やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (6) (ガガガ文庫 わ 3-10)
- 小学館 (2012年11月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094513806
作品紹介・あらすじ
文化祭。面倒な仕事をスルーする方法は…呼ばれても返事をしない、面倒くさそうな気持ちを顔に出す!?ぼっちのスキルをフル活用して、文化祭の準備から逃げる気満々の八幡。しかし、HRをサボッている間に、文化祭の実行委員にさせられてしまう。新学期が始まってからの八幡は、どこか調子がおかしい。クラスでも、部活でも…。雪乃への疑問は消えないまま、そしてそれを問わないまま…前に進まず、後戻りも出来ない二人、雪ノ下雪乃と比企谷八幡。決して近づかない不変の距離感に変化は訪れるのか。好評シリーズ第6弾。
感想・レビュー・書評
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アニメが気に入ったので、同タイミングの6巻から初めて原作を読んでみました。
文化祭が舞台ですが、ぼっち作品主人公が実行委員になることから騒動の顛末が始まります。
しかし、文化祭実行委員なんて、ある意味学園生活のかなり高いレベルのリア充と思いますが、ここに場違いな主人公が放り込まれなければ話が始まりません。
あくまで、ぼっちの厳密な写実主義の「私モテ」と違うところです。
ここから、ヒッキーが印象的かつ効果的な言動によって、難局を救いますが大いに自らを傷つけることになります。
それを葉山や平塚先生は理解してはいますが肯定はしていません。でも、ゆきのんは明確に感謝を表明。僅かな僅かな進展。噂通りにタイトルと違ってラブコメ路線じゃないのですね。
しかし、ヒッキーはささやかにリア充化しており、ぼっちスキルが鈍っていかないか心配です。(心配なんだ!そこっ、心配なのね!)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この巻は「成長」がテーマだったように思う。文化祭を通して自らを成長させたいといいながら、その実自らに委員長という箔をつけるだけで向上心のない相模は、この巻を通して成長を見せた雪の下と対照的に描かれている。雪の下の成長は、陽乃にステージに出てもらうように指示するシーンに表れていて、今までの原則論的なやり方踏襲しつつそれを現実に落とし込んでいたのはさすがだと思った。
また、雪の下の言葉の端々から、今はもう陽乃の影を追いかけていないことがわかったが、それは比企谷の功績が大きいように思う。最後のシーンでは、1巻の雪の下と違い、自分の弱さや現状を認める比企谷のあり方を認めていて、この価値観の変化が雪の下の成長を最もよく表していると思った。 -
たとえ大多数にdisられても、たとえ間違ったやり方だとしても、その結果を理解するヒトに囲まれている事は彼にとって救いなのかもしれない…とは思う
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うわ、なんか後味良すぎ。ぼっちによる、ぼっちのためのヒーローものになってきた。悩める憧れのヒロイン雪ノ下を救うために、ひねくれ八幡が捨て身のひとことで世界を変える。これを文化祭実行委員会というフツーなお題でやるところに、ぼっち作家の執念、、、いや才能を感じた。悪役二軍女子さがみんを出した時点で、かなりのチャレンジ。仲間になっちゃったらぼっち小説じゃないし、敵のままなら能力カースト肯定(一軍>二軍>ぼっち)で、落としどころが難しい。結果は敵のままだけど、ぼっちがヒールに徹して二軍も動かす。で、一応カースト否定(一軍=二軍=ぼっち)もちょぴり。エンディングの豪華女性キャラバンド演奏は営業用としても、オタク材木座と川崎をラストミッションに使うあたりの気配りがすばらしい。「あきれるほど変わらないのね」byゆきのん。今まででギャグ度最低なのに、シリーズ6巻目にして、ブクログ最高評価の4.5点。全国の隠れぼっちから人気を集める理由がわかったかも。
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文化祭の回。アニメ第一期の最後の話と対応しているものの、ストーリーも人物描写もアニメ版よりずっと深いので、ほとんど別作品として楽しむことができる。本巻の見どころは、やっぱり雪ノ下姉妹の関係性と即興バンドでしょう。それから、なんちゃって実行委員長の相模南。こういう痛いキャラに、リアルでもバーチャルでもたまにお目にかかることがあるけれど、その痛々しさをここまでバカ丁寧に解説付きで描写した作品は見たことがない。何気ない日常生活において、通常は触れられることのない不都合な真実をいちいち指摘して回らなければ気が済まない主人公(を裏で動かす作者)のモノローグこそ、この作品の本質的な魅力であり、ここ数年のラノベ界で不動の地位を確立した原動力でもあろう。
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アニメ版のクライマックスだった文化祭の話。
アニメ版より心情がわかりやすい。
八幡は完全にダークヒーローでかっこ良くなってるw -
文化祭回。他の学園ラブコメの文化祭回では、この感触は得られない。俺ガイルという作品、八幡というキャラ、渡航さんという作家を見せつけた巻になったのではないでしょうか。それにしても、八幡はもう平塚先生のこともらっちゃいなさいよ。