六番目の小夜子 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101234137

感想・レビュー・書評

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  • 恩田陸さんのデビュー作を遂に!読んでしまいました。
    恩田さんらしいワールドが展開されていて、とっても面白かったです。
    面白かった、と言うのは間違いですね。怖かったです、とても。

    学生の間での話はとてもリアル味があり、親近感が湧いてきます。そんな中で、サヨコ伝説の話が入ってくる。
    捨てられた猫が拾われて、新しい飼い主にやっと懐いたところで、その飼い主は猫を捨てる。その時の猫の気持ちに近いような、安心してるとすぐに突き放されてしまう怖さがずっと心の隅に居座っていました。

    特に印象深かったのは、学園祭での芝居です。読むことに、あんなに臨場感と緊張感で張り裂けそうな気持ちになったのは初めてでした。怖い、怖い、って思っているのに、先へ、先へ、読み続けてしまう。これが、人間の好奇心であり、本能なんでしょうね。

    また、岡田 幸四郎さんの解説では、そんな繋がりがあるのか!と驚きの反面、納得してしまいました。
    本書を読んだ方は是非、岡田さんの解説まで、『六番目の小夜子』を感じて欲しい、という私の願望でした。

  • ちょっとよくわかんなかったなぁ。世界観的にすきだぁらこそ結末はしっかり終わってほしい

  • すごく凝った設定のように思えて、ただ純粋な推理小説であり青春小説

  • 再読。NHKドラマの印象が強いけれど、やはり文章だと筆者の特徴である刹那的な美しさが感じられて良い。こんなにも十代の一瞬のきらめきをつかまえて上手に描ける方は、他にいないんじゃないかとさえ思う。

  • おもしろかった!!!
    学園祭で行われた1296名による「呼びかけ」スタイルの劇の下りはもうゾワゾワするくらいの臨場感。
    いやぁ、よかった。もう一度読もう。

  • この本を読んでいると、本当に怖いものが何なのか、考えさせられます。
    文章中の字体の変化や同じ言葉の羅列で、読者側の恐怖やドキドキを味わい煽るのが上手いなと思いました。

  • 怖い話ではなくいかにも「青春!」な学園物だった。 まぁ良かったけどね。 思ってたのと違うため、どこか疑ったり深読みしながら進んでいったが、結局綺麗なだけで普通の女の子でした。最初と最後の桜目線の語りで、あぁこれからも続いていくのかぁ脈々と。と、少しニンマリ。

  • なんとなくハッキリした部分とスッキリしない部分があって、どちらかというとモヤモヤ感が残ったかな。ゾッとしたり、拍子抜けしたり、ほのぼのしたり、高校生気分になったり、楽しめた。

  • 学生時代に読む印象と先生の年齢になって読む印象は違うだろうなぁ、という一冊。

    『みんながクラスに馴染み、クラスがまとまりを見せるまでの居心地の悪さと緊張が嫌だった。』

    『よく考えると別につらいことでもないんだよな。ただみんなが寄ってたかってつらいぞみじめだぞとおどかすから、ものすごくおっかないことのように思えるだけでさ。これって不思議だよなあ』

    『学校いうのは回っているコマのようなものだな。
    …コマはずっと一つのコマだけど、ヒモを持つ人間、叩く人間がどんどん変わっていくわけだな。オレは…いさめたり、ハッパかけたりする役なんだわな。』

    学生にとっては一生に一回、必ず過ぎ行く月日だが、教師はその青春時代というものをどういう風にみているのだろうか。。
    自分たちはイタい行動しても周りも同年代だし、若気の至りで済まそうとするけれど
    違う次元の大人にとってこの行動は…とか考えるともの凄く恥ずかしくて頭を抱えたくもなる。。

    分かりやすい、キラキラした青春小説ではないけれど、ある意味でその時を正確に捉えている小説だなぁ、というのが二度読みした感想でした。

    解説岡田幸四郎氏もいくつか引用しつつ、もっと深いところまで触れいるので読み応えのある解説。。

    • solala06さん
      私が恩田ワールドにはまったキッカケの一つであるドラマ版「六番目の小夜子」・・・。
      ぜひ観てほしいです・・・。
      女優デビューしたばかりの時...
      私が恩田ワールドにはまったキッカケの一つであるドラマ版「六番目の小夜子」・・・。
      ぜひ観てほしいです・・・。
      女優デビューしたばかりの時期の栗山千明さんと山田孝之氏の美少年時代が拝めます・・・そういった意味でも貴重な映像作品です・・・笑。
      舞台が中学校になっているのや、ドラマオリジナルキャラクターの女の子が主人公だったりと、設定が違う部分も多々あるのですが、原作のミステリアスでありながら青春してる雰囲気は寸分も違わず映像化している作品です!!
      裏切りに次ぐ裏切り・・・謎に次ぐ謎で、非常に見応えがあると思います!!

      やっぱり恩田先生の真骨頂は「日常のふとしたところで口を開いている向こう側の世界」だと思いますので・・・。
      本作も、それは変わりないですよね!
      黒川先生もそういった存在なのかもしれませんよね・・・。

      よしながふみさんの漫画ですね、f0314087さんは漫画にも造詣が深くいらっしゃって・・・教えていただく作品ばかりです!
      なんだか終わり方爽やかめで、キラキラしいところがあるんですよね・・・。
      その点、『球形の季節』、『蛇行する川のほとり』はキラキラしさ少なめっていうか・・・。
      『ネバーランド』や『夜のピクニック』はキラキラしたまま終わるというか・・・。
      (すみません、恩田作品フリークなので、すぐに比較してしまいます・・・)
      2016/06/12
  • 続きが気になって、一気に読み進めてしまいました。
    ラストは、恩田先生の作品らしさがありました。

    ただ、私がやはり好きなのは文章です。
    高校生という一度しかない、貴重な時期に感じる、感じていた気持ちを比喩的のようであり、分かりやすい文章で表現されていると思います。
    だから、私は高校生が主人公の恩田先生の作品を読むと、自分が主人公と同じ高校にいて同じことを経験しているような気持ちになります。
    過ごしている時間の大切さに気づくような気がします。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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