八月の博物館

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 211
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (666ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101214337

感想・レビュー・書評

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  • 古代エジプト、19世紀の遺跡発掘、現代、そして未来を繋げる壮大なファンタジー小説。
    理工系大学院生という肩書きでデビューした筆者が、おそらく様々な批評を受ける中で、小説論を追求してみた実験的な要素もあるようだ。
    物語の構造が複雑で、半分くらいまでは読むスピードが上がらないが、後半にかけて一気にスピード感が増す。
    が、やはり情景描写は、著者のイメージが高度すぎて、文章では伝わりにくかったように思う。

  • アカデミック+SF+ファンタジー。
    読むのは2回目です。
    ここ2か月くらいのあいだに、国立科学博物館に行ったり、トリノ・エジプト展に行ったりして、なんとなくこの本のことを思い出し、本棚から取り出した次第です。

    小学6年生のトオルが足を踏み入たのは、博物館の博物館、「The Museum」。
    そこから始まる冒険は、理系作家・SF作家として活躍する瀬名さんならではの世界で繰り広げられます。

    博物館の責任者である満月博士の言葉が印象に残りました。

    ―そう、この世にあるすべての物語は、いってみればミュージアムなんだ。

  •   *****  図書館抄録  ***** 20年前の夏の午後、ふと足を踏み入れた洋館で出会った不思議な少女・美宇。黒猫、博識の英国人紳士。その奇妙な洋館の扉からトオルは時空を超えて、「物語」の謎をひも解く壮大な冒険へと走り出した−。   *******************現代の世界・作家自身、20年前の世界・小学6年生の少年亨(トオル)、1859年エジプトの世界・オーギュスト・マリエット。>なぜ物語には始まりと終わりがあるのだろう。3つの時代を行きつ戻りつしながら、物語はながれていゆく。小学生最後の夏休みの午後。友達と過ごす時間、宿題、登校日、教室、プール、図書室。エラリー・クイーン、映画「ナイル殺人事件」、ドラえもん。なにもかもが、私にとっても懐かしい世界。思わず私も、瀬名氏と「同調」してしまいそう。ノスタルジックな部分だけではなく、アカデミックでSFでファンタジーで冒険もあり、てんこ盛りに楽しめた。現代の作家自身の部分で、盛り上がった気持ちがダレテしまったり、場面転換が急で、気持ちが繋がらなかったりする箇所が多かったのはちょっと残念。些か物語が複雑だったので、暑い夏の日にまたゆっくり読み返してみたいと思った。たなぞう「すずめ」さんのご紹介本。ありがとうございました。

  • 2010 1/24 読了。友人に借りて読んだ。

    中盤、Museumに関しての蘊蓄や描写、「見せ方」の話のあたりや啓太との確執部分が非常に面白かった。
    アピスが出てきてからはあまり物語に入り込めなくなった・・・なんでだろう?

  • 瀬名氏って、こういう本も書くのか〜
    なかなか面白かった。

著者プロフィール

1968年、静岡県生まれ。東北大学大学院薬学研究科(博士課程)在学中の95年『パラサイト・イヴ』で日本ホラー小説大賞を受賞し、作家デビュー。
小説の著作に、第19回日本SF大賞受賞作『BRAIN VALLEY』、『八月の博物館』『デカルトの密室』などがある。
他の著書に『大空の夢と大地の旅』、『パンデミックとたたかう』(押谷仁との共著)、『インフルエンザ21世紀』(鈴木康夫監修)など多数ある。

「2010年 『未来への周遊券』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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