ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) (新潮文庫)
- 新潮社 (2002年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181523
感想・レビュー・書評
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ローマ人の都市国家がローマで王政で始まり、二人の執政官と元老院と市民集会からなる共和制に移行して、イタリア半島を勢力圏に治めるまでの物語。日本ではまだ縄文時代だけど。。よくこれだけの文明の差に追い付いたな。二千年以上かかったけど。
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紀元前5世紀~前3世紀頃の古代ローマならびに周辺諸国の興亡について書かれた史伝。
当時のローマやギリシャのポリスなどの社会構造、諸外国との戦役における駆け引きなど、いくつかの視点でローマ世界について書かれている。
特に、私は、現在の日本と照らし合わせ、何か現状打開の知恵があるのではないかと思いをめぐらせながら、本書を読み進めた。
例えば、ペロポネソス戦役中のアテネ。この国は、優秀な人材が多数いたにもかかわらず、滅亡の一途をたどってしまった。この理由として、自国滅亡の危機を身をもってささえようとした者はいなかったと筆者は述べる。
また、アテネとならぶギリシャの強ポリス、スパルタ。質実剛健で戦力も高かったが、閉鎖的な民族ゆえに、結局、弱体化してしまった。
一方、戦力・国力ともに弱小国家であったにもかかわらず、ローマは着実に力をつけ、後に大帝国へとのし上がる。大国家にならしめた所以は、高い愛国心、戦争で勝利すると敵側を国民として受け入れてしまう柔軟さ、そして、模倣の民と軽蔑されるくらいに、他民族から学ぶ国民性。戦争に負けても、必ず何かを学び、それをもとに既成の概念にとらわれないやり方で自分自身を改良し、再び起ち上がる性向にあった。
国際競争力が低下しつつある日本。ローマもケルト人の侵略等、数々の破滅的打撃を被っている。それでも、国力をつけつづけたこの国のように日本がなれるのか?それとも、アテネのごとく人材の国外流出、または政治無関心に陥ってしまうのか?はたまた、このまま国際社会から目を背けスパルタのようになってしまうのか?
時代も民族も異なるローマの物語を理解したところで、日本の諸問題を解決できるわけはないとは思うが、参考になる点はおおいにあると感じた。
物語自体の愉しさゆえに、このような考え方もさせてくれた、良書。歴史とは本来愉しいものなのだと思った。次の物語を早く読みたい。 -
なんともロマンいっぱいのローマ史。
一つ一つのエピソードが小説にでもしたいような、魅力がたっぷり。
ローマの貴族が、なんとも格好いい。
独裁官に任命され、15日で戦争を終わらせ、16日目には官を返上したとか、幼い後継者を残し、護国のために一族玉砕とか。
現在の政治屋に読ませたい。 -
退院して自宅療養で通院リハビリしながらこのシリーズを読んでいる。
前著と本著でローマ建国の紀元前753年から紀元前270年にルビコン川以南のイタリア半島を統一するまでの歴史が記されている。ローマ繁栄の理由として著者は、共和政に王政・貴族政・民主政のシステムを組み込んだ点を挙げ、さらに宗教的な寛容さや市民権の寛容さを挙げている。戦争に負けた国民(都市国家)にひとつの宗教を押し付けることなく、負けた国民にもローマ人と同等な市民権を与えるというその寛容さが繁栄の理由でわないかと。
この後にローマがどのような道を辿るのか続きが楽しみだ。 -
歴史を学ぶ1歩目としては最適だと思う
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1巻から続くギリシャの歴史が続く。
共和制ローマの話へ続く。
貴族と平民の対立、近隣国との同盟関係等ローマが少しづつ成長していく。 -
外敵からの侵入に耐えるだけのローマが、徐々に国としての体をなしていく。そのプロセスにおいて、先行するギリシアの例を知るが全く意に介さない不思議。王政から、世界で初めて共和制に移行するも、貴族対平民の対立は続く。そしてケルト族の侵入により、国家僧帽の危機に立たされ、屈辱的な和平案でなんとか生き残るが、この記憶が後々の方針決定に長らく影響を及ぼす。いやあ、面白い。
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GSRアウトプット宿題
1回目
時間:15分
目的:また忘れた!
概要:ローマは一日にしてえならず、ローマ人、プルターク、ビュロス、クリアンテル、パトローネ、トゥキジデス、スパルタ、ホメロス、保守的、執政官、王政、人民、直接民主制、セナーティア、ロムルス、自死、屈辱、ディクターレ、寡頭政
学び:セナーティアはきっとsenateの語源だ。