伊豆の踊子 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101002453

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが神秘的。
    踊子という響きが清純に聞こえて、いろいろ騙される。
    主人公が学生の身で旦那の立場なのが奇妙だった。
    最後のほうで、急に旅の目的が暴露される。
    自分が孤児根性で歪んでいることを反省しすぎて、堪え切れないほど憂鬱になったからとのこと。
    なんじゃそれはって感じだが、孤児根性をバネに作品を書き、ノーベル賞作家にまで登り詰めるんだから恐れ入るわ。

    解説の一人は重松清。
    また百恵ちゃんや吉永小百合の話を長々としていた。

    • おびのりさん
      こんばんは。
      最後の舟で学生のマントの中に入るとこ、読んだかしら。
      もはや、これだと、恋愛小説じゃなくなるよねってびっくりしたのよ。
      こんばんは。
      最後の舟で学生のマントの中に入るとこ、読んだかしら。
      もはや、これだと、恋愛小説じゃなくなるよねってびっくりしたのよ。
      2023/11/30
    • あかねさん
      ハッ( ゚д゚)
      読んだのですが、特に気にとめていなかったです…!
      そばに優しい少年がいてよかったよかったとしか。
      い、言われて読み返してみ...
      ハッ( ゚д゚)
      読んだのですが、特に気にとめていなかったです…!
      そばに優しい少年がいてよかったよかったとしか。
      い、言われて読み返してみれば、ぜんぜん別のエンドにも見えてきました。
      2023/11/30
  • 伊豆の踊子を読むのは、少なくとも3回目か4回目。リターンマッチだ。
    最初に読んだのはたぶん小学校の高学年。「煮え切らない男だなぁ」が当時の感想。もしかしたら2回目の感想かも知れないけど、だとしても中学生の頃。いずれにせよ、どこが名作なのかさっぱり判らなかった。
    さて、今回の感想は、、

    「伊豆の踊子」
    綺麗で若い子にしか出来ないことがあるって身も蓋もない話しですね。承認欲求が満たされて自分を解放できたって話かなぁ。しかし、川端康成は若いころから若い子が好きだったんですね。

    「温泉宿」
    娼婦とか踊り子とかを書くの好きなんですねぇ。

    「抒情歌」
    小説という形式を借りて死生観を滔々と語ってる感じ。そんなに理屈っぽく考えなくてもいいじゃんと思ってしまい、今ひとつ共感できず。そう考えた方が楽なのは判るけどね。

    「禽獣」
    動物も女性も醒めた目で等しく愛でる話し。いや、違うな。女性の中に人間性を認めると愛せなくなる話かな。

    散々研究され尽くしている川端作品に感想を書くってのはなかなかハードルが高くて緊張しますね。

  • 「『いい人ね』『それはそう、いい人らしい』『ほんとにいい人ね。いい人はいいね。』」

    「私自身にも自分をいい人だと素直に感じることが出来た。」

    実際、素直になるってなかなか難しい…
    素直になれたから、最後の「甘い快さ」というものを感じられたのだと思う

  • 「雪国」に次いで川端康成第二弾。
    書店で文庫を購入してあったのを読む。多分、初読。
    帯には「時を超え読み継がれる永遠の青春小説」と書かれている。
    「伊豆の踊子」ほか3編が収録。

    読み終えて無性に夏目漱石の「三四郎」を読み返したくなる。多分私のなかでは「永遠の青春小説」は「三四郎」なのだ。

    男性の読者ならば共感できるのかもしれないが、私にはこの作品の中の踊子の描写は無理みたいだ。

    ひたすら残念。
    とはいえ、ノーベル賞作家の作品だし、読んで良かった。

  • 読了。文豪作品2冊目。淡い恋でいいのかな。やはりどうしても、うまくイメージできないことがある。

  • 2023年7月1日読了。学生の語り手が旅路で行き合った年若い踊り子の振る舞いに次第に目を奪われ、心の中の鬱屈を解放させていく表題作ほか3編を収録した短編集。名前はもちろん知っている古典ながら初めて読んでみた、文章表現にクラシックなかほりと、あとそこはかとない著者の「美少女大好き」な視点が漂うがやはり面白い…!「伊豆の踊子」だけ読むと「さわやかな小説家なのだなあ」という感想になるが、ほか3編を読むと決してそんなことはない、人間の愚かさ・やりきれなさなどをありありと描き出すことに実力のある作家なのだな、ということがよくわかる。面白かった。

  • 注解を見てようやく大まかに理解できるレベル。
    まだ、はやかった。

  • 「物乞い旅芸人村に入るべからず」の立札は、お前が肯定されたのは、有り難がってた世間一般の意味ではなかったんだよ、と台無しにするかのように言ってくる。

    そのせいで、「私」が嬉しかった気持ちは無かったことになっちゃうのか?

    違ってほしい。嬉しかったのは、世間一般から肯定されたからじゃなくて、自分が大切だと思った人が肯定してくれたからだ。
    東京に帰った「私」が、それを胸に生きていってくれたら良いなと思う。


    重松清さんによる解説の「肯定」という表現が泣けてしまったので、使いました。

  • 「抒情歌」が素敵すぎ、、大好き、、、

  • 川端の『山の音』で卒論を書いた大学の友人が「禽獣」がいいよ、と言っていたから手に取った1冊。普通は「伊豆の踊り子」をお目当てにこの本を購入するのかもしれないけど、私はそうではなかった。「伊豆の踊り子」はとても有名だから読めてよかった。ただ、また人生を重ねてから読みたいと思った。「禽獣」は確かに友人が好きそうな話だったけど、私は「抒情歌」が1番好きだった。短編がいくつも入っていると好みが分かれるからおもしろい。とりわけ川端は、いろいろ読んでいくと「これどっちも同じひとが書いてるの?」と思うことが、わりとあるような気がする。

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著者プロフィール

一八九九(明治三十二)年、大阪生まれ。幼くして父母を失い、十五歳で祖父も失って孤児となり、叔父に引き取られる。東京帝国大学国文学科卒業。東大在学中に同人誌「新思潮」の第六次を発刊し、菊池寛らの好評を得て文壇に登場する。一九二六(大正十五・昭和元)年に発表した『伊豆の踊子』以来、昭和文壇の第一人者として『雪国』『千羽鶴』『山の音』『眠れる美女』などを発表。六八(昭和四十三)年、日本人初のノーベル文学賞を受賞。七二(昭和四十七)年四月、自殺。

「2022年 『川端康成異相短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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