城塞(下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.86
  • (139)
  • (188)
  • (180)
  • (14)
  • (1)
本棚登録 : 1608
感想 : 100
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152226

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  新潮文庫で全3巻。
     徳川家康のあまりの悪人っぷりにげっそりして、なかなか読み進むことができなかった本。
     
     敗戦の色濃い大阪方にありながら、天賦の才というべき戦巧者であり、最後まで家康に肉迫した真田幸村。健気です。敗北は認めているが、最後まで戦うことを諦めない。機会が訪れることを諦めない。それは戦の勝利ではない。家康一人を討つことだ。純粋なのか。執念なのか。
     しかしこの小説の主題は幸村ではない。軍師の小幡勘兵衛でもない。家康でも、淀君でもない。燃え落ちる大阪城に象徴される天下人たちの夢の終焉だろう。信長や秀吉、彼らを頂点に連なる男たちが興亡を繰り広げてきた,戦国の世の最期の姿を記録した物語なのだ。

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司馬遼太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×