- Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101213316
感想・レビュー・書評
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どうしても語り継ぎたい人がいる
どうしてもこれたけは遺しておきたい思いがある
土屋嘉男 さんの黒澤明さんへの
熱い思いが綴られている
同じ時代を生きてきた
同じ映画史の現場を共有した
同じ思いを共に抱いた
その人ならではの
興味深いエピソードと
達者な筆力で
最後まで楽しませてもらえました詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
黒澤明と著者(土屋嘉男)との仕事,プライベートを通じての濃い付き合いが楽しめる。特に白黒時代の名作のエピソードがファンにはたまらないであろう。
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エピソードがとてもいきいきしていて、黒沢監督の人となりがよく伝わってくる。『七人の侍』の撮影時の話も多く、見たことがある人は楽しめると思う。
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著者の土屋嘉男さんは、いはゆる「黒澤組」の名バイプレイヤーと呼ばれる俳優です。
黒澤監督の自宅に居候した経験さへあるさうですから、おそらく公私とも、最も行動を共にした一人でせう。土屋氏しか知らないであらう話が盛り沢山であります。うーん、さすがに黒澤監督、天皇と呼ばれただけありますね。その専横ぶりはすさまじい。
同じく黒澤映画の常連役者、たとへば志村喬さんや三船敏郎さんの知られざる一面も描かれてゐて面白い。土屋氏によると、三船敏郎の酒癖の悪さは相当酷い。草彅剛さんなどは、かはいいものです。
ところで、実をいふと私は黒澤映画の良い鑑賞者ではありません。
では、なぜ本書をとりあげるのか。
唐突ですが、昨日俳優の中丸忠雄さんの訃報に接し、涙してをりました(少しおほげさ)。
俳優が亡くなると、生前出演してゐた映画をDVDソフトなどで「追悼上映」する習慣が私にはあります。
中丸氏の場合、『独立愚連隊』でも良いのですが、ここはやはり『電送人間』だな、といふことで観てゐたわけです。
DVDには中丸氏本人のオーディオコメンタリーが特典として付されてゐて、それによると『ガス人間第1号』にも出演依頼があつたとか。
しかしそれを断つてしまひ、結果土屋嘉男氏がガス人間になつたといふことですな。
つまり土屋嘉男さんは私の大好きな役者の一人なので、ここに本書を紹介するわけであります。まことに短絡的と申せませう。
とはいへ、この『クロサワさーん!』は面白い。土屋嘉男さんの文章も上手いです。映画好きの人にはおすすめなのです。
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