王妃マリーアントワネット(上) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101123219

感想・レビュー・書評

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  • 中世ヨーロッパのほとんど犯罪のような富と権力の集中がよく理解できた。実際に中欧へ旅行した時期に重なり、かなり興味深く読んだ。筆者のキリスト教感、詳細な史実調査などが十二分に表現されていると思う。

  • 言わずもがなマリーアントワネット。
    ベルバラも面白いけど。

  • 史実に富み、当時のフランスやベルサイユ宮殿が臨場感たっぷりに描かれていて飽きない。とはいえ単なる伝記や歴史小説ではなく、オリジナルキャラクターと対比させながら独自にストーリー展開している。「人は人を裁くことはできない」という修道女のセリフは、他の遠藤氏の作品にも見られる考えであり、注目すべき点だろう。

  • さすが遠藤周作!わかりやすく、面白いです。

  • 内容的にこんなもんかって予想していた通り?
    ただ大ファンのフェルゼン&マリーの事が特に深く語られてなくて残念(笑)


    【友人からのお勧め本】

  • 大学の授業の課題で読んだ本。
    フランス革命の入門書として読むとよい。

  • 私はマリー・アントワネットという人に、とても興味があります。フランス革命にも。
    有名なマンガで見るアントワネットとはまた違った、でも知ってるエピソードもたくさん書かれていました。
    やはり遠藤周作さんの本はおもしろいなあ、とあらためて思った1冊でした。
    下巻もあります。

  • あまりにも有名すぎる悪女の話。
    私も彼女に関する本は色々読んだことがありましたが、やっぱり遠藤周作は良いですね。
    ルイ16世やアントワネットを取り巻く多くの人々、もちろん歴史上の人物も入れば完全な創作の人々も多く出演しますが、それら登場人物が完璧に見えない糸でつながっていくストーリー展開は圧巻です。

    また、遠藤周作の作品にはかかすことのできない、人間の残虐さ、不条理と宗教の絡み。この作品も正しく生きることの真の意味を考えさせられます。

  • フランス革命?マリーアントワネット?
    って感じだったので、読むことにした。
    「ベルサイユのバラ」も名作って言われてるけど、少女漫画特有のキャラの見分けづらさが苦手で読めなかったし、やっぱり小説(しかも遠藤周作!)でしょってことで読み始めた。

    王妃マリーアントワネットと一般市民であるマルグリットの二人の視点から物語は進んでいく。
    難しい言葉を使いながら書かれている歴史小説と違ってやさしい言葉が多い(この辺は現代小説っぽい)ので読みやすい。
    国民の革命思想がだんだん大きくなってきてフランス革命(1889〜1894)となって表面に現れるまでもう少し。
    下巻が主にそういう内容になりそう。
    死刑の方法や、罪の罰などの内容がえぐい。皮を剥いでそこに熱した鉄をかけるとか怖すぎ。
    ギロチンはそういう罰を受ける者を死の苦しみから解放させるために開発された。
    この頃フランスでは財政赤字が大きな問題になっていた。赤字が膨らんだ主な原因は、ルイ14世時代以来の対外戦争の出費、アメリカ独立戦争への援助、宮廷の浪費である。
    国民には税金を払わせまくり、貴族ばかりがお金を湯水のように使っている。そりゃあ革命も起こるよな。しかもフランスの場合、それを国民に権力の誇示として見せびらかすからよけいに不満も出るだろうし。
    そういう視点で見るとやっぱり日本って質素な国だったんやなぁ。ここまで贅沢しまくる例はないから。笑
    しかも、天皇は国民に姿を見せないから巧妙っちゃあ巧妙だし。


    P.57
    サド侯爵「私はこの社会を憎んでいる。この社会がくだらぬ秩序とくだらぬ宗教とで支えられているからだ。あの基督教は人間のすべての自由、すべての可能性を我々から奪りあげてしまった。そしてやくざな正義、やくざな道徳律で人間を縛っている。この社会の秩序も同じことだ。神の意志の具現者は国王。その国王を助けるのが貴族。だからこその秩序を乱す者は神の秩序を乱すものということになる。私が警察に追われたのも、その秩序をかく乱したからだと言う。だが本当の秩序というのは、そんなやくざな秩序では無い。自然を見るといい、その秩序とはそんなくだらぬ秩序ではなく、もっと純粋、もっと生命力に満ち満ちた秩序がある。その秩序とは支配する者と……支配されるもの、主人と奴隷となのだ。」

    P.91
    商店の中で人気のあるのはカフェだった。カフェは1654年に初めてパリにできたが、この頃は花の都の至るところに濫立していた。そこでは単に珈琲を飲むだけではなく、一杯の温かい飲み物をすすりながら新聞が読め、手紙も書けた。チェスやトランプに興じていても店の主人は何の文句も言わなかった。知識人たちはこのカフェに集まって、国王の体制を批判し、情報を交換し、そして革命について熱っぽい議論を闘わした。

  • 学生時代にハマった一冊。
    読みやすく、面白く、ためになります。
    フランス革命を頭にいれる入口にもなるかも。
    もちろん、「ベルばら」ファンの方にも、おすすめです♪

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著者プロフィール

1923年東京に生まれる。母・郁は音楽家。12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒。50~53年戦後最初のフランスへの留学生となる。55年「白い人」で芥川賞を、58年『海と毒薬』で毎日出版文化賞を、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞受賞。『沈黙』は、海外翻訳も多数。79年『キリストの誕生』で読売文学賞を、80年『侍』で野間文芸賞を受賞。著書多数。


「2016年 『『沈黙』をめぐる短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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