シュンポシオン (新潮文庫 く 4-12)

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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101113128

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  • 1985年。桂子さんシリーズ。再読。
    元首相の入江さん。の横にいるのは桂子さん。祖母になった桂子さん。だから、、、2030年くらい?
    ソ連と戦争しそうな日本。おそらく三浦半島あたりの旅館にやってきた耕一さんと後妻の子の明さん。妻に死に別れ、桂子さんの孫の聡子さん(智子さんの娘)と恋仲に。その旅館、入江さんが買い取ったものだが、普通に泊まれる。明さんの妹夫妻(雅子さん)、死に別れた妻(なほ子)の妹かをり、ゆき子、最後に加わった異例の経歴の増田くんが、ひと夏を一緒に過ごし、語らう。
    何が事件が起こるわけでもなく、海行ったり、猿島行ったり、飲み屋で飲んだり。シンポジウムは勘弁だけど、シュンポシオンは大歓迎よって。そして、みんな倉橋由美子ワールドの住人。
    そろそろ夏も終わるから東京に戻ろうか。という時に東京で大震災が起きた模様。入江さんは東京へ。で終わる。

  • 桂子さんの物語の3作目かな。シリーズではなく物語のほうは『交歓』しか読んでいないんですが、これは書かれたのは『交歓』より先だけど、物語の中の時間では後の話。書かれた当時(1985年)から見ると少し未来の話なので、ちょうど今くらいの時代になるのかも。第三次世界大戦が起こりそうで起こらない緊迫した時勢の中でも、海辺の別荘で優雅に夏休みをエンジョイする知的セレブのみなさんのお話。

    主役は桂子さんではなく、桂子さんの孫の聡子さんと、桂子さんの元カレにして確か異母兄疑惑のあった耕一さんの息子の明さんのカップル。桂子さんシリーズを何作か読んでいると大体どこかで聞いたような人物が何人も登場しますが、全部覚えていられないので、できれば相関図というか家系図みたいなものが欲しい(笑)。

    それにしても桂子さんの一族のみなさんは相変わらずインテリでいらっしゃる。今回全体的にそこはかとない終末感が漂っていたこともあって、まるで彼女たちは、滅亡しようとしている地球をどこか安全な高みから見下ろしている神々、もしくは他の惑星から来た高度な知的生命体か何かのようでした。知性に満ち溢れた会話、優雅な音楽の趣味、才能、恋愛は楽しむけれどドロドロはせず、おろかな庶民どもが虫けらのように戦争や地震であわてふためくのを眺めている。あまりにも彼らが「選ばれた人々」過ぎて、嫉妬はおろかもはや憧憬すら抱けなかったです。

  • あまり覚えてない…。

著者プロフィール

1935年高知県生まれ。大学在学中に『パルタイ』でデビュー、翌年女流文学賞を受賞。62年田村俊子賞、78年に 『アマノン国往還記』で泉鏡花文学賞を受賞。2005年6月逝去。

「2012年 『完本 酔郷譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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