それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101204963

感想・レビュー・書評

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  • 歴史について興味を持った!

  • ルソーの述べた真理にこういうのがある。
    戦争は国家と国家の関係において、主権や社会契約に対する攻撃、つまり、敵対する国家の憲法に対する攻撃という形をとる。
    戦争というのは、ある国の常備兵が三割ぐらい殺傷された時点で都合良く終わってくれるものでもない。また、相手国の王様が降参したからおわるものではない。戦争の最終的な目的というのは、相手国の土地を奪ったり、相手国の兵隊を自らの軍隊に編入したりする次元のものではない。相手国が最も大切だと思っている社会の基本秩序、これに変容を迫るものこそが戦争だ、といっている。相手国の社会の基本を成り立たせる秩序=憲法にまで手を突っ込んでそれを書き換えるのが戦争だと。第二次世界大戦の終結にあたっては、敗北したドイツや日本などの憲法に英米流の議会民主主義の方向に書き換えられることになった。日本国憲法は別にアメリカが、理想主義に燃えていたから作ったのではない。結局、どの国が勝利者としてやってきても、勝利した国が、敗れた国の憲法を書き換えるという事態が起こったはずなのだ。
    私たちにはいつも全ての情報が与えられているわけではない。けれども、与えられた情報のなかで必死に過去の事例を広い範囲で思い出して最も適切な事例を探し出し、歴史を選択して用いることができるようにしたい。歴史を学ぶこと、考えてゆくことは、私たちがこれからどのように生きて、何を選択してゆくのか、その最も大きな力となるのではないか。
    はじめはわかりやすかったが、段々と大学の教授って感じの講義になってしまったのが残念。序章から、日清日露までがいい。あとは、退屈だった。

  • 読んでおいて損はない

著者プロフィール

東京大学大学院人文社会系研究科教授

「2023年 『「戦前歴史学」のアリーナ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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