不毛地帯(一) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.23
  • (395)
  • (335)
  • (138)
  • (22)
  • (3)
本棚登録 : 3429
感想 : 226
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104409

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 複数冊ある長編が苦手&ガチガチのがめつい商社バトルが苦手なため手を出しかねていましたが読み始めたら止まらず、あっという間に一巻を読み終えました。
    敗戦直後の死に傾く気持ち、シベリア抑留の辛く厳しい11年間、戦争後13年経った日本、近畿商事の繊維部と海外部の事業説明。

    一巻の大半を占めるシベリア生活はその日を生きのびるが不思議なくらいの、空腹と重労働と絶望の毎日。敗戦の将は、捕虜法も人道的な取り扱いもそっちのけでソ連の人の気分次第で生死が左右される。「勝てなければ戦争をしてはいけない」という言葉がしみた。
    日々の労働に耐えきれず指を切り落としたり、壊血症で歯が抜けたり、スープの濃さ薄さで僻みあったりそれでも仲間意識を忘れずに助け合い経営側と対立したり。

    繊維の話は売り玉だの買い下がりだの30番だの用語がよく分からず大阪の言葉だらけだったけど、熱い意気込みと勢いがよく伝わる。今後はこんな内容ばかりになるのだろうか。

    不毛地帯は主人公の壹岐とその家族が、高潔で筋が通っており、恥ずかしくない心情と行動なので、恐らく今後のストーリーは、主人公がどんな苦境に立たされても読者を裏切ったり落ちぶれたりはしないだろうと、そこは安心して読める。

  • 実は何度も読んでいるのですが、改めて再読しました。
    山崎豊子さん(先日、亡くなられました)の大作「不毛地帯」
    1巻は、主人公である大本営の参謀がソ連によってシベリア抑留される場面がメインですね。

    基本的には、事実を基にしてストーリーを再構築しているようなので、多少の誇張は当然あるにせよ、ここに描かれていることは、本当に何10年か昔にあったできごとです。この作品を読むと、国家とは何か、人としての尊厳ある生き方とはなにかを考えてしまいます。
    同時に、今ある豊かな生活を何気なく享受し、特別だと思うこともなく恵まれた人生を送っているのだなぁと・・・

    そう思うだけでは、意味がなくて、だったら自分はこの世界で何をするか、ということを考えなければなりませんね。山崎作品は、そういった人生の送り方を様々な登場人物に重ね合わせながら見せてくれます。

    5巻まで一気読みしちゃうやつですね、これ・・・

  • シベリア抑留と商社。相反すると思われる題材をモチーフに。かつ壮大なる人間ドラマ。一気よみ。

  • ちょっとした脚色があるとはいえ、主人公の苦労と苦悩がよく伝わってくる。冷静な判断力が、時に冷酷だと批判される事も多く、それがこの物語をリアルにしている。

  • 圧倒的なボリューム感。早くこの小説に出会いたかった。ここまで命懸けで生き抜いた人が生きていた時代に我々の時代が勝てるはずがないと思ってしまった。

  • 戦争物が好きだから、ハラハラした

  • 実在の商社マンをモデルとした本書。

    戦時中参謀長として何十万もの兵士を動かしていた主人公が、敗戦後11年間もシベリアに抑留され、拷問や労働など過酷な生活を強いられたことが第一巻で細かく描写されていた。

    この過酷な抑留生活に耐えて、日本に帰国したあと、彼の第二の人生が始まる。どんな商社マンになっていくのか、次巻が楽しみ。

  • 感想は最終巻に。

  • 2019.5.15.挫折。戦争の世界も商社の世界も無知過ぎて何もわからず読み進められなかった。本当は知らない時代・世界(特に戦争)にこそ興味を持って読み進めなければと思うものの、いまの自分には無理だった。いつか読めるようになることを願う。

  • ひたすら引き込まれます。
    シベリアでの11年の勾留。まったく畑違いの商社での第二の人生。圧倒的な取材と筆力。ドラマとはまさにこういうものを指すのでしょう。これがあと4巻つづくという幸せ。

全226件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

山崎豊子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
デールカーネギ...
村上 春樹
山崎 豊子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×