- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098253081
感想・レビュー・書評
-
学校だけではなく、職場やSNSなど、いじめが起こる構造を脳科学から説明した本書は、現実的な方法でのいじめ回避の方法を提示しています。
広く読まれてほしい本です。
規範意識が高い人ほど陥りがちなことが書いてあり、自分はいじめ加害はしないという思い込みを見直す機会になると思います。
いじめがなぜ起こるのか?というと、一言で言えば集団を維持するため。
本書では、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンといったホルモンがいじめを起こす作用をどのように起こしうるかを説明しています。
オキシトシンは、他人とのつながりを感じたときに分泌され、良いホルモンというイメージが強いので、オキシトシンが仲間意識を高めることで、それ以外の他者を排除しようとする気持ちをも生み出すことに驚きを禁じ得ない。
ネット上でよくある誹謗中傷による炎上も、正しいことをすると快楽を得てしまうドーパミンの作用によるものだと説明されています。
本を読みながら、いじめを少しでも減らすには…と自分は加害者にならない意識があったことに気付かされました。
いじめの加害者になる人は、実は規範意識や集団帰属意識が高い傾向があるのも、より良い社会にしたいだとか、もっと高い成果を”みんな”で出したいという真面目な考えが行きすぎた結果で、そうした正義感が裏にあると、相手に全面的な問題があると思いがち。
誰しも加害者になる可能性があることを思い知らされました。
いじめの回避策についても言及されていますが、学校関係者としては、監視カメラを設置する方法は難しいかなと思います。生徒の信頼を前提にして活動する必要があるし、プライバシーの問題や、世論などの問題があり、学校は保守的な対策しか取れないのが現状です。
ただ、いじめだけではなく、盗難などの問題も頻発しながら、手をこまねくしかなく、生徒の良心に訴えかけるしかない現状、やったやらないを客観的に知る方法としてもカメラの設置は具体的な方法だとも思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子どものいじめ、おとなのいじめ…。なぜ「いじめ」がなくならないのか。脳科学の観点から、いじめの防止対応について論じる。(リザーブ関連図書)
2024年5月20日~7月19日期展示本です。
最新の所在はOPACを確認してください。
TEA-OPACへのリンクはこちら↓
https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00544093 -
2021年02月27日読了。
-
仕方ないね
-
脳には種を残すためにいじめが組み込まれている。
-
「不寛容は理性や知性によって克服できる」と思ってきた私にとって、ヒトが生物としてイジメをその集団に内包せざるを得なかったという論は、ほのかな期待を込めて否定したかったのですが、その考えを受け入れたうえで策を講じないことにはこれまでの堂々巡りだと思わざるをえませんでした。
ただ、学校教育への提言については、もう少し現場の実態を詳らかに見ていただいた方が良いのでは?と感じました。 -
【メモ】
-
コロナ全盛のこの時代に、とても興味深かった。
同調圧力の功罪。
日本人の国民性としてイジメが起きやすいと感じるが、それのおかげで、それなりに自粛要請にも応じるのかなあと感じた。 -
得をしてそうな人はいじめられやすい。
でも、
圧倒的な差を見せつければいじめられない。