地獄変・偸盗 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101025025

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  • 地獄変・偸盗

    新潮文庫 あ-1-2


    1968年11月5日 発行
    1991年6月30日第51刷

    著者:芥川龍之介
    発行所:株式会社新潮社

    ----------------
    ・偸盗
    ・地獄変
    ・龍
    ・往生絵巻
    ・藪の中
    ・六の宮の姫君
    注解 三好行雄
    解説 吉田精一


    4-10-102502-9 C0193\\P280E.

  • はじめての芥川龍之介 
    短編集「地獄変.偸盗」より「薮の中」
    暴れん坊盗賊に武士の夫婦が山中で襲われ妻
    は乱暴され夫は殺害される。
    三人三様異なる証言に人の真は何かを問います。
    たった16頁短編が屈指の論文数なんだそうです
    が大丈夫でしょうかこの国の学問は(泣)
    映画 黒澤監督「羅生門」原作となり
    日本初 ベニス国際映画祭金獅子賞、
    アカデミー外国語賞受賞も
    国内では興行的に難解で大コケし大映幹部も
    受賞前は批判の嵐だったのが受賞後は掌を
    返しての大絶賛になったらしい(笑)

  • 自分なら書けないなー、すごい妄想力

  • 『偸盗 』
    沙金という美女(悪女)に太郎・次郎という兄弟が翻弄される話。太郎が次郎を助けるシーンが好き。

    『地獄変』
    芸術の為に女を焼き殺して欲しいと言った絵師と了承して絵師の娘を焼き殺す大殿様。
    語り手は大殿様のことをめちゃくちゃ高く評価してるけど、この話を読む限りにおいていいとこあった??って思った。橋柱に寵愛していた童を立てたことがいい人エピソードのひとつとして取り上げられていた。現代の感覚ではいい人エピソードにはならないと思うけど、昔はプラス評価だったのかしら?

    『竜』
    嘘を言ったらホントになった話?
    鼻と似てる

    『藪の中』
    男が死んでいた。
    そして3人が男を殺したと自供している。
    ものの見方はひとによって違う、というかなんというか。思い込みってあるよねって思った。

    『六の宮姫君』
    これはちょっと分からなかったけど、乳母の愛がいいなって思ったよ。

  • 「真相は藪の中」
    美は滅びの中にある。芥川龍之介の「王朝物」短編集。

    『偸盗』
    平安時代、京都。ひとりの悪女を同時に愛した兄弟の愛と憎しみの鬱々悩ましい人間ドラマ。
    華やかな貴族社会とはまったく違う庶民の苦しい暮らしも描かれいて勉強になった。
    荒れ果てた町で蔓延する盗み、殺し、裏切り…。
    夏の強い日差しに照りつけられ喉が渇くような作品でした。

    『地獄変』
    芸術とは何か。これはもう地獄。

    『藪の中』
    ひとりの男の死体が藪の中で見つかる。
    第一発見者などの証言がまずあり、その後当事者、多襄丸、被害者の妻、被害者(巫女が呼び出した)の話が書かれている。
    それぞれが事件を自分目線で話す。食い違う三人の証言。
    誰が本当のことを言い、誰が嘘をついているのか。
    嘘をつく理由は何かを考える。私の中で犯人が決まった。
    ただし、結果は書かれていないので真相は藪の中である。
    それもまた面白い。

  • 六つの短編。
    「藪の中」黒澤明の羅生門の元ネタか。知らなかったから読めてよかった。

  • 偸盗
    地獄変

    往生絵巻
    藪の中
    六の宮の姫君

    地獄変は迫力がある。
    藪の中は変わっている。
    偸盗は交配した京都の雰囲気や匂いが生生しく感じられるところが良い。
    ただ、全体的に古文の現代語訳を読んでいる感じで、あまり感慨はない。

    地獄変
    腕はいいが尊大な絵描きが、殿に頼まれた地獄変の絵を迫真あるものとして完成させるために、女が乗った車を実際に燃やしてほしいと頼んだところ、絵描きが大切にしていた娘を乗せたまま、車を燃やされてしまう。

    藪の中
    殺された人物も含む事件の当事者三人の言っていることが違う。三人とも自分がやったと言っていて訳がわからない。

  • 芸術と道徳の相剋・矛盾という芥川のもっとも切実な問題を、「宇治拾遺物語」中の絵師良秀をモデルに追及し、古今襴にも似た典雅な色彩と線、迫力ある筆で描いた「地獄変」は、芥川の一代表作である。

  • ■ 偸盗
    芥川龍之介は駄作と言うが,私は結構好きだった.メロドラマというけれど,恋愛なんて良くも悪くもそんなもんだろう.
    沙金と阿漕の対比が良い.美人の悪魔とブスの天使と言ったところか.
    阿漕に子供が産まれたシーンは,この小説の救いだった.全体的に血なまぐさいけど,このシーンだけちょっと心が潤う.

    ■ 地獄変
    良秀が最後に自害するシーンで救われた.ああ,この人も普通だったんだというか.

  • 偸盗/地獄変/竜(りゅう)/往生絵巻/藪の中/六の宮の姫君

    「偸盗」は人間味があって面白い。「地獄変」も、淡々とした印象は変わらないが、最初に読んだ時よりはじわじわくる恐ろしさも感じたかなぁ。「の宮の姫君」は深い話だと思う。あと保胤様!こんなところでも名前をお見かけするとは!最初に読んだ時気付かなかったのかな私。

    *2008.5 *2017.2

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著者プロフィール

1892年(明治25)3月1日東京生れ。日本の小説家。東京帝大大学中から創作を始める。作品の多くは短編小説である。『芋粥』『藪の中』『地獄変』など古典から題材を取ったものが多い。また、『蜘蛛の糸』『杜子春』など児童向け作品も書いている。1927年(昭和2)7月24日没。

「2021年 『芥川龍之介大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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