- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101175041
感想・レビュー・書評
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昔、古典が好きだったことを思い出した。
漢文の話はどうも面白く読めないのだけど、
平安時代の古典はどうも興味がある。
こういう時、自分の女性性を思い出す。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まず筆者の古典への造詣の深さに驚かされる。古典を娯楽として楽しむ姿に、正しい物語のありかたを感じた。
やや女性性に引っ張られ、感情的な読みとなっているところもあるが、それを含めて田辺聖子の魅力であるとも考える。 -
巻末の《解説》は、大岡信さん。
本書、紹介作品など→「聖書」「漢詩」「催馬楽」「川柳」「落語」「浄瑠璃」「黄表紙」「日本の神話」
『古事記』『日本書紀』『万葉集』『日本霊異記』『伊勢物語』『土佐日記』『蜻蛉日記』『落窪物語』『枕草子』『和泉式部日記』『源氏物語』『栄花物語』『堤中納言物語』『更級日記』『讃岐典侍日記』『大鏡』『今昔物語』『梁塵秘抄』『新古今集』『方丈記』『平家物語』『建礼門院右京大夫集』『百人一首』『古今著聞集』『沙石集』『徒然草』『閑吟集』『雨月物語』『浮世風呂』『南総里見八犬伝』『偐紫田舎源氏』
井原西鶴、近松門左衛門、松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶、若山牧水、昭憲皇太后(明治天皇の皇后) -
なんかーお聖さんらしいかも。
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2009/7/19 チェック済み
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とっつきにくい古典だって、ぶっちゃけ萌えを見出せばぐんと身近になるんだぜ! ということを実感させてくれた本です。
一番好きだけれど切ないのは「かげろふ日記」の項。
結婚したあとも恋してしまうくらい才能あふれたかげろふの夫、でもこいつがたいそう浮気な男なんです。けれどいい男なんです。可愛いんです。けれど憎たらしい。
かげろふは嫉妬に身を焦がします。天国と地獄を行ったり来たりです。アクエリオンの歌詞にもあるじゃないですか、「君と出会ったその日から僕の地獄に音楽は絶えない」これもよく考えたら拷問な気がしませんか。アニメは見たことないんですけど。
嫉妬の苦しみに耐えかねて出家する! と決心したかげろふを、ぱしりと引き止め手際よく仏の前から奪い返すのは、罪な所業を繰り返しつつそれでもかげろふを愛している夫本人です。
かげろふはどれだけ苦しいでしょうね。かわいさ余って何とやらでしょう。でも、思いきり蚊帳の外である私たち呑気な読者は、そんなエピソードにきゅんきゅんしてしまうのです。それでも愛し合ってるんじゃないか!
他にもニヤニヤしてしまう話、物悲しい話、うんうんと頷いてしまう話(いろんな意味でね)。変わらぬ人の感情の機微を描いて、千年の時を生き残ってきたお話にはやはりそれなり読み応えがあります。 -
国語の先生に借りて読みました。
田辺聖子さんの「源氏物語」を瀬戸内寂聴さんの後に読んで、なんてひとだと目を剥いたのですが、こちらは上品な筆致ですらすらと、まさに平安時代の女性のような筆遣いだなぁと思いました。