操り方 話す
    ③身体と心の操り方 聞く
    ④身体と心の操り方 見る
    ⑤身体と心の操り方 書く 読む
    ⑥身体と心の操り方 食べる
    ⑦身体と心の操り方 捨てる
    ⑧身体と心の操り方 触れる
    ⑨身体と心の操り方 育てる

    ざわつく心は不安からくる。
    考えすぎる思考病から抜け出すにはどうすべきか。
    不安やストレスなく過ごすには考えないにこしたことはない。
    しかし、それができない。

    そして、一気に改善はしない。
    本書から向かうべき方向を確認しつつ、今の自分が受け止められる教えと真摯に向き合うほかない。

    丁寧に生きる。
    そこがキーワードになると感じる。

  • 考えないようになれるようにと思って読んだものの、考えさせられる事ばかり。
    ・「あなたのため」のアドバイスをしない。
    ・「自分の意見を押し付けたい」欲に操られない。等
    耳の痛い事ばかり。

  • 感じることを素直に感じる。それ以上でもそれ以下でもない。そんな境地になれるだろうか?

  • タイトルに惹かれました。

    人間は動物と違って考えるという言葉がありました。
    愛犬を見ていても、動物も非常によく考えていると思います。
    ただ、人間のように余計なことに囚われず、良い意味で今を全力で生きているという印象はありました。

    前頭葉にダメージを受けると危機感や恐怖を感じなくなると言います。

    同じニュースを見ても賛成と反対が出てくるわけで、
    反射のパターンは人生経験によって決まるというのは
    本当にそのとおりだと思いました。

    笑っているときの脳神経の動きは痙攣発作に似ているというのは知りませんでした。
    笑う門には福来るとよく言ったもので、
    口角を上げるだけで楽しくなります。
    脳の報酬系が活性化するのだとか。

    タイトルに惹かれただけで筆者のことも知らないまま手に取りましたが
    仏教の世界観がすっと心に入ってくるように思いました。

  • 何か嫌なことを思い出して、もやもやしながら時間を無駄に過ごしてしまうことが多かったで、本書を読みはじめました。まだ、練習中なのですが、だんだんと効果を感じています。

  • 人はより強い刺激を求めて暴走する生き物である。

    しかし、その刺激の求め方を変えてはどうか?というのがこの本の一番言いたいことである。

    街歩きをすれば、とにかく目立ちたい看板で人の目を刺激する。また音を出しながら走る車もまた、人に目立ちたいから耳を刺激する。強い香りは鼻を刺激して目立とうとし、強い味は舌を刺激して印象に残りたがる。

    このように世間は刺激にあふれており、このような人工的に作られた刺激に踊らされていると「強いストレス」を感じるようになる。

    強いストレスを感じるとそれより強い刺激を得ないとストレスを解消することができないので、より強い刺激を求めていく・・・という繰り返しが人の感覚を狂わせていくのである。

    身近なもの、自然なものに対して集中をすることで刺激を得、ストレスも上手く意識することで上手く回避できるようになる術を教えてくれるのが本書なのである。

    言われてみれば自分自身も外の強い刺激ばかりを追い求めて居た気がしてならない。

    そうではなく、身近にあるものから刺激をもらって、ストレスがなく疲れない生活を営みたいと思った。

    そうすることで、毎日をより充実して生きられるのではないかと思う。

    何度も読み返して、しっかりと実生活で生かしたいと思う一冊。

  • 本編より脳科学者の池谷裕二氏との対談が面白い。

  • 一年ほど前に、再読したが、当時(2012年頃)わからなかった良さが、今わかる。

  • 脳内で勝手に始まる思考病。集中力がないと実感されている方は当てはまるかもしれないです。一つ一つの言動に注意を払う練習を始めようと思いました。文体や言葉尻が難しく感じ、何度も中断するほど読みにくかったですが、続刊が気になります。

  • 簡単にまとめれば、『(アレコレ余計なことを)考えない(で、集中力を高める)練習(でもキツいことは何にもありませんよ)』といったところ。各章で挙げられるネガティブな考え方・生き方の例が、まさしく自分に当てはまることばかりで、「今まで随分と、自分で自分を苦しめてきたのだなぁ」と神妙な気持ちになった。内容を全て実行するのは無理でも、やれそうなことから始めてみよう。

  • 感覚に集中することによって、思考のノイズをうまくコントロールする、という内容。常に思考に支配され、脳が凝りかたまっている自覚があったので、非常に参考になった。ただ、少し浮世離れしている印象を持った箇所があり、書かれていることを完遂してしまったら私はサラリーマンとしてやっていけるのだろうか、と若干不安に思った。数年後、数十年後読み返したらまた違った感じ方ができそうな本。あと、お笑いだけは脳に悪影響であっても今のところ譲れない。

  • 現在のマインドフルネス本とも符号する部分が多数あり。
    お金の使い方が特にお気に入り。物をかうということが投資という概念。いいものにお金をかけて、作ってくれた人に還元する。

  • 「考えること」とは、強い刺激を求めてやまない心の傾向性に支配されることであるという考えから、考えることをやめて五感を通じて得られる経験の諸相を見つめることを読者に勧めている本です。

    巻末には、記憶力にかんする著作で知られる池谷裕二との対談が収録されており、脳科学と原始仏教というそれぞれの立場から、われわれ人間の心の精妙な働きについて、ときに大胆な推測も織り込みながら、議論が交わされています。

    原始仏教の実践哲学を「心理主義的」と形容するのは適切ではないのかもしれません。また、著者が語っている方法は非常に具体的であり、そこに本書のもっとも大きな魅力があることも十分に理解できるつもりです。しかしながら、それでもやはり本書には、自分自身の心のあり方をコントロールするための技法として読まれてしまうような側面があることは否定できないような気がします。

  • 僧侶である著者が「なぜヒトはやたらと雑念が多くなってしまうのか」について説明しています。また、雑念をうまく振りほどいて安穏な精神状態になるにはどうすればよいかについても説明しています。雑念発生のメカニズムについては概ね僕が普段から思っていることと同じで、しかもそれを明文化してくれているのでよりはっきり自覚的になれました。対処法についても感覚に注意を注ぐことが大事とのことなので、意識していきたいと思います。

  • 「考えない」練習というよりは、「五感」を大切に、より集中することをメッセージとしている本。

    われわれは「考えすぎる」せいで混乱しているとのこと。

    本書の中で、一番のメッセージは五感を能動的に「感じる」ということ。
    「見えている」と「見る」
    「聞こえている」と「聞く」
    「においかする」と「嗅ぐ」
    「味がする」と「味わう」
    「感じている」と「感じる」
    そういえば、能動的に五感を活用するって最近あんまりないなぁと思うところです。

    また、今回、驚きが
    仏道において、人が幸せに生きてくために育てるべき感情は
    「慈」 人々を含めたほかの生き物が平和で穏やかであることを願う感情
    「悲」 哀れみの感情や悩みや苦しみがなくなることを願う同情心
    「喜」 他者が幸福になって喜んでいるとき、自分もそれを見てともに喜べる感情
    「捨」 怒りや迷いをもつクセをなくし「平常心」を保つ心の状態
    と4つのみで、「感謝」はないとのこと。
    ブッダが弟子たちに感謝している記述はないとのこと。
    これは、びっくりしました。
    まぁ、感謝は努力して持つ感情ではないとのことですが、うーんってな感じでした。

    読み進めると、前回読んだ「反応しない練習」につながるようなところがいくつかあります。
    例えば、観察結果をいちいちフィードバックしない
    といったメッセージ!
    根っこは一緒ということでしょうか。

    ただ、本書は正直、ところどころ「うざいっ!」というような思考や物言いや、ちょっとそれはといった物言いが出てきます(笑)

    正直そこはいまいち(笑)

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著者プロフィール

1978年生まれ。山口県出身。東京大学教養学部卒業。月読寺(神奈川県鎌倉市)住職、ウェブサイト「家出空間」主宰。僧名は龍照(のちに空朴に改名)。住職としての仕事と自身の修行のかたわら、一般向け坐禅指導も行う。執筆活動も手がけ、『考えない練習』(小学館文庫)、『しない生活』(幻冬舎新書)、『超訳 ブッダの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、多くの著作を持つ。2018年9月に月読寺を引き払い、路上生活者に。11月には修行の旅に出る(現在は音信不通)。

「2019年 『やっかいな人を自分のお城に入れない方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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