魔羅節 (新潮文庫 い 77-1)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101064215

感想・レビュー・書評

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  • タイトルのわりにはおとなしい内容

  • 『乞食柱』、『魔羅節』、『きちがい日和』、『おめこ電球』、『金玉娘』、『支那艶情』、『淫売監獄』、『片輪車』の8編を収録した短編集。明治時代の岡山が舞台の、どれも放送禁止用語がついてる様に淫靡な土俗絵巻。『淫売監獄』が一番好みだった。

  • 「魔羅節」というタイトルにふさわしく、淫靡な世界が広がった一冊。
    官能的なシーンはたくさん出てくるのに、彼女が描くとグロく陰湿で恐怖になる。
    一気に読むとちょっと飽きてくる感じはあるが、読みやすくて面白かった。
    岩井志麻子は、民話を題材にしたような物語と、貧困とヒトの醜さを描き出すのが本当にうまい。

  • やっぱり、岩井志麻子様だ、裏切らない。何がいいかというと、他を寄付けないサザンの桑田節の様な圧倒的個性。志麻子様はこの本で3冊目だけれど、少しづつ楽しみながら全作読破したい。この本の短編8作に共通している物悲しく、猥雑なそれでいて生きることをあきらめない少女たちはどのお話でも美しい。

  • p.204 短編「片輪車」の一文~『涼しき道というんはな、極楽に行く道のことなんじゃ』『涼しき方、に居るんじゃろ。うちのお母ちゃんも』
    p.206『死にそうな人や、死にたい人にはな、お父ちゃんの(人力)車は片輪に見えるそうじゃ』
    p.211 『誰もおらん、車夫の引いとらん(人力)車がはしるんじゃと』『しかもそれにゃあ片輪しか無いんじゃ』

  • 現在手元にありません。

  • 『魔羅節』 (岩井志麻子)

    『ぼっけぇ、きょうてぇ』(※)で山本周五郎賞を受賞した岩井志麻子の新刊文庫。岩井志麻子は『ぼっけぇ』以来、岡山を舞台とした怪異小説を書き続けているが、いずれも読後感は怖いというよりひたすら暗い。岡山に行きたくなくなること間違いなしの逆村おこし小説家である。今回の短編集もその例に漏れないが、今まで「貧」「苦」「霊」「岡山」の4ワードで表現されていた世界観に今回は特に「淫」が加わった。最近流行の作劇上のタブーのためのタブーではなく、「もう勘弁してくれ」感漂う禁忌を描いている。



    同作者は『岡山女』とか、どうもネーミングセンスに欠ける感があるが、何に開き直ったのか、この本では「乞食柱」、「金玉娘」、「おめこ電球」とすべての短編のタイトルに放送禁止用語が舞い踊っており、なんか一周回って面白い。



    ちなみに本書に収録された短編「きちがい日和」の主人公は名前が「ヤヨ」っていうので、高橋ヲタは読むといいです。まぁ、ヤヨさん陰所いじられまくりですけど。

  • 2008/07/11読了
    短編集。ぞくっとするような切ないようなオチの話が色々。

  • ひたすら暗くねっとり。ただのエロになっていないところがすごいです。

  • 久しぶりに手にとってパラパラめくると
    安っぽいおしろいの匂いが鼻につく
    岩井志麻子の淫靡で陰鬱な短編集

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著者プロフィール

岩井志麻子 (いわい・しまこ)

岡山県生まれ。1999年、短編「ぼっけえ、きょうてえ」で第6回日本ホラー小説大賞を受賞。同作を収録した短篇集『ぼっけえ、きょうてえ』で第13回山本周五郎賞を受賞。怪談実話集としての著書に「現代百物語」シリーズ、『忌まわ昔』など。共著に『凶鳴怪談』『凶鳴怪談 呪憶』『女之怪談 実話系ホラーアンソロジー』『怪談五色 死相』など。

「2023年 『実話怪談 恐の家族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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