中国の核戦力に日本は屈服する: 今こそ日本人に必要な核抑止力 (小学館101新書 102)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098251025

感想・レビュー・書評

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  • 大変興味深い本だった。
    日本は核戦力を持つという著者の意見につい同調したくなる。

    中国は発展を続ける。
    中国の考えていること。
    米国は減衰していく。
    米国の考えていること。
    周りはみんな核を持っている。
    昔、欧州は核の傘に入らず核をもつことを選んだ。
    敗戦後の日本の歩み。

    きっといろんなことを含めて考えなければいけない。
    その中で、特に重要なことは日本というこの国がどう
    生きるかということを真剣に考えることだろう。
    そして、安全保障特に軍事面に関して、正面から向き合う
    ことだろう。
    敗戦後、国家としては当然考えなければならない安全保障
    について、米国におんぶにだっこをされてきたツケは大きい。

    いまここにある日本の平和と独立は決して当たり前のものではない。米国に依存してこそあるもの。生存を左右する安全保障について、自分ではなく、他者に任せているということの意味をよく考えるべきなのだろう。

    きっと向き合うことが大切。
    誰も面と向かって話さないから、よくわからないことになってくる。すべてのピントがぼけちゃうから。

    <メモ>
    ○ 仏元大統領ド・ゴールの言葉
      人間は価値判断するからこそ、人間でありうる。
      アメリカは巨大な惑星。中小国は小さい惑星。小さい惑星が巨大な惑星に近づきすぎると、自分の軌道を見失い、大きな惑星の軌道に吸い込まれてしまう。
      アメリカ人はアメリカ人、彼らはヨーロッパ人ではない。我々は、米欧の同盟関係を維持しなければならない。しかし、ヨーロッパ人がアメリカ人の覇権主義をそのまま受け入れるならば、我々は、自分自身に対する信念すら失ってしまうだろう。
      彼は、アメリカ政府にフランスの安全保障を任せるならば、フランス人はアメリカの軌道に吸い込まれてしまうと確信していたのである。

    ○ 商・軍・哲のバランス国家に
     ① 目先の利益を追求する商人的要素
     ② 安全と秩序を守ろうとする軍人的要素
     ③ 利害打算と権威権力を超えたところに永続的な真の価値判断を求める哲人的要素
     → 昭和初期の日本:軍人的要素の突出
     → 敗戦後の日本:価値判断は損得(商人国家)

著者プロフィール

伊藤貫

1953年東京都生まれ。政治思想家・国際政治アナリスト。東京大学経済学部卒。コーネル大学で国際政治学を学ぶ。その後、ワシントンのビジネス・コンサルティング会社で、国際政治・米国金融政策のアナリストとして勤務。『フォーリン・ポリシー』『シカゴ・トリビューン』『ロサンジェルス・タイムズ』『諸君!』『正論』『Voice』『週刊東洋経済』等に、外交評論と金融分析を執筆。CNN、BBC、米国公共放送等の政治番組で、外交政策と金融問題を解説。著書に『中国の核戦力に日本は屈服する』(小学館新書)、『自滅するアメリカ帝国』(文春新書)などがある。

「2020年 『歴史に残る外交三賢人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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