私の美の世界 (新潮文庫)

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感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101174044

感想・レビュー・書評

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  • これまで読んできたエッセイもたくさんあったが、何回読んでもうっとりしたり、クスッと笑ってしまったり、森茉莉さんの天衣無縫ぶりに楽しい気分になりました。森茉莉さん、政治的な意見が思っていた以上にしっかりしていて、驚きでした。明治生まれだから?その辺りはやはり、関東大震災に戦前戦後を経験し、民主主義の理解が現代の私とは比べようもないものだからなのだろうか。見る目があるということは、こういうことなのかと思わざるを得ない。

  • 美しいものにこだわり、自分の世界に妥協しない、まさに「わたしの美の世界」。世の中のあらゆることにいつも怒っていて、謙遜も追従もしないけれど自惚れもない。そんな茉莉さんが好きです。

  • エッセイの中で一番すきな作品。
    いつでも読みたいきれいな文章。
    食べ物の描写がいちいちおいしそうなところも素敵。
    些細なこだわりやふとしたつぶやきをこんな風に書けるって、とてもすごい。

  • バイブル。

  • 「甘い蜜の部屋」と並行して読むことが望ましい。

    本作と全く関係ないのだが、ベルバラのマリーアントワネットを思い出した。
    10代の頃から確固たる地位の元、気高く高貴であり続ける。その結果がアントワネットであり、モイラであり、おそらく森茉莉にもその節があると考えられる。(でなければあのエッセイは書けないと思うのです)

    そんな方が物書きをしてらすのだから面白い。

    私が知っているお店や食べ物が出てくると、嬉しくなる。

  • 森茉莉のエッセイがとてもすきで、この本ももう何度めか
    で読んだ。貧乏サヴァランをはじめ、森茉莉独自の美意識
    のこだわりのオンパレード。文章の古めかしさと相まって
    たまらない魅力。プラス、面白さもあるのだから凄い本。
    森茉莉が文章を書くのに努力したとは(性質上)思われない
    のだけど、しみじみ文章がすばらしい。

  • 好き

  • お嬢様というよりもお姫様。心根がお姫様な人だ。「甘い蜜の部屋」の甘やかされっぷりに衝撃を受けたけど、モイラがそのまま大きくなったような人だったんだな。

    今で言うゴシップ記事が好きだったりテレビが好きだったりするのもなんか森茉莉さんらしい。

    粋であるとかインテリであるということをことさらアピールしているような人たちを軽蔑するというところや、チャリティ嫌いであるということを書いてある「贋ヒューマニズム礼賛」がとても面白かった。あとは食べ物の描写。

    自分の飼っていた黒猫のジュリエットに対する想いから、茉莉さんは猫好きなのかなと思いきや「くたばってしまえと思っているような野良猫」とか「ニャ」という猫を下品にしてしまうあの鳴き声~とか書いたり、森茉莉ってこういう人っていうイメージを細かく裏切り続けてくれた。ますます好きになった。

  • 推測するに、すっごい偏屈なひとなんだろうけど... 。自分を曲げないところや、そこから生まれる美意識が、なんともまっすぐに美しく見える。折り目正しく。

  • 森鴎外のお嬢様、マリアがうっとりしつつも奮闘する日常。
    大好き。

著者プロフィール

1903~87年、東京生まれ。森鴎外の長女。1957年、父への憧憬を繊細な文体で描いた『父の帽子』で日本エッセイストクラブ賞受賞。著書に『恋人たちの森』(田村俊子賞)、『甘い蜜の部屋』(泉鏡花賞)等。

「2018年 『ほろ酔い天国 ごきげん文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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