- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101234168
感想・レビュー・書評
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短編が10篇。どれもページ数が短くサクサク読める。
小夜子の番外編が目当てだったけれど、他の作品も楽しめた。
恩田作品はわたしには合う合わないの差がすごくあって、学園モノ以外はあまり合わない方だけど、この本の10篇はどれも面白い。
年代記を凝縮したという「オデュッセイア」。
SFというよりファンタジー風味で好きです。
ヴィジュアル的にはどうしても某動く城を思い浮かべてしまうけれど(苦笑)
あとは、「夜のピクニック」の前日譚。うまく本編へ煽ってくれた感じ。
もちろん、このあと「夜のピクニック」を読む予定。 -
なんとなく もわっとして…確かに恩田ワールドな短編でした。六番目の小夜子や夜のピクニックとリンクしてる所もなんか?良かった。
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私が初めて読んだ恩田作品。短編集で他の作品の番外編みたいな話も入っているので、本編を読んでから改めて再読したい。
…と思いつつも、多くの恩田作品を読んだ今になってもまだ再読できていなかったりする。 -
短編10編を集めた本ですが、他の長編作品のスピン・オフを多く含んでいます。
「睡蓮」は、『麦の海に沈む果実』(講談社)に登場する水野理瀬の幼年時代を描いたもの。「ピクニックの準備」は、『夜のピクニック』(新潮文庫)の予告編。「図書室の海」は、『六番目の小夜子』(新潮文庫)の番外編になっています。また、「イサオ・オサリヴァンを捜して」は、大長編SF『グリーンスリーブス』の予告編ということですが、本編はまだ刊行されておらず、もう一つのスピン・オフ作品である『夜の底は柔らかな幻』上下巻(文芸春秋)が先に刊行されています。
卒業の季節に何度もくり返し出会うニ人を描いた「春よ、こい」と、旅する城塞都市ココロコを描いた「オデュッセイア」が、とくに印象的でした。喫茶店で、客に出すコーヒーに砒素を入れ続けていたマスターとウェイトレスについての物語である「国境の南」は、幻想色が濃厚に立ち込めたサスペンス小説で、いかにも著者らしい作品だと感じました。この著者は、短編のほうがずっと作品が多いような気がします。 -
これも短編集の中では当たりだと思う。
全部の短編の続きが気になる一冊! -
ある地方に伝わる奇妙なゲーム。秘密裏にゲームを引き継ぐ“サヨコ”のほかに、鍵を渡すだけのサヨコがいた―。もうひとつの小夜子の物語「図書室の海」ほか、あるウエイトレスの殺意と孤独を描くぞくっとする話、記憶を刺激する懐かしくも切ない物語、異色SFと、様々な物語を次々と紡ぎ出す恩田陸の世界を堪能できる1冊。
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恩田陸さんの短編集です。 当時10代前半だったわたしには少し難しい本でしたが、相変わらずの不思議ワールドは大好きです。
理瀬シリーズに関連した 睡蓮 が収録されていて、理瀬シリーズファンの方は是非! -
怖くもあり、どこか懐かしくもある。
恩田陸のミステリー短編集。
「図書館の海」(六番目の小夜子」の番外編)、
「ある映画の記憶」(映画のシーンから導き出される過去の真実)、
「オデュッセイア」(意識があり、動く陸地)など10話 収録。
恩田さんすきだなあ。
鳥肌が立ちそうなくらい恐ろしいシーンもあれば、
ほっこりとした気持ちにさせたり、最後にはしっかりまとめたりと
読者を楽しませるのが上手。 -
よく分からないのもあったけど、読んでいて引き込まれる作品ばかりだった。個人的には図書室の海がお気に入り。主人公は、私は主人公になれない人生なんだよねってカッコつけてるけど、自分からしたらめちゃくちゃ羨ましい青春送ってるように見えた。
中学高校時代を思い出して、心が締め付けられる感じを思い出させてくれる。
懐かしさだけが、僕たちの存在を証明する手がかりなのだから