- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181080
感想・レビュー・書評
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3.5くらい。軽く読め、今まで読んだ「海の都の物語」「ロードス島攻防記」「コンスタンティノープルの陥落」「レパントの海戦」「チェーザレ・ポルジア」の裏事情も知れて、面白かった。
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トリビアルな楽しみのつまった塩野七生さんのイタリアエッセイです。
個人的に面白かったのが、活版印刷の発明と書体の変化の話と、
生まれて間もないアメリカとヴェネツィア共和国の関係の話です。
エッセイ調の文章で軽く楽しめますが、
全体を通して情報はしっかりありますし、
ヴェネツィアに旅行に行く予定のある方や教養を深めたい方はぜひ。 -
塩野七生のエッセイを読んだのはこれが初めてでした。
エッセイというだけあって他の作品よりもあっさり読めました。塩野作品をとっつきにくく思っている知り合いがいたら入門編として勧めるかも。
法王に問われ、「中央公論」の意味を説明したくだりが面白かった。にやりと笑い合うお二方を横から眺めさせてもらった気がしました。
ずっと以前に書かれたエッセイだとは承知しているけど、「塩野さん、教会の尖塔からの煙草のポイ捨てはやめてください」と言いたくなった。 -
もう十五年以上も昔、夏休みにリュック一つでギリシャ一人旅をした。三週間かけてギリシャ国内だけをめぐる、学生ならではのおおらかな旅だったので、スパルタへも足を運ぶ機会を得たのだが。自分はスパルタ人だと名乗る将校が出てくる一篇で、その時のことを思い出した。スパルタへ向かう道のことや、辿り着いた時のこと。
その一篇だけでなく、氏が自分が高所恐怖症を自覚した時の描写や、法王とすれ違った時のエピソード。もう、何もかもが上手い。まるで情景が目に浮かぶよう。本当に氏が楽しんで書いていたのが伝わってくる。
ローマ人の物語は途中までしか読んでいないので、また是非最初から、今度は最後まで読み切りたいと思う。 -
イタリア大衆文化史に興味をもったがトルコのハレムはもっと気になった
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メモ:ゴンドラの黒。スルタンのハーレム。ゲットーはヴェネツィア方言。オデュッッセイアは朝帰り夫の言い訳話。アルドの書物の文庫判とイタリックの発明。語学は必要に迫られることと慣れ。奴隷から皇后になったロシア女。スレイマン1世
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イタリアの過去、そして現在について、その歴史文学については何冊もの良書を書かれている著者が自らの体験も交えて記したもの。
特に興味深かったのは・・・
●第一話「ゴンドラの話」と第十六話「家探し騒動の巻」
僕自身が09年2月に新婚旅行でイタリアに行ったのですが、その時立ち寄ったヴェネツィアとフィレンツェについて書かれていた話。
「確かに言われて見れば疑問」だったことをこの二話で書いてくれていて、非常に身近に興味深く読めました。
経済効果と効率が優先し、便利で新しいものが最大の価値を持つ日本と違い、その歴史的な遺産を頑なに守り抜ける環境があるイタリアを羨ましく感じます。
●第十三話「ある出版人の話」と第十四話「語学について」。さらに第十八話「聖地巡礼」
500年以上も前のヴェネツィアおよびイタリアにおいて、例えば文庫本の発刊や言論の自由であったり、例えば言葉の壁を乗り越えようとする商人(ビジネスマン)であったり、半分観光地と化した聖地エルサレムにガイド付きでツアー観光する人々であったり、全く異世界で考えも全然違うと思い込んでいた当時の人々が、実はテクノロジーの差があるだけで本質は現代の我々と殆ど変わらない考えや嗜好、また努力を原動力に動いていたと教えてくれる話でした。
イタリアに1度でも行ったことがある人、歴史に興味がある人にはお薦めします。
その光景を想像し、思い出し、この地に足を踏み入れたくなります。行ったことがある人は特に。どの著作もそうですが、著者の優雅で教養的で、その場の空気感までリアルに伝える文章には惹き込まれます。雑学や暇つぶしではなく、1話1話ゆっくり、マイペースでじっくり味わいながら読んでほしいです。 -
『ローマ人の物語』作者のイタリアに関するエッセイ。
イタリア最高!
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イタリア、主にヴェネチアの歴史とその中で生きていた人々の痕跡を辿る。
ヴェネチアから始まり、今に続くものは意外に多いものだと発見させられた。 -
トルコのハレムの話がおもしろかった。そのころの時代のゴシップなどを想像するのは楽しい。
俺も塩野さんみたいに借景できるアパートを借りてみたいものだ。