中庭の出来事 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 319
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  • Amazon.co.jp ・本 (522ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101234199

感想・レビュー・書評

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  • 2010/06/21

    何度も言うけど
    恩田陸は、読んでる最中がおもしろい。
    次どうなるの、どうなるの・・・!ってなってどんどん読んで、
    あれ、これで終わりかあって拍子抜け。
    でも読んでる最中はすごくすごくおもしろいから買ってしまう。


    女優、演劇、中庭、舞台、劇中劇、劇中劇中劇・・・
    演じるということ。現実と舞台。
    嘘の臭い、真実の中にひとつだけ混ぜられた嘘、
    誰もが皆『自分』を演じている。


    真新しいテーマではないのだけど、
    入り組んで複雑で行ったりきたりする感じはかなり好みだった。

    やっぱり「おもしろかったー!」とはならないんだけど。
    でもまた買っちゃうんだろうな。

  • こんなに複雑な本は初めてかもしれない。読んでいるシーンが、劇内なのか、本当のことなのか最後までわからないで読んでいた。3シーンあって、それが組み合わさって、最後にやっと正しく組み合わさったストーリーがわかる。だから、本当の殺人なのか劇内の殺人なのか最後の最後までわからなかった。結局、劇内の殺人で、本当のことではない。脚本家が友人に、今書いている作品の感想、意見を聞くために、わざわざ俳優軍を使い、劇を演じさせていた。まったくもって複雑だった。

  • パーティ会場で起こった殺人事件。被害者である脚本家の作品を容疑者である三人の主演女優に演じさせる…という設定の舞台と現実等三視点からなる話。
    途中から中だるみしてしまうところもあったが女優たちの舞台への執着心が見られた。「チョコレートコスモス」でも女優というのは華やかに見えるがこんなにぎらついているのだろうかとちょっと思ってしまう。充分面白いから問題はないが。

  • ここぞとばかりに絡めて絡めて絡めて、絡まったネックレスをとるのが好きな人にはたまらん一作。

    話が複雑すぎて、解説書いた小田島雄志さんも、色ペン使って読んだってゆーもんね。

    なのにさあ、最後のその言葉!痺れます。

    心残り。舞台の外観が全くといっていいほど浮かばない。え、リアル。だって森と彼岸花は難しい。
    パンにパンって書いてあるのとは違って、すごく難しい。


    ファウストの背表紙から目を背けながら。

  • 三分の一くらいで挫折
    無念❗️

  • 現実世界の事件と、劇中の事件と、どちらも真相が知りたい・・・と思いつつ、その真相というのが、私の納得のいくものでなかったら、真相が明かされないままであったら、がっかりだなあという不安を抱えながら読んだ。
    この、不安が、作中の刑事さんと同じ心境であるということを、3人の女優に責められるような形でラストを迎え、読み終えて、正直な感想が、負けた~という感じ。
    もう一度最初から読み返して、ちゃんと自分で謎解きしてみたいと思うけど、初見で読んだこの、最後の最後まで振り回されて、追いつけないまま、そんな繋がり方で完結かあ~やられた~。っていう疾走的なミステリの楽しさが一番いいんだろうなと思った。
    恩田陸の、現実感の中にある、許される程度のファンタジー要素のバランスが最高。

  • 劇中劇のような構成というのか、入り組んだ作り方が面白かった。女優が本人を演じる、というのも複雑で、どこまでが本当でどこから演技なのか考えさせられ、たまに頭がこんがらがった。
    ミステリとしては、どこかすっきりしない(色々な可能性が示唆されるので)が、実験的なだけではない魅力がある。
    軽そうに見えて、ずっしり食べ応えがあるパンを食べた時のような読後感。(満足感があるが、ちょっと胃もたれ気味という感じ)

  • なんだこれは!何回迷子になったのやら。難しい構造でした。入れ子人形?劇中劇?完全に理解できた人はいるのでしょうか。
    何が現実と何が芝居なのかまったくわからないところがありましたが最後はなんだか少し収まりがつきました。だけどそれでもわかならい箇所はあります。結局は全部が繋がっており芝居だった、ということでいいのかなって思います。
    うーん、やっぱりよくわかりませんね。

  • 芝居と現実が入り混じって迷路に迷い込んだ気分になる。恩田さんの作品独特の読み終わった後の余韻を楽しめる。

  • これは完全に理解するのは無理だと途中で思ったので、ごちゃごちゃ考えるのは止めにしてひたすら目の前の物語の観客に徹した。女優たちの術中に嵌まって現実と虚構の間に取り残される感覚。

    恩田さんの作品は登場人物がいちいち核心を突いた事を語っていて、はっとさせられるからやめられない。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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