波紋―剣客商売 新装版 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101157436

感想・レビュー・書評

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  • 剣客商売 十三

    本巻は全5編ということもあって(いつもは7編ほど)各話、筋立てが入り組んだ読み応えのあるものでした。
    どれも過去の因縁や、思わぬ縁の繋がりが絡んでくる話でしたが、「剣士変貌」「夕紅大川橋」は小兵衛さんの知人や友人の思わぬ一面が明かされるという点で共通していたと思います。人というのは、たとえそれが長年親交のある友人であっても、秘めた部分があるものなのですな。
    そして、「消えた女」では、御用聞き・弥七が直属していた同心の永山さんが殺されてしまい、結構いい人だっただけに、残念です。

  • 剣客商売12作目。

    「消えた女」で思ったのは。。。
    小兵衛さん。。。。昔からだったのね。。。ということ。
    まったく、男というものは。。。(笑)

    今回は、人の縁の不思議さを感じるストーリーが多かったかも。
    袖振り合うも他生の縁。という感じかな。

    消えた女
    波紋
    剣士変貌

    夕紅大川橋

  • 人が死ぬ時はあっけないものなんだな。
    年を重ねると余計思うな。

  • 20120505 小兵衛が主役。何となく老境が近付いて来ている予感。前より読んだ後の余韻が寂しい。自分が近づいているからだろうか?

    20141028 感情の高ぶりは老人も若者も一緒。体がついていくかどうかが問題。小兵衛でなければ形にならなかったかも。

    20200712 小兵衛の人生を回想するような短編集。作者の心情も出ているようで哀しい話しが多い。大治郎一家がほとんど登場しないのも淋しいが分岐点なのかも知れない。

  • 人は変わる。年を重ねるからと言って成熟し達観していくとは限らない。人にはいろいろな顔がある。人に見せているのはほんの一部。最後は解決。それが爽快。

  • <目次>


    <内容>
    過去の巻よりも複雑な筋書き。無二の友人の裏人生など。
    話も少し長いが堪能した。

  • 人間関係の込み入った話が多く、少し読むのに苦労した十三巻。表題作「波紋」は、世間は狭いと言わずにいられない。印象的だったのは「剣士変貌」。トップに立つのではなくNo. 2の立場のほうが相応しい人物の例はいくつも聞くけれど、ここまで堕落してしまうのは悲しい。過去作にあったと思うが「剣客としておのれの弱さが見えて」いないということだったのだろうか。

  • 小兵衛の剣友を見舞った帰途、大治郎の頭上を一条(ひとすじ)の矢が疾(はし)った。心当たりはなかったが、これも剣客商売ゆえの宿命か。「お前が家を出るときから見張られていたのではないか」小兵衛の一言で大治郎は、次の襲撃を呼び寄せるように、下帯ひとつの裸身で泰然と水浴びをはじめた――「波紋」。
    旧友・内山文太を想う小兵衛の心情を描き格別の余韻を残す「夕紅(せきこう)大川橋」など全5編。第13弾。

  • 池波正太郎 著「波紋」、剣客商売(十三)、2003.2発行。消えた女、波紋、剣士変貌、敵、夕紅大川橋の5話。本巻は全体的にピリッとしない感じ、イマイチでした。

  • 消えた女 永山同心が殺害される
    波紋 バカ殿と刺客と繁蔵
    剣士変貌 一城の主の器じゃなかった
    敵 金をもらって倒した相手は悪人じゃなかった
    夕紅大川橋 友人の過去の女性関係ゴタゴタ

    なんかグダグダになってきたように思う

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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