孤独な夜のココア (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101175119

感想・レビュー・書評

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  • 甘いココアかなと思って手に取りましたが、ほろ苦かったです。

    眠れない夜にひとり、過去の恋を思い出している。戻りたい、やり直したいとは思わない。
    ただ、あの時ああしていれば
    違う人生だったのだろうかとぼんやり考えている。そんな雰囲気。

  • かなり昔に一回読んで、内容は忘れてたけど印象にだけ残ってて、また読んだ。
    40年くらい昔の作品だからたぶん今の時代とはいろいろ変わってるんだろうなと思うこともあるけど、でも今の時代でも変わらない男女のやりとりが短編にさまざまにあって読んでて切ない。
    「春つげ鳥」が可愛くて好きなんだけど、どれを読んでも、どこかしら心にチクチクとくる。

  • 様々な男女の状況を描いた短編集。
    読みながらにやけてしまうような甘いやりとりと、全く笑えないシリアスなシーンが散りばめられており、心がずっと黄色信号を点灯させているような、そんな気が抜けない状態で読了しました。
    以前に『男性は火星から来た火星人、女性は金星人なので全くの別の人種と心得て接するべし』という本を読んだのを思い出したくらい、渦中の男女の異なる点がそれぞれ魅力的に、ときにおもしろく描かれていました。

  • やっぱりいつの時代も考えてることとかは変わらないんだなって思う。ずっと前に作られた作品でも、何故か感情とか考えとかには今にも通ずる考えがあるなと思った。

    大人の恋なんだなって思う。まだまだ自分は未熟すぎて自分を確立しきれてなかったり依存したり恋愛フィルターがかかって盲目になったりするけれど、出てくる人達はそんなことなくてすき。

  • 少し古い時代の話で、今とは女性の立場が異なったりもするけれど、女性の気持ちという点では、全く古臭くなく読めるのがすごい。

  • たとえ報われなくても、
    恋をしたくさせてくれる本。

  • 平気なふりをして平気じゃなかったり
    関係ないって顔をしてすごく気になってたり
    好きだって言われてるそばから不安になったり…

    恋愛は複雑だし、しんどかったりもする。
    でも、それすら楽しんでるような彼女たちはすてき。

  • 昭和のOLの恋愛短編集でした。
    だって電卓じゃなくてそろばんを使ってるって、すごいわー
    あたしそろばんできん1桁以内の足し算引き算しかできん
    なんか、どのお話も、
    ハッピーエンドっぽくてもバッドエンドっぽくても、
    主人公がみんなあっけらかんとしとるっていうか、
    あっさりさっぱりしとるっていうか、感情をむき出しにしないというか、
    すごく好感のもてる語り口やった。
    ほぼ関西弁で会話しとるげんけど、
    関西弁ってちょっと高圧的というか、
    こわいって思ってしまうことが多いげんけど、
    おっとりした関西弁やったら全然大丈夫やった、読み心地良かったw

    ・春つげ鳥
    あきらかバッドエンドなんに、前向きというか、
    自分の悲しい気持ちは語らず、
    もう自分ひとりで生活してますっていうタフさがすごい

    ・りちぎな恋人
    これは最後笑ってしまったwwwかわいかったwww

    ・雨の降ってた残業の夜
    あーこれはなんか切なくなったー
    斉ちゃんが自分で女のはしくれって言っとったけど、
    たしかに女ねんなって感じ!なんかかわいい

    ・おそすぎますか?
    遅すぎます。でも、これはあたし自身も改めようと思った。
    あたしは全然キャリアウーマンでもなんでもないけど、
    自己満足で相手に尽くすのはいかんなっていう。

    ・ひなげしの家
    うわああん(ノд`)゚。
    これね、最近他の中年男女の恋物語を見とったから、
    もうなおさらうわああん(ノд`)゚。ってなったよ(ノд`)゚。
    年を重ねれば重ねるほど濃ゆい恋をするものなのかしら

    ・愛の缶詰
    缶の難しい漢字わからんw
    これー、ミキむかつく!
    いや、でもうっかり言っちゃった自分にも落ち度あるよね
    でも良かったことだけ缶詰に詰めてとっておこうっていう発想はすごく素敵

    ・ちさという女
    ちさーw女を捨てて金金言ってたのにw
    お金は大事やけども、けちけちするのもちょっとねー(´・ω・`)

    ・石のアイツ
    ヒモ男を養っとった女性の話ねんけど、
    あれやね、ヒモ男をやしなっとる人って、
    それで幸せ感じとるげんね!知らんかった、すげえ

    ・怒りんぼ
    これもうわああんってなった(ノд`)゚。
    そして自分も改めんなんなってまた思ったww
    怒ってばっかおったらだめやね・・・
    もう怒れなくなっちゃった主人公の姿がすごい悲しかった

    ・中京区・押小路上ル
    これって周りの大人にまんまとしてやられたってこと?!
    なかなかほほえましかった!

    以上、心温まるとっても良い短編集でした!

  • 昔読んだ本がまた書店に平積みされているのを見て読み直し。
    ココアの甘さだよね。田辺さんの作品は。女らしさがあるのよね。今とは時間の流れ方、人との距離感が全然違う、「昭和」です。なんだか懐かしい。

  • タイトルと表紙が素敵で思わず手にとった本。昭和53年に刊行されたそう!


    いつの時代も女性は恋に悩み、振り回され、どうしようもなく切ない思いを抱えるもの。そういう意味でまったく古さを感じさせず、思わずのめりこんでしまってる自分にびっくり。


    ただ、昭和の「働く女性」や「アラサー」に対する価値観が垣間見えて、それには衝撃を受けました。だって、27で未婚は生き遅れのお局的存在で書かれてるんだもん!笑


    春つげ鳥/りちぎな恋人/おそすぎますか?/ひなげしの家/怒りんぼ

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著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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