この巻は「成長」がテーマだったように思う。文化祭を通して自らを成長させたいといいながら、その実自らに委員長という箔をつけるだけで向上心のない相模は、この巻を通して成長を見せた雪の下と対照的に描かれている。雪の下の成長は、陽乃にステージに出てもらうように指示するシーンに表れていて、今までの原則論的なやり方踏襲しつつそれを現実に落とし込んでいたのはさすがだと思った。
また、雪の下の言葉の端々から、今はもう陽乃の影を追いかけていないことがわかったが、それは比企谷の功績が大きいように思う。最後のシーンでは、1巻の雪の下と違い、自分の弱さや現状を認める比企谷のあり方を認めていて、この価値観の変化が雪の下の成長を最もよく表していると思った。
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- 感想投稿日 : 2019年11月2日
- 読了日 : 2019年11月1日
- 本棚登録日 : 2019年11月1日
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