豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050218

感想・レビュー・書評

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  • なんて綺麗な文章を書く人だろう
    政治的観点から偏見を持っていた自分が阿呆らしい(苦笑

    美しい情景描写
    登場人物の緻密な心理描写
    特に人物の外見描写が生々しくて 艶かしい

    好きだということを認めたくなかったのだろうか?
    その反動故なのか
    清顕の恋心は 後に激しい炎となって燃え上がる

    自身をも 焦がし尽くすことになるのも知らずに

  • 主人公の優柔不断さにイラッ

  • タイトルの「春の雪」の描写がどれだけ素晴らしいことか! 不可能性が高まるほど燃えていく恋。清顕をひどい男だと思いつつ、どこかでは理解もしてしまう。短いレビューでは語りつくせない魅力があるが、物語が続くこともあり三島らしい終盤の高揚感が少し薄かった気もした。

  • 一言で言ってしまえば金持ちの男女の恋愛絵巻。押し引き有り駆け落ち有り。だが最も三島らしいのは男性の体の描写があまりに艶めかしいこと。あと何故タイを絡めた。全四巻のテーマは輪廻だそうで主人公が転生していくらしんだがとりあえず人気の一巻だけ読了。

  • 時代の境界、過去・現在・未来の境界、生と死・現実と夢の境目、生れ変り。
    気になる要素がちりばめられて語られていたが、清顕の死で第一巻は幕引き。今後これらの要素がどう物語として展開していくのかが楽しみ。
    時代性の認識は、その時代を生きている間は難しく、後から一緒くたに認識され、語られていく。歴史とはそのようなものだ。時間・歴史という、目に見えないものを捉えるものとして、生れ変り(輪廻転生)を持ち出したのが面白いなと思った。
    しかし本多は控えめに見えて、詮索好きだしよく語るし。。笑

  • 面白かった。豊饒の海の中では奔馬の次に好き。

  • この人の作品、好きなんだよな…

    いわゆる男性が転生するものとなります。
    異世界転生ではないけどね。
    でも通ずるものはあるかも…?
    (チート能力はないぞ)

    その乙女心を知らぬ見た目麗しき青年は
    自らを翻弄されたと思い込み、
    肝心の好意を無碍にしてしまいます。

    そうして拒絶してきた結果
    どうにもならない事態へと
    おちてしまうのです…

    束の間の密やかな幸福の日々。
    だけれどもそれは「偽り」の日々でした。
    その関係者はやがて
    精神をやられ自殺を図り…

    その多方面に影響を及ぼした
    実らない恋は女性の出家と
    青年の死により幕を閉じるのです…

  • 前半のゆるやかな展開から一転、主人公かひとたび狂気の境涯へ足を踏み入れてから破滅までを、ひと息に、でも淡々と描き上げるところはまさしく三島ワールドの真骨頂だ。
    2023.07.06読了

  • あらためて三島の表現力の凄さを感じる小説であったが、若いとはいえ、主人公の身勝手さが最後まで貫かれており、共感はできなかった。祖母のスタンスに一番共感できた。

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著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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