胡蝶の夢(一) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152271

感想・レビュー・書評

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  • ★評価は再読(?)完了後に。本作、いつもの忘却とは違って読んだ事実自体をあまり覚えておらず。
    それはさておきですが、小説として伊之助の件必要ですかね?という気が若干しなくもないくらい、テンポを悪くしている感じ。この先含めてこの人物が必須ということだとは思いつつ、この1巻では流れを滞留させてしまっているかも。
    次巻以降の展開でどのように解されていくのか?その辺も気にしつつ進みますわい。

  • 請求記号:913.6-SHI
    [1]
    https://opac.iuhw.ac.jp/Akasaka/opac/Holding_list?rgtn=2M018735
    [全4巻]

    <飯室聡先生コメント>
    「医学の歴史の勉強をしよう!シリーズ3」奥医師の蘭学者、松本良順を主人公にした小説です。漢方医学から蘭学、西洋医学へと変遷していく過程がよく分かります。読破するには体力が必要です。

    <木村伊量先生コメント>
    幕末という大変革の時代に、蘭学を学び、西洋医学の導入に苦闘した松本良順ら若者群像。オランダ医師ポンぺのまわりに集う医学草創期の日本の若者たちのたぎる情熱。医療・福祉関係の仕事を目指す若い皆さんには、ぜひ、手に取ってもらいたい。

    <BOOKデータ>
    黒船来航で沸き立つ幕末。それまでの漢方医学一辺倒から、にわかに蘭学が求められるようになった時代を背景に、江戸幕府という巨大組織の中で浮上していった奥御医師の蘭学者、松本良順。悪魔のような記憶力とひきかえに、生まれついてのはみ出し者として短い一生を閉じるほかなかった彼の弟子、島倉伊之助。変革の時代に、蘭学という鋭いメスで身分社会の掟を覆していった男たち。[1]

  • 幕府の医療界にイラッ。
    ガッチガチの身分制度にイラッ。
    今でいう自閉かアスペかなんかの伊之助にイラッ。
    というわけであまり楽しくはありません。ストレスのみ多め。

  • 書物を通してのみオランダ語を学んでいた松本良順だがポンペから直接オランダ語で医学の講義を受け始める。初めて話し言葉としてのオランダ語を聴くのだが文法の基礎があったからすぐに慣れていった。現代の語学学習にも通じるところがある。対して伊之助は語学の天才。中国語の学習にもその才を見せる。
    長崎往還の最大の難所とされる日見峠から長崎の町と入り江を見たときは伊之助は感動のために子供のように泣いた。

    ポンペ「日本滞在見聞録」
    「ニューエクスプレス オランダ語」白水社

  • タイトルから中国が舞台と思っていたら違った

  • 2019.7.1(月)¥100(-20%)+税。
    2019.7.12(金)。

  • 今んとこアスペ伊之助にイライラしてるだけ

  • 主人公は司馬凌海・松本良順の2名に、次善で関寛斎。人物として魅力的なのは語学に悪魔的才能を持ちながら甚だしいコミュ障の司馬凌海。ポンぺが来日した頃の長崎の医学伝習所の描写部分は楽しめたが、それ以外はなぜか平凡な印象。開国で凋落する長崎こそまさに胡蝶の夢という感じ。幕末の西洋医学という舞台設定なのに意外と盛り上がらなかった。

  • 主人公の一人、佐渡の島倉伊之助の姿が切なくて涙が出そうになります。
    この切なさは、彼への共感から生じているものではありません。傍目に見て明らかな「ボタンのかけ違い」が歯がゆいという切なさです。

    良順先生と会えたことは、私(一読者)にとっての光明でした。
    -----
    余談ですが、並行して読んだ『街道をゆく』(一) 甲州街道、長州路と重なる部分があってとても楽しめました。

    伊之助の寄った阿弥陀寺町(山口県)も出てきました。

  • 「人間は、本来、猛獣かひどく気味のわるい動物だったかもしれん」
     と、いった。そのくせ人間は虎のように一頭で生きるのではなく、群居しなければいきてゆけない動物なのである。群居するには互いに食いあっては種が絶滅するから食いあわないための道徳というものができた。道徳には権威が要るから、道徳の言い出し兵衛に権威を付け、いやがうえにもその賢者を持ちあげてひろめた。しかし道徳だけでは、事足りない。人間の精神は、傷つけられやすく出来ている。相手を無用に傷つけないために、礼儀正しい言葉使いやしぐさが発達した。人間にとって日常とはなにか。仕事でも学問でもお役目でもなく、それぞれの条件のもとで快適に生きたい、ということが、基底になっている。仕事、学問、お役目はその基底の上に乗っかっているもので、基底ではない。
    「快適にその日その日をいきたい、という欲求が、人間ならたれにでもある。あらねばならんし、この欲求を相互に守り、相互に傷つけることをしない、というのが、日常というものの元の元になるものだ」
     だから、群居している人間の仲間で、行儀作法が発達した。行儀作法は相手にとっての快感のためにあるのだ、と良順はいう。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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