大人のための残酷童話 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1169
感想 : 114
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101113166

感想・レビュー・書評

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  • 短編集だがどれも皮肉と毒がたっぷりで味わい深い。「鬼女の島」、「異説かちかち山」がお気に入り。

  • 2015新潮文庫の100冊

    読みやすく、頭の整理ができた。
    10年後再読リマインダーセット済み

  • なにこれすごくおもしろい!
    倉橋由美子ずっと読んでみたくて、たまたま古本屋にあったので買ってみたんだが、クセのない文章で、すーんとストーリーが頭に入って、あっという間に読んでしまった!

    教訓が教訓つうか単なるオチやw
    残酷でも何でもないこれはそこらへんの現実や!

  • 残酷という形容があっているかどうかは、納得しかねるが、大人のための本。大人の定義そのものが懐疑される。そして、卑猥。

    その中の一編、一寸法師の一説。
    妃の秘部に一寸法師が入り込み、その秘部に赤鬼のイチモツが入り込むが、中から一寸法師が針でそれを退治する、と。

    心理描写、自然描写一切なしの超ド級の現実主義。
    あるのは、因果応報、勧善懲悪、自業自得。

    小説と童話の違いだろう。

    まさに、世の摂理というか、人間の摂理が淡々と語られる。

    しかしながら、この童話のように現実はまさにこれであり、世の形だけの稚拙な大人をより陳腐に見せる。

    幼いうちからこういった童話に触れさせることが、まさしく教育の一端になる気がする。

    フランスの教育に違いのかも。

    とにもかくにも、ぜひ、読んで戴きたい一冊。良書。

  • お馴染みの童話。
    子供向けの甘い味付けではなく、大人向けにうんとスパイスを利かせるとこうなります。

    …毒もたっぷり盛られてますので、スッキリした読後感をお求めの方は絶対にお手にしないように。

  • ヨノナカ、きれいごとばっかじゃありません。
    残酷なんです。
    汚いものです。
    後味悪いものです。

  • さらりとエロく、怖い。

  • 最高!!おもしろすぎっL(@^▽^@)」

    日本昔話やグリム童話などを中心に、これらのお話を倉橋由美子独自の角度からみた形で再創造された短編集。

    全部で26編おさめられています。本編もさることながら、話のしめくくりに書かれている教訓がエッセンスとなって、またさらに物語に深みをもたせている(-_-)ゞ゛

    全て。もうほんっとうに全ておもしろかった!!
    あえて一つあげるとしたら、『人魚の涙』
    私たちは人魚と言えば、上半身が人間・下半身が魚という半身半魚をイメージするが、倉橋さんは、人魚を、上半身が魚・下半身が人間である半身半魚とえがいている。半身半魚と一口にいっても、前者と後者では大違いである。

    こういった、先入観というか固定観念を根底から覆して、すでによく知られたお話をここまで違ったストーリーに描ききってしまう倉橋由美子さんはすごいと思う。圧巻である。

  • やはり童話は綺麗さっぱり終わるのもではないんじゃないかな。人魚姫のような物語が多数あってもおかしくない。前々からそう思っていたことがここに残されたり、といった感じ。残酷だったり官能的だったりと非常に大人向けだけれど、面白い。猛毒あってこその教訓だと思う。

  • しあわせな御伽噺に満足できなくなった大人のための、ブラックなお話たち。不快さを楽しめる方に。

著者プロフィール

1935年高知県生まれ。大学在学中に『パルタイ』でデビュー、翌年女流文学賞を受賞。62年田村俊子賞、78年に 『アマノン国往還記』で泉鏡花文学賞を受賞。2005年6月逝去。

「2012年 『完本 酔郷譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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