本屋さんのダイアナ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.23
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本棚登録 : 6643
感想 : 528
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101202426

感想・レビュー・書評

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  • ダイアナと彩子視点が変わりながら、
    大人に近づいていくお話。
    すごく良かった。

    色々な本が出てくるのも素敵。

    はじめて出会う考えもあって
    なんだか胸がいっぱい、
    感想がなかなかまとまらない。
    この本はまた読もう。

  • とても良い物語だった。
    ティアラの人生観に憧れる。
    個人的にみかげちゃんの台詞が本質を捉えてると思った。

  • 中学生の頃に図書館司書さんにオススメしてもらった本です。
    大学生になった今、もう一度読んでみました。

    名前がコンプレックスのダイアナ(大穴)と、そのダイアナに憧れる彩子ちゃん、ダイアナのお母さんのティアラ、ダイアナに好意をもっている武田君、隣々堂の店長の田所さん、「秘密の森のダイアナ」の作者はっとりけいいち など登場人物の感情が鮮明に伝わってきて、とても良かった。
    ダイアナ、彩子ちゃん、ティアラの気持ち 場面場面で共感しながら読むことが出来ました。

    中学生の時と大学生の今 いつ読んでもいいなと思える作品。
    改めて読んで良かったです。

  • 好きな本です。
    小学生から大人になるまでの二人の少女の話しです。


    ダイアナのお母さんがもっと、話をしてくれてたら。もっとダイアナは生きやすかったのに。
    早稲田大学のサークル事件、被害にあった子は、遊びなれていない子ばかりで酷い事件でした。きっと風化させない為には必要な本だと思います。綾子の事として入試が終わったら読んで下さい。(高校生の皆様へ)

    傷ついて、うずくまって我が身を抱き締め震えていた子が、立ち上がり一歩を踏み出す姿は、感動すら覚えます。





  • 全く境遇や性格が違う女の子2人が、お互いを憧れ合って、どこかすれ違ってしまう。そんな物語やった!笑。読んでて、お互いが思っている胸の内をお互いに教えてあげたいと思ってしまった。
    個人的にダイアナが好きやった笑。あとオカンのティアラもええ味だしとる。この作者の他の作品も読んでみたくなった。

  • 読みやすかった!
    主人公のダイアナ、彩子の2人の目線で交互に書かれていて面白い。
    初めの設定(大穴でダイアナと読む)ダイアナが、クラスで人気者の彩子と仲良くなり、家庭環境の違いやそこからくるコンプレックス等からすれ違い、大人になっていくまでの物語。
    彩子の大学時代はなかなか劇的なもので、少し共感や感動もあった。
    この作者の他の作品も読んでみたい。

  • "うちはうちじゃん。オンリーワンじゃん。"

    "どうしてあんたたちは、山の上女学園でうまくやれない人間は、負け組だって決めつけんだよ。あんな小さな世界の優劣で、なんでその人の人生が決まるんだよ。ものすごく狭い世界だよ。"

    "親を困らせたり、誰かを傷つけたりしたいわけではない。でも、大人が眉をひそめるような悪いことをほんの少しだけこの体に取り込みたい。"

    "母もまた、自分のように「ここではないどこか」を必死に夢見たことがあったのだろうか。恵まれた家に生まれたからといって、自分に与えられた環境に満足できるわけではないのかもしれない。"

    "あの子にはさ、はしっこい目と頭と頑丈な足で、自分を信じて生きていって欲しいんだ。誰かに何かを与えてもらうのを待つんじゃなく、欲しいものは自分で掴んで欲しいんだ"

    "本のヒロインに自分を重ねるより、自分がヒロインになりたくなったんだ。だってこの世界にはすげえ面白いことがいっぱいあんだもん"

    〈人生には、待つということがよくあるものです。自分の希望どおりにまっしぐらに進める人はもちろんしあわせだと思いますが、たとえ希望どおりに進めなくても、自分にあたえられた環境のなかでせいいっぱい努力すれば、道はおのずからひらかれるものです。こういう人たちは、順調なコースにのった人たちよりも、人間としての厚みも幅もますように、わたしには思えるのです〉


    人は自分にないものを持っている人に強く憧れる。そして嫉妬する。本当はただ羨ましいだけなのに。

    「名前のせいだ」「親のせいだ」と何かに責任を押し付けるのは簡単だ。そうでもしないと心が持たないから。
    でも、自分自身で切り開く力を持てば、未来はどんな風にでも変えられる。

    大好きな作品。また何度も読みたい。

  • 数年前に買ったものを再読。
    やはり柚木麻子は面白いなぁ。

    両想い(同性だからこその、10代のドキドキワクワクするような両想いってあるよね)でグッと距離が近づいてからの、環境や考え方の違いによるすれ違い。
    2人とも、それぞれ魅力的で、それぞれ未熟。

    それぞれきちんと挫折を経験して、大人になって、22歳でまた巡りあう。

    わかりやすい毒親とか、ご都合主義の悪者が出てこないのが良い。みんなそれぞれに葛藤しているし、弱さも甘さもリアルで。

    彩子とダイアナ、それぞれに魅力があるのに自分に持ってないものばかりが見えて、憧れてしまう感じ。だからこそ惹かれ合う感じ。若さならではで、まぶしい。
    10代から大学くらいまでの揺らぐ時期、他人の価値観に踊らされずに生きることってやはり難しいんだよな。
    もうすぐ生まれる娘が、彩子みたいにあやしいサークルに入って危ない目にあったらどうしよう…って親目線で思っちゃったけど、監視することもできないし、自分で経験して選択して良いと思うことをしてもらうしかない。信じて見守ることしかできない。
    前回読んだ時はそんなこと思わなかったけど、今回はまた違った視点で読めた。

    ところどころ、海外文学の香りというか、昔読んだ赤毛のアンの雰囲気を思い出して懐かしかった。ギルバートとかいたなぁ。ダイアナの「はしばみ色の瞳」って表現とか、外国の児童文学っぽくてグッときますね。

  • とっても面白くてグングン読めた。何気ないことが書かれているようで一文一文が後々の展開に欠かせないくらい細かい構成になってる。待つ時間が長いけど自分に与えられた環境の中で精一杯がんばることや、自分出かけている呪いは自分で解かなきゃいけないといったシーンが印象に残った。

  • 【読み終わって感じたこと】
    とても面白くて読みやすかった。ダイアナも彩子も、これからもきっと変わらず、自分の力で前向きに生きていくことができるだろうと思えて、暖かい気持ちになった。

    【印象に残ったシーン】
    「ダイアナです。私の名前はダイアナです!」と大声で父親に伝えるシーン。自分の名前を恥ずかしがるのではなく、自分と父親を繋ぐものとして言葉にした。その瞬間から、彼女は自分の名前を好きになれたのだと思った。

    【好きなセリフ】
    「今度はあなたが呪いを解く番なんじゃないの?私は自分で解いたよ。ちゃんと見せてよ。あなたが自分を解き放つところを、私にちゃんと見せてよ」
    彩子もダイアナも、自分を縛り、互いを羨んでいた。だけど2人は、自分自身を受け入れることにしたのだ。その大きな成長が感じられたシーンだった。

    【こういう人におすすめ】
    ・柚木麻子さんの作品が好きな人
    ・暖かい気持ちになりたい人

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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