- Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101014210
感想・レビュー・書評
-
購入してから読了するまで結構時間がかかりました。10日ほど前に改めて「青春アドベンチャー」での放送話を少し聞いてから再度読み始め、本日読了しました。
「青春アドベンチャー」で描かれなかった内容も多く、作者が東大工学部卒というのもあって終盤は専門的な言い回しが目立ち、読み応え十分な1冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山之口洋 「オルガニスト」
オルガン奏者の芸術的探究をモチーフとしたSFミステリー小説。
一気読み。面白かった。絶版で埋もれてしまうのが残念、せめて電子書籍化すればいいのに。
人間か芸術かの究極的選択。「九十九と百の差を埋めるために生涯を費やすのが芸術家というもの」
教会のパイプオルガンの音色が、物語の多重構造、厳格な雰囲気を作っている感じ。ワンシーンごとの人物配置やセリフもいいし、展開スピードやラストもいい
-
音楽系の小説を読むと、いつも実際に近い音楽を聞いてみたくなる。
でもって今回はバッハのオルガン。自分の感覚だと、パイプオルガンのことかなー。youtubeあたりで聴くと、もう完全に教会のイメージしかない。こういう世界もあるわね。
というわけで音楽系の物語はけっこう好きなので、若者からおじいちゃんまで情熱がほとばしっててアツイ。最終的にはファンタジーというかかなり大変なことになってるけど、それもまた良し。
結局のところはテオくんがいろいろとうまいことやった感があるわね。普通っぽいやつが美味しいとこ取りする系。これもまた人生。 -
読んで損はなし。
-
ウィットに富んだ知性的な文章。
導入部の引き込みも心地よい。
ただ、終盤のSF展開に完全においてかれた。
教会にあるオルガンの音色を直に聞いたことはないけれども、昔からあの荘厳な佇まいだけでも心惹かれていた。
生演奏はさぞかし美しい響きなのでしょう。
嗚呼、聴きたい。。 -
ラジオドラマ青春アドベンチャーで聴く。
青春もの+ミステリ+SFアドベンチャーという様々な要素が織り込まれている。
さらにいえば、「人間の進化」に関するひとつの提案でもある。
「ぼくは音楽になりたい」という台詞が、すばらしい形で結実する。
それは人間がひとつ上の段階に達した瞬間であり、神や天使に近づいたということでもある。
かなりの傑作。原作も読みたい。 -
これはハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか。。
ずいぶん前に1度読んだ時は、とても恐ろしい印象だけが残ったけど、今回は怖さだけじゃなく研ぎ澄まされた美しいものを感じました。
「音楽になりたい」とは、普通に聞けば情熱を秘めた夢の言葉に聞こえるけど、この本では神の領域に足を踏み入れようとする禁断の言葉ですね。 -
Special Thanks for milkywayちゃん♪
凄い!!の一言に尽きる。
作者はいったい何者なんだ??と読みながら何度も思った。
そしたら、最後の解説に丁寧に経歴が書かれてて、
皆同じこと思うのね~と。
とにかく緻密な描写と、精巧な構成に圧倒される1冊。
それにしても、人間を辞めてまで追求したいものがあるってことは
狂気かもしれないけれど、ある意味素晴らしい事だと…。 -
気持ち悪かった…。でも音楽家って多かれ少なかれこういうところがあるんだろうなあ。
-
怖い。けれど面白い……。ハードカバーで持っているけど文庫で再読。他の著作もチェックしたい。