一瞬の夏(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235028

感想・レビュー・書評

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  • 強打をうたわれた元東洋ミドル級王者カシアス内藤。

    当時駆けだしのルポライターだった『私』は、カシアス内藤の選手生命の無残な終りを見た。

    そのカシアス内藤が、四年ぶりに再起する。再び栄光を夢みる元チャンピオン・カシアス内藤、手を貸す老トレーナー・エディ・タウンゼント、見守る若きカメラマン・利朗、そしてプロモーターとして関わる『私』。

    一度は挫折した悲運のボクサーのカムバックに、男たちは夢を託す。

    淡々と進んでいく、物語。
    ドキュメンタリーだからだろうか…

    カシアス内藤の再起戦はどうなるのか…

  • かなりの長編だったけど飽きずに読めた。もの凄くドラマティックな展開と言うのでは無く、自分の印象としては淡々と物語が進む印象だったけど悲哀とかうらぶれた感じがアクセントになっていて印象深い一冊たった。
    つくづく思うのは、ボクサーと言う職業はスポットライトを浴びているのはほんの一握りでほとんどは内藤のような底辺でギリギリやっているような人たちが多数なんだろうな。

  •  

  • レビューは下巻のほうに。

  • ボクサー、カシアス内藤の復活をめぐるドキュメンタリー。ドキュメンタリーなのだが、小説かと錯覚させるなめらかな展開で、全く押し付けがましくない。

    実のところ、この前半部の途中までは、架空の話だとばっかり思って読んでいた(紹介などは読まずに読み始める質なので)し、小説にしてもなかなか良く出来た話ではないかと思う。

    カシアス内藤の復活のために尽力する作者が、カシアスの名前の由来にもなった、モハメド・アリの復活戦を見にアメリカへ渡る。このへんが小説なら「なんでよ?」となるわけで、そこで調べてドキュメントだとわかったわけです。

    全体に、ボクシングと関係のない部分が語られることが多く、やきもきしたり、逆にホッとしたりする。アメリカに渡ってからも、割とどうでもいい話がたくさん書かれる。

    しかし、最終的にダメだったんじゃないのかな?というのが透けて見えてくるので、長く引っ張られるのは、救いが有るのではないのかな?と思われる。

  • ボクシング元東洋王者カシアス・内藤を追ったノンフィクション、というより共に戦った沢木の回想録かな。ボクシング好きだから普通に楽しめた。

  • 今のところ、上巻だけ読みました。
    アリスの「チャンピオン」のモデルとなったボクサーの実録。
    展開が実に気になります。

著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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