英雄の占星術師 はじまりの軌跡 (小学館ルルル文庫 は 2-5)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094522259

作品紹介・あらすじ

新政府内で力を伸ばす海軍海佐アーツと、その副官で謎めいた美貌の占星術師レヴィット。新政府代表モスの側近として改革にあたる二人は、国を揺るがす陰謀に直面することになって!?そんな中、王族の血を引くジュエル姫への想いを自覚したレヴィット。しかし、ジュエルとモスの婚約がささやかれはじめ…。海洋国家レインフィールドを襲う危機に、最強コンビが取る策とは?華麗なる男たちの恋と野望のドラマチックストーリー。

感想・レビュー・書評

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  •  続巻が出ていたことに半年近く気付けませんでした。不覚……!!

     それはさておき、今回は前巻から半年後。海の英雄と称えられる海軍少佐として、新政府代表モスの側近として存在感を増すアーツと、副官として裏に表に奔走する占星術師レヴィット、そしてそんな二人の心を捉えて離さないジュエルとエステラ。……あと、なにかと不遇なモス。
     新政府に集い内部の改革に励む彼らに、西大陸の国家グリンダウから使者が訪れ、なにやら雲行きの怪しい外交が始まります。
     表の人物と裏の人物を使い分けたり、スパイ的な要素があったり、同著者さんの『ルチア』を思い出します。

     前巻は海戦シーンの描写にわくわくしたものですが、今回は主役二人の殴り合いのケンカです。著者さん、規模問わずドンパチさせるのが好きなんでしょうか(笑)
     恋と政略と外交問題と、「泥沼」という言葉が似合いそうな要素満載ですが、そこは少女小説なので、綺麗な形で大団円。
     悪い言い方をすれば、恋愛と大河をミックスした本格的な作品になる要素を持ちながらも、少女小説に甘んじて中途半端な出来に。
     先ほど挙げたケンカのシーンにしろ後には引かずなんのためのケンカか不明だし、エステラの言動は説明不足。社会的背景の説明はしっかりあるし、庶民と中央政府両方にまたがるレヴィットの存在もあるのに、どうにも活かしきれない。
     あと、ルネがすっかり目立たなくなったのも不満で、どうせならもう一回くらい華麗に海上の攻防をやらかしてほしかったり。

     でも、ご都合主義な少女小説の中ではキャラクターを世界観にしっかり根付かせているし、読んでいても緊張感のある展開が本当に面白い。
     もともと恋愛よりは政治色強めなストーリーを重視する傾向のある著者さんですが、その方向性を貫いてくれればと思います。
     少女小説という分野ではなかなか難しいのかもしれませんが……。

  • 2巻目最終巻。
    1巻に比べて、とんとん拍子にはことが進まなくて、二人の焦りが伝わってくるようです。小物なはずのウェズリーも復活してきてます。(最後にはちゃんと裁かれてましたけど)

    アーツとエステラの仲もちょっと雲行きが怪しい感じになってて、アーツはこれまでなんか真剣みが感じられなかったんですけど、大人の苦悩っていうか、こういうのもいいかな。(レヴィットが奥手なぶん、アーツががんばってます。)

    レヴィットとジュエル姫の間は、お互いに恋心を自覚しながら、レヴィットはアーツにとってのモスを考えて一時身をひきましたけど、抑えきれない思いっていうのが、レヴィットとジュエル姫の両方にあって、モスがあそこでひいてくれてよかったです。

    策略多めで重い感じでしたけど、十分楽しめました。

  • 二巻目でめでたく大円団。

    割とあっさりモスが譲ったのが、少女小説だよなー。そこで策謀とかむりくりとかならない物分かりのよさが、かわいらしい。
    そういう意味では、レヴィットもまだまだ若造じゃのう。策謀巡らせるわりには、青い。
    まあ、そこが好さといえば好さでしょうか。
    たぶん、策謀と乙女の比率をこれ以上策謀側に上げちゃうと、少女小説らしさ消えるんだろうし。
    惜しむらくは、祭のシーン、現代日本丸出しはいただけない……。

  • もっと続くのかと思ったけど、2巻目で完結。綺麗にハッピーエンドで終わったなぁ、と。
    1巻目と変わらず登場人物が魅力的で楽しかった。

  • うーむ、大変ドラマチックでした。モスは自信家の若者らしいミスリードっぷりで、ちょっと苦笑いしちゃいましたが、嫌味なほどではなく微笑ましかったです。可愛い。この巻は主人公の二人だけではなく、モスの成長も見られたと思います。あのまま自滅するようなトップにはなってほしくはなかったので一安心。まあ大丈夫だろうとは思ってましたが。
    このままシリーズで続くのかと思いきや、二巻で終了。確かに結構ハイスピードで恋模様が進みましたもんね。
    個人的に一つ引っかかったのは、エステラって人妻なんですよね?結局旦那さんが出てくることもなく、不倫関係という背徳感もなく、エピローグでアーツとさらっと夫婦に収まってて、なんとなくもやっとしました。そりゃ当然そこに行き着くまでに色々あったんでしょうけど、作品中ではあまりそれを感じ取れなくて、なんか釈然としない。それとも上流階級ってそういうものなの?私が庶民だから理解出来ないだけ?不貞って多かれ少なかれ責められること違うん・・・??
    まあもう一方のカップルには非常に萌えさせていただいたので問題はありません。初々しくて情熱的で、御馳走様でしたって感じです。

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