冥闇 (小学館文庫 フ 6-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (615ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094087628

作品紹介・あらすじ

三十一歳のリビー・デイは七歳のときに母とふたりの姉を殺される。首を絞められ、斧を振りおろされ、ショットガンとナイフで惨殺されたのだ。生き残った彼女の証言によって、十五歳の兄ベンが殺人犯として逮捕され収監された。リビーはすさんだ少女時代を送り、自嘲的で無気力な大人となり、事件後に寄せられた寄付金で暮らしていたが、それも底をつきはじめていた。そんなとき、彼女は有名事件の真相を語り合う「殺人クラブ」の集まりに招かれる。事件について語れば謝礼を支払うという申し出に乗り、彼女はお金のため、家族に降りかかった事件を振り返るのだが。

感想・レビュー・書評

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  • 人間の弱さと、「なんでこうなるしかなかったんだろう」というやるせなさ。『ゴーンガール』でも思ったけど、事実の不確かさと口コミ、集団の怖さを背筋が寒くなるほど巧みに描くな…

  • 映画も原作も面白かった『ゴーン・ガール』と同じ著者、女性作家のギリアン・フリン。著作が次々に映画化されています。これもシャーリーズ・セロン主演で、アメリカでは既公開。

    7歳のときに目の前で母と姉を惨殺されたリビー。彼女の証言によって逮捕された15歳の兄ベンは、四半世紀近くが経過した今も服役中。家族を一斉に亡くしたうえに身内が殺人犯となったリビーは、世間の同情を買い、あちこちから集まる寄付金で暮らしてきました。けれど、お世辞にも美少女とは言えないリビー。そのうちもっと不幸でもっと可愛い被害者が出てきたりして、そうなればリビーが世間から忘れ去られるのも時間の問題。31歳になった彼女は金欠状態、この先どうして暮らしていこうかとヤキモキしています。そこへ舞い込んだ妙な招待。物好きたちが殺人の真相について好き勝手に語り合うクラブらしく、ここではまだまだリビーは人気者。ギャラ目当てに招待を受けたところ、適当な話をするだけでは誰も許してくれぬよう。イライラを募らせるリビーでしたが、ここへ来て初めて自分の証言と向き合うことになります。

    原作では不細工な女性が主人公。ブスで性格の悪い女のような印象があり、うだうだ言っている段では、いくら事件の被害者だからってここまで性格が悪いと同情できない!と思うほど。彼女がようやく真相を追い始めるところからは惹きつけられます。映画版の主人公はシャーリーズ・セロン。彼女が美人のままリビーを演じているのか、『モンスター』(2003)のときのようなブスメイクで挑んでいるのかで印象が変わりそう。日本でもぜひ映画を公開してほしいものです。

    追記:2016年6月に劇場公開されました。
    映画の感想はこちら→http://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/f6ec9d5ec190fb38235b2d6392685e67

  • ギリアン・フリンの第2作。新刊コーナーに並んでいたので新刊かと思い、購入したのだが、『ダーク・プレイス』というタイトルで映画化されたことを機に増刷され、映画宣伝用にオーバーカバーされた文庫だった。未読作だったので良かったのだが。

    一家惨殺事件の唯一の生き残りのリビー・デイが25年後に有名事件の真相を語り合う『殺人クラブ』に招かれたことから、事件の真実に辿り着くというミステリー・サスペンス小説である。

    現在と過去が交互に描かれ、当時の事件関係者を巡るうちに一つずつ複雑に絡まった糸がほぐれていく過程が面白い。しかし、登場人物の全てが脛に傷を持つ、屑ばかりで、読んでいて良い気はしない。一種のイヤミスという感じの小説。

  • 幼い頃に家族を惨殺された女性が主人公のサスペンス小説。
    「ゴーン・ガール」もそうだったが、主人公が決して善人じゃないのが好きだ。
    お金をもらうためなら家族の遺品も売り飛ばすし、真犯人候補にも嫌々会いに行っちゃう。何それ生々しい人間(笑)
    真犯人は予想もしてなかった人物だったが、ラストはちょいと盛り上がりに欠けた感が。単に好みではなかっただけかもだが。

  • うーん、今回の感想は何を書いてもネタバレになりそうなので、ものすごくオブラートに包むと、本当にムナクソ悪くなるような描写が出てくるので、その辺りはサササ〜と読み流し、で、いったい誰が犯人なんだ?と最後まで分からないまま進み、ある人物の生存が発見されたところから、若干B級ホラーな展開が予想され、ラストはそう来たか!という結果になります。しかし、これは続編が書かれてもよさそうな終わり方ですよね。または生存発見された2人のそれまでの凄惨な生活っぷりも妄想満載でアナザーストーリーが描けそうですね。

  • 『幼い頃何者かに家族を惨殺されたリビー。24年後、自堕落に生きる彼女のもとにある推理クラブが事件の再捜査を依頼する。彼女は謝礼金目当てに、真相の究明に乗り出すが……』

     『ゴーン・ガール』が最高に面白かったので、作者つながりで読み始めました。
     『ゴーン〜』でも魅力だった、あのドンヨリとしたイヤな雰囲気はこちらも負けず劣らず。どのページを読んでも、イヤなやつや汚れた場所、みじめなストーリーが詳細に描かれておりますが、なぜかクセになるんですよね、この雰囲気が。きっと文体が客観的で淡々としていて、ブラック・コメディっぽく感じるからだと思います。
     過去の真実と現在の捜査が交互に綴られたストーリーで、事件発生に近づくにつれ緊張感が高まります。衝撃的な悲しき真実を、ぜひお楽しみいただきたいと思います。
     スリリングな謎解きを求める方、そして砂糖菓子のような甘ったるいメロドラマにウンザリの方にオススメです。

  • やっぱり面白いギリアンフリン

    主人公リビーがいちいち捻くれてて。
    でも話が進むにつれて勇気を出して
    思い出したくない過去に遡って真実を見つけていく。
    だんだんとリビーが愛おしく感じるように。
    出てくるキャラの個性が強くて一気に引き込まれる。

    ゴーンガールと同様にこの話も映画化が決まっているらしいから楽しみ

  • hello 4stars! the prot included Ribby's character. but some why? Diandra love Ben, kill Michael and can't shoot Ribby? she loves red (hair) only?

  • 出てくる人物のいやらしさ、醜さ、残酷さに胸が悪くなりつつも、物語に引き込まれて読むのをやめられなかった。読み終わって真相が分かった今では、ラストに救いは感じられたものの、「それってあり?」感がかなり残ってすっきりしない。面白いけど。現在と過去が交互に出てくるところや後を引く嫌な感じが「邪悪な少女たち」にすごく似ている。「ゴーンガール」の方がふっきれてて好きかも。

  • 本日、図書館にて予約

    とある少女の姉が母親によって惨殺される。そして兄が逮捕され。。。

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