双頭の鷲〈下〉 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101125329

感想・レビュー・書評

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  • ついに大元帥の位まで登りつめた、ベルトラン・デュ・ゲクラン。国王シャルル五世との奇跡のデュオは、民衆に希望をもたらした。破竹の快進撃を続ける武将は、いつしか生ける伝説に。だが、フランスで、スペインで、強敵に打ち勝ってきた男にも、黄昏は訪れる。その日まで―、男は太陽のように、周囲を照らし続けた。不世出の軍人と彼を巡る群像を描く歴史小説、堂々の完結編。

  • やはり長いという感は否めない。話の勢いは上巻の方があったかな。
    とはいえ、文章に凄く惹きつけられたのも確か。特にベルトランを恐れる周囲の恐怖心のようなものは、ひしひしと伝わってきた。

    歴史小説が苦手でも存外に楽しめる一冊。

  • 日本ではなじみの薄い、英仏100年戦争の英雄ベルトラン・デュゲグランを主役に据えた傑作。
    作者の佐藤賢一をフランス史版司馬遼太郎なんて表現する人もいるそうだが、非常に細かく調べ上げた史実にフィクションを絡ませ、まるで実際にそうだったと思わせる手法は司馬遼太郎っぽいです。

    とにかく熱く、量的にもサクサクと読める一冊でした。

  •  フランスとイギリスが大陸の領土をかけて戦った百年戦争の時代,貧乏騎士からフランス大元帥の座にまで登りつめた自称「戦の天才」ベルトラン・デュ・ゲクランの一代記です。
     上巻ではベルトランの大活躍が痛快に描かれていましたが,下巻ではついに彼の死が描かれます。私は涙もろいので,ベルトランが死ぬところを読んだら絶対泣くだろうなーと思いながら読み進めていたのですが,彼の死の瞬間は割に淡々と描かれていて,意外にもあっさりと終わってしまいました。しかしエピローグで,従兄弟エマヌエルと副官モーニの会話の中でベルトランの最期の言葉が明かされた時,そのたった3文字の言葉があまりにも切なくて涙がボタボタと……ああいかん,妻N子に借りた本なのに……。幼い日から彼が求めてやまなかったのはそのたった3文字で,彼が大得意とした戦争なんてのは,それに比べたら手慰みのお遊びに等しかったのです。それが切ない。で,彼が何を求めてやまなかったのかは,これから読む人もいると思うのでここには書きません。自分で読んでみてください。

  • 他はダメだけど、何か一つに秀でる人間のかっこよさが読んでて気持ちよかった。

  • 黒太子がますます駄目っ子に…!

  • 2010/01/28完讀

    這本書除了處理龐大的歷史議題,也寫出書中許多人複雜的內心思緒,寫作手法雖稍稍有點紊亂,但是內容實在寫得相當好。

    上冊狂飆又爽快,下冊竟是如此悲傷的一冊。上冊埋下所有的悲傷的種子,被ゲクラン的光芒所擋住,但在下冊全部發酵出來。沒想到ゲクラン居然也變心,エマヌエル的悲戀,黑太子的落魄,ゲライー的覺悟等等,都是很悲傷的部分。尤其是ゲクラン對媽媽的複雜心情和家庭中的悲劇,最終導致他的死亡。ゲクラン的戰爭在上集給我有點慶次的感覺,但他終究不如慶次般清洌脫俗,暮年的他讓人讀起來好感傷,好寂寞。

    佐藤賢一最後寫道,聖女貞德是被拿破崙炒熱的。說起英法百年戰爭的代表人物,絕大部分的人也只認識她。佐藤把這位埋沒在歷史之中的大英雄寫得相當迷人,我很想再多讀關於他的書。

    我也想多讀讀佐藤其他的作品,《王妃の離婚》已購入。逛書店有看到佐藤預計十卷本的法國大革命,雖然還要好幾年才完成,但等他寫完我想一口氣買回家讀。

    --
    「世の中が明るすぎると、本当の輝きを見落としてしまう。」
    「人間は確かに自分以上の存在になれる。無力な子供を思うとき、親となった人間には、自分にも信じられない力を湧くのだ。そうでなければ、俺のような凡夫には、生きる価値などあるはずがない。」

    (602page)

  • 2009年1月4日読了

  • 上巻より、この巻の方が面白いですね。
    デュ・ゲクランの栄華と喪失が、その周りの人物達の思いとからめて上手く描かれています。
    ゲクランのライバルで不遇の天才・グライーと酒を酌み交わすシーンが好きです。

  • 天才は天才のまま。
    英雄となるもあっけなく散ったゲクランでした。

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著者プロフィール

佐藤賢一
1968年山形県鶴岡市生まれ。93年「ジャガーになった男」で第6回小説すばる新人賞を受賞。98年東北大学大学院文学研究科を満期単位取得し、作家業に専念。99年『王妃の離婚』(集英社)で第121回直木賞を、14年『小説フランス革命』(集英社/全12巻)で第68回毎日出版文化賞特別賞を、2020年『ナポレオン』(集英社/全3巻)で第24回司馬遼太郎賞を受賞。他の著書に『カエサルを撃て』『剣闘士スパルタクス』『ハンニバル戦争』のローマ三部作、モハメド・アリの生涯を描いた『ファイト』(以上、中央公論新社)、『傭兵ピエール』『カルチェ・ラタン』(集英社)、『二人のガスコン』『ジャンヌ・ダルクまたはロメ』『黒王妃』(講談社)、『黒い悪魔』『褐色の文豪』『象牙色の賢者』『ラ・ミッション』(文藝春秋)、『カポネ』『ペリー』(角川書店)、『女信長』(新潮社)、『かの名はポンパドール』(世界文化社)などがある。

「2023年 『チャンバラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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