- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094512984
感想・レビュー・書評
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かっこ……よすぎだろ!(ToT)
泣いた。その清々しさと誇り高さに、幾度となく本を持つ手が震えた。
帝政天ツ上と神聖レヴァーム皇国の
己の全力をかけて戦った中央海戦争
その決着がつく時が、ついにきた。
次第に物量で押しはじめてきたレヴァーム軍に
疲弊していく天ツ上軍の飛空士たち。
極限状態にありながらもその胸に燃える闘志と誇りは消えることなく、彼らを奮い立たせる。
空では無敗を誇る千々石も、度重なる出撃に疲労の色は濃い。
しかし、満身創痍の千々石の前に
とうとう
再会の思いに焦がれて止まなかった男の、その両翼が煌めくのだったーーー。
追憶を読んだ時には、ただひたすら敵対するものとして恐怖の対象だった真電と、天ツ上に繰り広げられたドラマを見て
悲しくて仕方がなかった
彼らのうちに宿る思い、願い
そしていかにレヴァームが差別の眼差しでこちらを見ていたのか
ひたすらショックだった
戦争は一元的ではない
誰が諸悪の根源というのでもない
起こるべくして起こったただの事象としての戦争にもはや意味などなく
無駄に命が散華していく
ほんとに戦争は虚しいものだと、読みながら痛感した
それでもその戦いの空に、流れる血に、交わされる意思のやり取りに
言い様のない格好よさを覚えて高揚する自分は、やはり残酷なのだろうかと
ちょっと思ってもみたり
あんなにかっこよかったシャルルにはつい
必死で、来ないで!!と祈ったw
そして何度となくファナに、早く戦争を終わらせてくれと願った…
これ以上誰かが犠牲になる前に…
虚しいばかりに命は散って
海も空も大地も、砲弾と鉄屑に汚れ
ほんとに失うばかりで何も残らなかった戦争だけど
読了後のこの清々しさは、いったいなんだろう…
彼らと駆けた空はすぐ目の前に見え、彼らの命の軌跡を刻んでいる。
どこまでも変わらず続く
自由の青い空詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
別の作品では悪役だったキャラが主人公。ちくしょう、嫌いになれなかった。むしろ好きだ。
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空にしか生きられない男たちの物語。
今私たちが平和に暮らしていけるのは昔の人たちが戦争で辛い思いをしたから。
私たちに同じ思いをさせまいと世界を変えてくれたから。
この物語はフィクションだけど、そんなことを思い出させてくれた。 -
歴史に刻まれる礎とはこういうことだ。これを決して忘れてはならない。
歴史に偉大な名を残した千々石武夫。見事な生き様だった。かっこよかった。空の王だった。
この物語を、決して忘れてはならない。 -
ちょっと無理のある空戦シーンではあるが、ストーリーの展開は面白い。
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やっぱり、ファンタジーはいい。夢がある。細かいところ気にしなくても頭に情景が浮かびやすくて楽しめる。
うーん、海猫のその後が気になってしょうがない。 -
ここ最近で1番のディープインパクト。 迫力ある空戦の描写の細かさと熱さはラノベの域を越えてしまっている……もはやラノベではない、な。
もう言葉はいらない。 読むべし読むべし! -
正統派戦記モノとして読み応えありました。
悲しい結末が見え隠れしてくる中、救いのない終わりへと進むだけかとおもいきや、この作者ならではのある意味では救われるエンディングへ一気に進んでゆきます。
絶対オススメの本です。