ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)
- 新潮社 (2002年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181516
作品紹介・あらすじ
前753年、一人の若者ロムルスと彼に従う3千人のラテン人によりローマは建国された。7代続く王政の下で国家としての形態をローマは整えてゆくが、前509年、共和政へ移行。その後、成文法制定のために先進国ギリシアへ視察団を派遣する。ローマ人は絶頂期のギリシアに何を見たのか-。比類なき大帝国を築きあげた古代ローマ。その一千年にわたる興亡の物語がいま幕を開ける。
感想・レビュー・書評
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長い長い大河ドラマ。でも最高に面白い。私はハンニバルのポエニ戦争のくだりがお気に入り。紀元前にすでに共和制が整ったローマはさすがだな。
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一巻のみでなくこの「ローマ人の物語」全巻を読み終わっての感想でありますが、ヨーロッパがどのようにして出来上がってきたのかがこのように面白く読ませてくれるものは無いと思います。
特に何がスバラシイかと言いますと、実に地図の使い方が上手い!
若干クドイくらいに地図が、文章とともに出てくるのでどこで何が起こったか、常に確認出来ます。
もちろん教科書のような無機質なものではなく、
個人的に塩野オバサマから「イイ男ってのはね、、」とサロンで語りかけられるような部分もあり、その時代を生きた生の人間への評価を通して人として学ぶもの、もしくは反面教師とするものを教えていただいた気もします。 -
ローマは強国二つに選ばれなかったから平和だったんだ!知らなかった!エトルリアがローマの手前で国が終わってるから、ローマほんとに目に入らなかったんだね。(^∇^)
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歴史に疎いので知識を得ようと思い,手を取った。
ローマでの歴史を基にかかれたお話で,
何冊も続いているシリーズものの1冊目。
最後まで読み切れるか若干不安ですが,
読みやすかったです。 -
ローマの成り立ち、7代続いた王政、共和制への移行が綴られている。
最後に少しだけギリシャの歴史についても触れられている。
ローマの王1人1人に特徴があって読んでて面白かったです。
7代続いた王政が世襲制じゃなかったのには驚き。
ローマ人達は身の回りの色々なものを神にしてしまう多神教だったそうです。
キリスト教とは正反対ですね。
個人的には多神教的な考えの方が好きかもしれない。
夫婦喧嘩の神のエピソードはなるほどな、と思った。
ギリシアのポリスについては、世界史でちらっとやったけど、こんな経緯があるのは初めて知ったなぁ。
ギリシア史についてもう少し詳しく知りたくなりました。
個人的にはスパルタには絶対に住みたくないです。 -
ポッドキャストのコテンラジオという番組で、ハンニバル、ポエニ戦争の歴史を聴き、前から気になっていた、このシリーズに遂に突入。ローマ建国から共和政の最初まで。そしてギリシアの様子が書かれた最初の巻。面白くて一気に読んでしまった。まだまだ小さなローマ。まずはハンニバルと戦うまでの歴史をしっかり理解していきたい。しばらくローマ漬けになりそうです。
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ローマの起源を辿る1巻。
投票制の導入、移民でも市民権を得られ、王になれる風土、たまたま恵まれた立地、多神教による寛容さと、軍事による厳しさなど、すでに魅力的な特徴がたくさん詰め込まれている。
成文法設立の経緯を見るためにギリシアへと視点を移す後半。面白かった部分を要約する。
当時のギリシアは、民主政のアテネと王政のスパルタの対立を代表に多くのポリス間での戦争は絶え間なく続いていた。そこに驚異が現れる。一神教のペルシアである。ポリスの分裂にも目をつけ、外交戦術も駆使しながらギリシア全土を攻め、多くのポリスを沈めていく。
しかし、アテネにはテミストクレスがいた。そして最強の精鋭部隊スパルタがいた。大いなる驚異ペルシアを前に、分裂を繰り返していたギリシアが一致団結する。共同戦線を張ったのだ。テミストクレスは大変に優秀でアテネは海で戦うのが良いと判断した。スパルタは陸を、アテネは海を。
陸路においてはペルシアも猛攻だった。スパルタはしかし、同盟国の兵をすべて別の戦線に配置して迎撃にあたらせ、王とともに、わずか300の兵で巨大なペルシア軍を迎え撃った。援軍は間に合わなかった。全滅したが彼らの勇姿は連合軍を奮い立たせた。アテネはギリシアに誓い猛攻する。全市民を連れて近隣の島に避難。自らの都市を無人とし、そこにペルシア軍を誘いこみ、彼らによって破壊されていく祖国。アテネ軍の闘志は業火となった。ペルシア軍に襲いかかる海軍は圧倒的であった。この戦争はギリシアの勝利で終わった。
しかし、アテネとスパルタという二大ポリスの溝は埋まったわけではなかった。
時代は再びポリス間の戦争へ向かう。
とまぁ、こんな調子で大変面白く話が続く。塩野七生が記すのは統べる者が現れ続ける人類史。傍らの者を愛し、自らの手の届く範囲で愛を育む人々ではなく、目が届かぬほどの国土に手を伸ばそうと試みた英知ある人々の歴史であった。 -
ヨーロッパのこの時代あたりは、授業で習っていたはずなのに、全く覚えておらず、興味もなかった。ただ40巻近くあり、本屋でいつも見かけていた為いつかチャレンジしようと、意を決して読み始めた。まだ20巻までしか読んでいないが、歴史を知らなくてもとても楽しめる作品だと思う。登場人物の描写も丁寧で、史実、創作どちらであっても、生き生きと描かれ、歴史物やヨーロッパなどに興味がなくても、読み応えあります。
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ようやく手を出した塩野七生のローマ人の物語。ローマ建国の伝説から共和制となった前500年あたりまで。最後にギリシャあたりの話がペルシア戦役まである。
本編は読みやすく面白くて勉強になるのだが、惹かれたのは冒頭。すっかり物語の中に吸い込まれてしまった。
「古代ローマの心臓部であったフォロ・ロマーノの遺跡に崩れた石柱にでも坐って、ガイド・ブックや説明書を開いているあなたの肩ごしに、何か常ならぬ気配を感じたとしたら、それは、生き残った神々の中のいたずら者が、背後からガイド・ブックをのいているからなのだ。自分たちのことを二千年後の人間はどのように描いているのかを知りたくて。」(p19 「読者へ」)
また、「『ローマ人の物語』の文庫刊行に際にしての、著者から読者にあてた長い手紙」も、文庫にするにあたっての思想が示されて、とても知的でよい。歴史を知ることは、知性そのものだ。
2021年2冊目。
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小説ばかり読んできたので、初めての歴史に関する本。
ローマだけでなく、その周辺国だったアテネやスパルタについても触れていてとても面白い。
何千年も昔の人たちの話でも、偉人達の残した言葉や政策は現代でも通用するものであり、文明を持ってから人は同じことをずっと続けているのだろうと思った。
事実だけでなく、時々作者の推測が入ったり、皮肉っぽい文章があるのも面白い。
長いけど、最終巻まで読破したい。 -
当時はギリシャ人とエトルリア人に挟まれた少年に過ぎなかったラテン人ローマの誕生とその後の王政共和政の時代を描くとともにギリシャにも光を当てた第一巻。読み応えが非常にあって良い。
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長いこと憧れていた本についに突入。
第一巻を読み終えた本日は【古代ローマ建国記念日】
>ローマ時代の子供たちは、この種の(左ききのムティウス)エピソードに眼を輝かせながら聴きいったのだろう。彼らには学ぶべき歴史もまだ少なく、英雄譚を愉しむ時間も充分にあったのだ。それに比べて二千年後のわれわれときたら、学ぶべき歴史もやたらと増え、おかげで無味乾燥な棒暗記をするしかなくなっている。
歴史は詳しく知れば知るほど面白い。塩野七生さんありがとうございます。全40冊楽しみにしています。 -
塩野七生さんのシリーズ『ローマ人の物語』の43巻の中の1巻目を読了です。本書は、ローマの建国時代から、王政、共和制まで。さらに、ローマ法を編纂するために調査団がギリシアに派遣されたということで、ギリシアの歴史をペルシア戦争まで振り返ります。
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ローマ人をめぐる壮大な物語のスタート。高校生のころに途中まで読んで挫折した。が、相変わらず歴史作品としてはおもしろい。今巻は建国初期のローマや、ローマに影響を与えたギリシャの歴史を扱っている。昔世界史でやったなあと思い出しながら、引き込まれて読んだ。
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軽い気持ちで手に取ってしまったがために、
その後何十冊も買うはめになってしまったきっかけの本。
とかくドラマチックにしたがる国の興りを、
至極冷静にとらえている点がとてもいい。 -
入院中に「歴史(ヘロドトス著)」を読み、退院後に自宅にあった本著を手に取った。
本著ではローマやギリシャの成り立ちをサラッと概観できた。後半のペルシア戦役は「歴史」を読んでまいたので幾らかの肉付けができた。
さて、本著がローマの旅への出発となる。
ローマ人の物語は、パクスローマのところまで行って、挫折しました。一度、読む勢いを失うともう駄目なんです。まあでも、そこまでだと、...
ローマ人の物語は、パクスローマのところまで行って、挫折しました。一度、読む勢いを失うともう駄目なんです。まあでも、そこまでだと、カエサルの話の2巻分が抜群に面白かったですね。