- Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101104409
感想・レビュー・書評
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複数冊ある長編が苦手&ガチガチのがめつい商社バトルが苦手なため手を出しかねていましたが読み始めたら止まらず、あっという間に一巻を読み終えました。
敗戦直後の死に傾く気持ち、シベリア抑留の辛く厳しい11年間、戦争後13年経った日本、近畿商事の繊維部と海外部の事業説明。
一巻の大半を占めるシベリア生活はその日を生きのびるが不思議なくらいの、空腹と重労働と絶望の毎日。敗戦の将は、捕虜法も人道的な取り扱いもそっちのけでソ連の人の気分次第で生死が左右される。「勝てなければ戦争をしてはいけない」という言葉がしみた。
日々の労働に耐えきれず指を切り落としたり、壊血症で歯が抜けたり、スープの濃さ薄さで僻みあったりそれでも仲間意識を忘れずに助け合い経営側と対立したり。
繊維の話は売り玉だの買い下がりだの30番だの用語がよく分からず大阪の言葉だらけだったけど、熱い意気込みと勢いがよく伝わる。今後はこんな内容ばかりになるのだろうか。
不毛地帯は主人公の壹岐とその家族が、高潔で筋が通っており、恥ずかしくない心情と行動なので、恐らく今後のストーリーは、主人公がどんな苦境に立たされても読者を裏切ったり落ちぶれたりはしないだろうと、そこは安心して読める。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シベリア抑留と商社。相反すると思われる題材をモチーフに。かつ壮大なる人間ドラマ。一気よみ。
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ちょっとした脚色があるとはいえ、主人公の苦労と苦悩がよく伝わってくる。冷静な判断力が、時に冷酷だと批判される事も多く、それがこの物語をリアルにしている。
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圧倒的なボリューム感。早くこの小説に出会いたかった。ここまで命懸けで生き抜いた人が生きていた時代に我々の時代が勝てるはずがないと思ってしまった。
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戦争物が好きだから、ハラハラした
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実在の商社マンをモデルとした本書。
戦時中参謀長として何十万もの兵士を動かしていた主人公が、敗戦後11年間もシベリアに抑留され、拷問や労働など過酷な生活を強いられたことが第一巻で細かく描写されていた。
この過酷な抑留生活に耐えて、日本に帰国したあと、彼の第二の人生が始まる。どんな商社マンになっていくのか、次巻が楽しみ。 -
感想は最終巻に。
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2019.5.15.挫折。戦争の世界も商社の世界も無知過ぎて何もわからず読み進められなかった。本当は知らない時代・世界(特に戦争)にこそ興味を持って読み進めなければと思うものの、いまの自分には無理だった。いつか読めるようになることを願う。
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ひたすら引き込まれます。
シベリアでの11年の勾留。まったく畑違いの商社での第二の人生。圧倒的な取材と筆力。ドラマとはまさにこういうものを指すのでしょう。これがあと4巻つづくという幸せ。