本にだって雄と雌があります (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.85
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  • (7)
本棚登録 : 984
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101200217

感想・レビュー・書評

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  • ユーモアに溢れて、溢れすぎて大洪水を起こし、嘘か誠か夢か現か皆目見当もつかない。けどそこが面白くてたまらない。
    家族史と思えば本の話であり、 時代史と思えばファンタジーでもある。
    そんな多面的な魅力に溢れた一冊でした。
    あと、森見登美彦さんの作品に似ているとも感じたため、好きな方は是非!

  • 3.87/707
    内容(「BOOK」データベースより)
    『本も結婚します。出産だって、します。小学四年生の夏、土井博は祖父母の住む深井家の屋敷に預けられた。ある晩、博は祖父・與次郎の定めた掟「書物の位置を変えるべからず」を破ってしまう。すると翌朝、信じられない光景が―。長じて一児の父となった博は、亡き祖父の日記から一族の歴史を遡ってゆく。そこに隠されていたのは、時代を超えた“秘密”だった。仰天必至の長編小説!』

    冒頭
    『あんまり知られてはおらんが、書物にも雄と雌がある。であるからには理の当然、人目を忍んで逢瀬を重ね、ときには書物の身空でページをからめて房事にも励もうし、果ては跡継ぎをもこしらえる。」


    『本にだって雄と雌があります』
    著者:小田 雅久仁(おだ まさくに)
    出版社 ‏: ‎新潮社
    文庫 ‏: ‎480ページ

  • 約500ページの5分の1ほど読んだが、脱線が多すぎてもはや本筋がよくわからない…。そして、下品…

    読了しても〝面白かった〟と言える自信がないので、この本は終わりにしようと思う。

  • いやすごい想像力。
    象ル翔天。わろた。

  • 何が凄いって、文章のテンポが秀逸。挑戦的な語彙が多く出てくるが、リズムがとても良いのでスラスラと読むことができる。
    もちろん全てを引きつけるこのタイトルには、作者のセンスが滲み出ている。
    そう、アカシックレコードは存在しています。

  • 多くのレビューにある様に、わたしもタイトルに惹かれて読みました。

    何となく井上ひさしさんを思わせる感じで好感が持てましたが、タイトルから想起される内容とだいぶズレがあったのでその点が残念。

    もっと徹底的に本の雄と雌を突き詰めて書いたら面白くなる気がするんだが・・・まぁ、深井家のクロニクルもそれなりに面白くはあるのですが。

    ファンタジーに分類される作品だと思うので、楽しく読めればいいのでしょうが、個人的にはリーダビリティは今ひとつでした。

  • これは…なんと言ったらいいのだろう。
    たぶんタイトルを見てなんらかの物語を想像したとしても、多分違っています。
    本に雄と雌があって、増殖していく話ではあるけれど、それがメインじゃないんだな。

    語り手の祖父・與次郎が繰り広げる怒涛の大阪弁。
    嘘か真かやっぱりデタラメか!?

    最後まで読めば、本好きの人だったらうっとりするか涙をこぼすかはわからないけど、きっと心を動かされるはず。
    でもだけど、前半部分が冗漫なのが、もう辛い。

    必要なのはわかる。
    後半の感動の種は、ダジャレと駄法螺と繰り返しの中にしっかりと埋め込まれているのだから。
    でも、辛いんだなあ、読んでいて。
    次回はぜひ、テンポとリズムの良い文章をお願いします。
    ボケの連続でツッコミがないと、脳内で私がツッコんでいかないといけないので疲れるのよ。

    “「申し遅れました。プロペラさんこと亀山金吾の悪友、深井與次郎と申します」
     「深いよ、次郎?」
     「浅いよ、太郎。いや、そこで切るんやないんです」”
    ほら、合いの手があった方が読みやすい。

    “本いうんはな、読めば読むほど知らんことが増えていくんや。どいつもこいつもおのれの脳味噌を肥やそう思て知識を喰らうんやろうけど、ほんまは書物のほうが人間の脳味噌を喰らうんや。いや、脳味噌だけやないで、魂ごと喰らうんや。”

    本好き、読書好きなら「わからうわかる」とうなづくエピソード満載のこの本は、実は夫婦の愛の物語であり、一族の謎(もしかしたら本によって仕掛けられた呪い?)に充ちた歴史なのだ。
    散々文句も書いたけれど、私は面白く読みました。

    “たった一行の文章を書くのでも、たった一つの言葉を選ぶのでも、それを裏から支えるなんらかの精神がなければならない。いっさいの言葉はなんらかの形で書き記す者の精神に根を張っていなければならない。それを積み重ねて、ようやく一冊の本ができあがるのだ。”

    ところで我が家の本は雄も雌もなくて、無性生殖をしているらしい。
    だって同じ本がいつの間にか家のあっちとこっちにあったりするもの。
    たぶん細胞分裂で増えているんだね。
    そんなことがこの本によって科学的に証明されて、よかったよかった。

  • 面白かった!

    最初のほうは数ページごとに声を出して笑い、終盤のあるところではぐっと胸がつまり泣きそうになった。
    教訓とか何もない。読書とは、楽しいことがすべてではないか? この小説には、先を読み進める楽しさがぱんばんに詰まっていて、それ以外のものまで押し込むとはじけてしまいそう。

    文庫の帯を森見氏が書かれているが、氏の作品がお好きな方にもおすすめ。

  • 前半は読んでいてあまりにも退屈な、登場人物の家族の内輪ネタとでも言うべき話を中心として展開される。他人の家のことなんか知らんがな、と、読むのは途中でやめようかとおもったが、最後まで読み通して良かった。中盤、與次郎の死、兵隊時代の話あたりから、物語は大きく動き出し、壮大かつドラマティックかつファンタジックな色合いに満ちた人生譚に心を掴まれた。
    読書の良さのひとつとして、虚構の世界にどっぷりと肩まで浸かる面白さがあると思うが、この本の中後半以降はその面白さに溢れており、きっとファンタジー小説好きの期待に応えてくれるものであろうと思われる。
    前半戦さえ耐え抜けば面白い。

  • 本当~~~に読みにくかったです。

    とにかく色々回りくどくて読み難い。
    登場人物も多く、しかも時代があちこち前後するのでややこしい。
    でも手に取った方は、諦めずに読んで欲しいです。
    最後には感動が待ってますから!!(笑)

    大阪弁のノリツッコミに、シモネタ、オヤジギャグが満載で、
    どこの法螺話かと言いたくなる話なんですが、
    実はめちゃくちゃ壮大な物語なんですよ。
    単なるファンタジーではなく、
    戦争や事故を絡め人の生き死にや暗い内面なども描かれてきます。

    途中、こんな壮大すぎな話どうやって終るんだ!!って、思いましたが、
    エンディングもまぁ見事!!
    感動しました。

    もう1回言いますよ~。
    諦めずに読んで下さい。
    本当に素敵ないい本です(笑)

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著者プロフィール

1974年生まれ、宮城県出身。小説家、ファンタジー作家。関西大学法学部政治学科卒業。2009年『増大派に告ぐ』で、第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、作家デビューした。2013年『本にだって雄と雌があります』で、第3回「Twitter文学賞国内部門」の第1位を獲得した。

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