- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101111346
感想・レビュー・書評
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090128(n 090329)
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サントリーの創業者鳥居信治郎と創業時の寿屋時代の社風について、山口瞳と開高健がそれぞれ書いたもの。このエッセイが書かれたのはおよそ30年前なのだが、その当時書かれた会社の勢いが、今なお継続していることがすごいと思う。サントリーの強みは、単なる企業としてではなく、文化・芸術の発信者としてのポジションも確立しているという相乗効果によるところが大きいと感じた。
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サントリー宣伝部に所属し、直木賞を受賞した山口 瞳と芥川賞を受賞した開高 健の二人によるサントリー社史なのですが・・・とにかく面白い!しょうもない小説より面白い!<br>
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創業者・鳥居信治郎と二代目・佐治敬三にまつわる様々なエピソード
を散りばめつつ、サントリーの歴史が綴られているのですが、抜け目なく目端が利き、突拍子もない様でいて合理的な発想、勘定高いかと思えば情に厚い。世間の企業イメージとは裏腹に、そこにあるのは何とも泥臭くも人間味溢れたナニワの商人(あきんど)の姿そのものです。<br>
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『やってみなはれ、やってみなわからしまへん』<br>
その信治郎の口癖だったと云う言葉は、不思議なパワーがあるように
思えてなりません。<br>
「そんなんしたって、たかが結果は知れてるし。」今まで何もしないうちから、そう勝手に決め付けていたことが何と多かった事でしょう。けれど・・・そうや、やってみな判らへん。どない転ぶか、そんなん誰にも判らへん。<br>
・・・本を閉じた後、そんな思いがじんわりと胸に込み上げてくる、
そんな一冊です。