黄色い目の魚 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101237343

感想・レビュー・書評

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  • この間、サマータイムを読んでキラキラしてた佐藤多佳子さん、2冊目です。

    初めの章で「悟」の独白からはじまる。悟の視点で、悟の感覚、感触がずっと綴られていて、冒頭から悟に引き込まれていきます。

    と思ったら、次の章。全く違う話になって、今度は「みのり」の視点で話しが展開される。あれ?短編集だったっけ?と混乱するけど、3番目の章できちんと絡み合ってきて安心する。

    「みのり」も「みのり」の視点で、どんな思いを胸に秘めて生きてきたかが、自分のセリフで紹介されていくので、「みのり」の心にもすぐに引き込まれていきます。

    2人とも絵を描く父と叔父に強い影響を受けて育ちます。そして、2人とも絵に対する感性がとても強い。

    絵を通して気持ちが通じ合う2人だけど、恋人にはならないんじゃないか…と思いきや、やっぱりそこは。惹かれない訳がないですよね。そこに悟の憧れの大人の女性、似鳥ちゃんが。大人の女性ってズルいですね。

    真剣で真っ直ぐな2人の気持ちにこそばゆいような、応援したいような、そんな気持ちになりました。やっぱり、キラキラしてますね。

  • 我が身に過ぎてきた青春時代とまた違った感覚で、不器用に生きる若者に感情移入しながら読むことができる、テンポの良い青春小説。

    20代の多感な時代に読めばまた感想も違うものだったかもしれないが、40のおばさんには少し遠い世界に感じた(^_^;)



    というか、私が青春小説が苦手なだけで、皆さんの評価をみると素晴らしい作品なのだろうなぁと思う。やっぱり私はミステリーが好きだな。。

  • 読むのが遅すぎたんだろうなあ。
    まあ、青春小説、という人はいるけれど、そうして、その通りなのだろうけれど、読後の印象を一言でいうと、面倒くさいなあ、でありました。
    まあ、その面倒くささが青春とか思春期とか、そういうものだったのだろうなあ、と俯瞰的にみている自分にちょっとうんざり。これも仕方ないことなのでしょう。
    一章ごとに視点が変わる構成は面白い。そして、視点が一章ごとに近づいていき、最後の一服の涼風とも呼べるような結末となるのも見事。なんだけれども……
    なんだかいろいろと面倒くさい。環境も、時の流れも、いろんなことが。
    読み返すかなあ?ちょっと時間をおいて読み返すと違う感想を持つんだろうなあ。でも、どうかな、読み返すかなあ?
    という、☆3つ。

  • 思春期の悩みや、不安・・・不器用だけどそういったことに真っすぐに向き合っていく、みのりと木島。
    2人のゆっくりと通じ合っていく距離感がいいな~と思った。

    高校の頃に読んでいたら もっと共感できたのかも・・

  • 読みやすい。リズムが合うのです。中身はチト幼稚。少年少女向き。純愛小説

  • 高校の同級生二人が主人公のちょっとせつない、でも最後はほのぼのと前向きになれる物語。
    少しずつ前に進んでいくような構成と読みやすい文章が良い。

  • 優しい目だけど、どこか痛むような目で笑う似鳥ちゃんに憧れの気持ちがある、!そこそこ好きだったかもしれないこの話 。
    「本当に大事なことを口に出したりする時は、いつだって苦しい。」

  •  登場人物は主役の男女高校生を含め、キャラがいい。途中まで面白く読んだのだが、途中で男子高校生がある女性と関係を持ってしまうくだりで興ざめしてしまった。

  • この間の旅行に持って出たのだけど、景色を眺めるのに忙しく、殆ど手つかずで帰ってきた。
    仕事に戻ったいつもの日常で仕切り直し、通勤の往復で改めて読み進む。

    ボーイミーツガールのお話なのだけど、ふたりとも結構面倒臭い子なんだな、これが。
    『屈折しているのに恐ろしくまっすぐ。静かなのに激しい。閉ざされているのに開けている』
    自分のことをどう表現して良いか分からず、感情のままに行動し、周りの手に余る…。
    そんな子同士、お互いが気になって、少しずつ近づいていく過程の中で些細なことに揺れ動く心の動きは、読み進めば何となく切ない。
    ただ彼らの心情に深く寄り添えるかどうかは、解説の角田光代が書いているように、周囲も含めて彼らを好きになれるかどうかなのだろう。
    私は悟の父親やみのりの叔父のような人はどうにも好きになれず、どちらかと言えば悟の母親に近い感覚だし、悟やみのりに対しても、気持ちは分からないではないけれどもう少し上手に振る舞えよと思うたちなので、いい話だとは思うのだけど、残念ながらどっぷり感情移入して読むことが出来なかったのでした。
     もっと若い頃に読んでたら違った感想を持ったかもしれないね。

  • なんとなく回りに溶け込めない、うまく生きていけない絵画好きの女の子。絵が上手だがサッカーに思い切り打ち込めない男の子。これから壁を乗り越えていこうとする時期の青春小説。

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。1989年、「サマータイムで」月刊MOE童話大賞を受賞しデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で98年、産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、99年に路傍の石文学賞を受賞。ほかの著書に『しゃべれども しゃべれども』『神様がくれた指』『黄色い目の魚』日本代表リレーチームを描くノンフィクション『夏から夏へ』などがある。http://www009.upp.sonet.ne.jp/umigarasuto/

「2009年 『一瞬の風になれ 第三部 -ドン-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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