大人のための残酷童話 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101113166

感想・レビュー・書評

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  • 2016年、5冊目は『大人のための怪奇掌編』以来、久々の倉橋由美子。

    古今東西、様々な童話や神話等を下敷きとした、掌編を26編収録。

    一言で言い表すなら、「しれっと、エロ・グロ・ナンセンス」。だが、このナンセンスは実に、機微に富むモノだと言うのが、一つの魅力。そして、エロティック、ブラック等々を受け入れられる大人向け。

    また、柄澤齊の木版画の表紙&挿し絵が実に素晴らしい。

    掌編というのを割り引いても、個人的に「コレ!」といえるモノがなかったのが、評価が伸び悩んだポイント。

  • 全く良さが分からない、つまらなかった

  • 2015新潮文庫の100冊

    読みやすく、頭の整理ができた。
    10年後再読リマインダーセット済み

  • 世界中の名作童話の元来の残酷さを作者風に味付け、料理された短編集。奇妙な味のこの作品群には人間の邪悪な意思や卑猥な欲望が露骨に焙りだされているとの触れ込みだが、果たしてそこまでか。中毒性のない荒唐無稽なストーリー展開、心理描写が削ぎ落とされたキャラクターの意味不明な言動の中に少なくともそのようなものの断片でも見出されてくれれば良かったのだけれど。

  • なにこれすごくおもしろい!
    倉橋由美子ずっと読んでみたくて、たまたま古本屋にあったので買ってみたんだが、クセのない文章で、すーんとストーリーが頭に入って、あっという間に読んでしまった!

    教訓が教訓つうか単なるオチやw
    残酷でも何でもないこれはそこらへんの現実や!

  • 楽しい童話集。鬼が、この女とげがある、には笑えます。残酷はブラックとも言え、原話をここまで練り上げたのは苦労したと思うが、楽しい時間だったのでは。

  • なんとも濃密で皮肉な毒が、気持ちいいといえば言える。

  • 読書録「大人のための残酷童話」2

    著者 倉橋由美子
    出版 新潮社

    P27より引用
    “「でも肝心のところが一寸法師のままですもの」”

     目次から抜粋引用
    “人魚の涙
     子供たちが豚殺しを真似した話
     養老の滝
     パンドーラーの壺
     魔法の豆の木”

     世界中で読み継がれている童話に、著者のアレンジを加えた短
    篇集。
     人魚姫から人が生きるということまで、皮肉たっぷりに大幅に
    アレンジされた童話が盛り沢山です。

     上記の引用は、読んで字のごとく一寸法師での姫の一言。
    お姫様は鬼の金棒がお好きとのことです、打ち出の小槌で大人に
    なったのはそれ以外の部分だけだったという設定のようでした。
    しかし、一寸法師のおかげで一寸法師以外の鬼を含めた男性を知
    らずに済んでいるような雰囲気なのに、巨根好きというのもおか
    しな話のように思います。
     全体の雰囲気から、著者はあまり男性が好きではないのかなと
    思ってしまいました。

    ーーーーー

  • 文字通り。

  • 昔一度だけ読んだ事のある本です。
    あ~、こんな本だったんだと懐かしく読み返しました。

    上半身が魚で下半身が人間という人魚姫の話。
    国で1番、美しいが愚かな白雪姫の話。
    自分が醜いことを知らないまま育った王女の話。
    突然虫になった男とその家族の話。
    かぐや姫の話。

    など、西洋、中国、日本、古今東西の残酷で淫靡な童話集。
    正にタイトル通り、大人のための残酷童話です。
    お話の数が多いため1話が短く、後味が悪い話が多いながらも、そう深刻にならずに読むことができます。
    この本の物語はどれも旧かなづかいで書かれており、それが独特なイメージを漂わせ、この本にはピッタリはまってます。
    また物語の最後には作者の皮肉のきいた「教訓」が記されており、それがシャレがきいていていいです。
    「養老の滝」の教訓には肯くと共に笑ってしまいました。

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著者プロフィール

1935年高知県生まれ。大学在学中に『パルタイ』でデビュー、翌年女流文学賞を受賞。62年田村俊子賞、78年に 『アマノン国往還記』で泉鏡花文学賞を受賞。2005年6月逝去。

「2012年 『完本 酔郷譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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