ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (704ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101117317

感想・レビュー・書評

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  • オランダ人医師フォン・シーボルトと日本人遊女との間に生まれたお稲の生涯の物語。
    女に学問は必要ないという時代の中で、偉大な父の血を引く者として医学を志す。

    結構な厚さの上下巻だけれど、幕末から明治維新にかけての時代背景を詳細に書いているため、お稲のお話だけなら半分になってしまうのでは?

    取材の吉村昭の真骨頂なのかもしれないけれど、ちょっとウンザリしてくる。

  • 涙無しには読めない。名作です。

  • あまり知らなかったシーボルトのことについて、細かく緻密に描かれている。
    当時の様子が思い浮かぶように描かれているので、楽しく読め、長崎に行きたくなった。
    少し長い。

  • シーボルトが長崎の遊女に産ませた娘お稲の物語。前半はほぼシーボルトと遊女其扇の話しで、シーボルト事件を軸に来日から追放まで。

  • 下巻に記載。

  • シーボルトの娘の話はこれから始まるのであろう。

  • (「BOOK」データベースより)
    幕末の長崎で最新の西洋医学を教えて、神のごとく敬われたシーボルト。しかし彼は軍医として、鎖国のベールに閉ざされた日本の国情を探ることをオランダ政府から命じられていた。シーボルトは丸山遊廓の遊女・其扇を見初め、二人の間にお稲が生まれるが、その直後、日本地図の国外持ち出しなどの策謀が幕府の知るところとなり、厳しい詮議の末、シーボルトは追放されお稲は残される。吉川英治文学賞受賞作。

  • てっきり「フィクション」だと思って不勉強なままで読み始めたんですが、基本はノンフィクション。随所に著書の創作も盛り込まれているんだと思いますが、登場人物はほぼ100%、Wikipediaで検索したら出てきます。幕末の動乱期における歴史を追いつつ、シーボルトの私生児であった「お稲」の人生を辿る、というのが、この作品への正しい接し方なんだと思います。

    上巻は、シーボルトが出島でお稲の母であるお滝(遊女としての名前は其扇)に出会って子を成し、一方で鳴滝塾で蘭学を教えて多くの門下生を育て、その後いわゆるシーボルト事件で彼が国外追放される…といった場面を中心に展開していきます。娘であるお稲の活躍はほとんど見られず、その意味では下巻に向けた壮大な「仕込み」と言えるでしょう。

    こういう小説を高校時代とかに読んでおけば、もう少し日本史の授業が面白いものになったかもしれません。そう考えると出会うのがちょっと遅かったなーという感じ。
    上下巻合わせて1,300ページぐらいに及ぶ大作ですが、歴史ものに対してアレルギーがないなら、面白く読める作品だと思います。

  • シーボルト意外といやな人だったように感じた。

  • シーボルトの娘・イネの生涯。
    司馬遼太郎『花神』に出てくるような村田蔵六との関係はほとんどありません。
    日本で初めての女性医師になるために、シーボルトの娘として生まれてきたのですね。

    上巻はイネの父シーボルトや母オタキの内容が多いです。

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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