なまみこ物語 (新潮文庫 え 2-6)

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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101127064

感想・レビュー・書評

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  • 一条天皇に愛された中宮詮子の一生が描かれていて、女性としての幸福をいろいろ考えさせられます。

  • 一条天皇と中宮定子。歴史上政治的には脇役にすぎない2人を主役として描いた愛の物語。過去に本当に存在したと思わせる、それが「生神子物語」。あやしく美しい、そして哀しい物語。

  • どんな悲恋なのかと思いきや、どことなく爽やかな純愛ものでした。
    一途に想って想って想い続けた帝と中宮定子の、時に相手を疑っても最終的に信じあう姿は好きです。
    特にたった一度だけ生霊になる定子の姿は。
    それにしても道長はとんだ茶番を演じていたんだなと笑いそうになりました。
    淡々とした割とさらっと読める一冊。

  • 王朝時代の日本の恋はとても雅だったのだなあと
    時おり入り混じる古文が懐かしくいっそう読書を楽しくさせてくれました

  • 一条帝と中宮定子。関白・道長の野望実現のため、策動させられる生神子姉妹の悲劇を描き上げた「なまみこ物語」。ほかに「歌のふるさと」「ますらお」を併録。

  • 教科書の日本史に、絶対に出てきませんが有名な裏話を、文化勲章受賞作家 円地文子が見事に描いた本です。
    日本史好きは、必見!!

  • 陰謀うずめく王朝時代、中宮定子と定子に仕えた姉妹巫女の物語。

  •  古典強化お薦め品その5。
     まろやかで古雅な文体と、本来の文庫本サイズの小さいフォントのせいで、敬遠されてしまうかもしれませんが……。
     
     著者が自分の幼い頃に、家で見た古書「なまみこ物語」(なまみこ=ニセモノ、半人前の神子の意)の内容をふと思い出し、記憶を頼りに綴ってゆくという形式の表題短編小説の主人公は、清少納言が仕えた悲劇の中宮・定子。
     歴史の上では、彼女の一門は藤原道長の前にはかなくつぶされてしまったがために、悲劇の中宮とされているが、果たしてほんとうに、定子は不幸だったのか……? という、歴史の裏側からの面が書かれています。
     「枕草子」と平行して読むのがお薦めです。

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著者プロフィール

円地文子

一九〇五(明治三十八)年東京生まれ。小説家、劇作家。国語学者・上田万年の次女。日本女子大附属高等女学校中退。豊かな古典の教養をもとに女性の執念や業を描いた。主な作品に『女坂』(野間文芸賞)、自伝的三部作『朱を奪うもの』『傷ある翼』『虹と修羅』(谷崎潤一郎賞)、『なまみこ物語』(女流文学賞)、『遊魂』(日本文学大賞)など。また『源氏物語』の現代語訳でも知られる。八五(昭和六十)年文化勲章受章。八六年没。

「2022年 『食卓のない家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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