- Amazon.co.jp ・本 (666ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101214337
感想・レビュー・書評
-
古代エジプト、19世紀の遺跡発掘、現代、そして未来を繋げる壮大なファンタジー小説。
理工系大学院生という肩書きでデビューした筆者が、おそらく様々な批評を受ける中で、小説論を追求してみた実験的な要素もあるようだ。
物語の構造が複雑で、半分くらいまでは読むスピードが上がらないが、後半にかけて一気にスピード感が増す。
が、やはり情景描写は、著者のイメージが高度すぎて、文章では伝わりにくかったように思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アカデミック+SF+ファンタジー。
読むのは2回目です。
ここ2か月くらいのあいだに、国立科学博物館に行ったり、トリノ・エジプト展に行ったりして、なんとなくこの本のことを思い出し、本棚から取り出した次第です。
小学6年生のトオルが足を踏み入たのは、博物館の博物館、「The Museum」。
そこから始まる冒険は、理系作家・SF作家として活躍する瀬名さんならではの世界で繰り広げられます。
博物館の責任者である満月博士の言葉が印象に残りました。
―そう、この世にあるすべての物語は、いってみればミュージアムなんだ。 -
***** 図書館抄録 ***** 20年前の夏の午後、ふと足を踏み入れた洋館で出会った不思議な少女・美宇。黒猫、博識の英国人紳士。その奇妙な洋館の扉からトオルは時空を超えて、「物語」の謎をひも解く壮大な冒険へと走り出した−。 *******************現代の世界・作家自身、20年前の世界・小学6年生の少年亨(トオル)、1859年エジプトの世界・オーギュスト・マリエット。>なぜ物語には始まりと終わりがあるのだろう。3つの時代を行きつ戻りつしながら、物語はながれていゆく。小学生最後の夏休みの午後。友達と過ごす時間、宿題、登校日、教室、プール、図書室。エラリー・クイーン、映画「ナイル殺人事件」、ドラえもん。なにもかもが、私にとっても懐かしい世界。思わず私も、瀬名氏と「同調」してしまいそう。ノスタルジックな部分だけではなく、アカデミックでSFでファンタジーで冒険もあり、てんこ盛りに楽しめた。現代の作家自身の部分で、盛り上がった気持ちがダレテしまったり、場面転換が急で、気持ちが繋がらなかったりする箇所が多かったのはちょっと残念。些か物語が複雑だったので、暑い夏の日にまたゆっくり読み返してみたいと思った。たなぞう「すずめ」さんのご紹介本。ありがとうございました。
-
2010 1/24 読了。友人に借りて読んだ。
中盤、Museumに関しての蘊蓄や描写、「見せ方」の話のあたりや啓太との確執部分が非常に面白かった。
アピスが出てきてからはあまり物語に入り込めなくなった・・・なんでだろう? -
瀬名氏って、こういう本も書くのか〜
なかなか面白かった。