東の海神(わだつみ) 西の滄海 十二国記 3 (新潮文庫)

著者 : 小野不由美

• 新潮社 (2012年12月24日発売)

感想・レビュー・書評

[yitoyaさんの感想 · 2020年7月20日]

「正義を語る者が必ずしも正義の者ではないことを忘れてはいなかったか」という言葉が印象的だった。

[hawaii0521さんの感想 · 2020年6月19日]

十二国記シリーズ第３弾。今回は雁国（えんこく）の物語。

雁国の復興が遅々として進まない雁王尚隆の治世に対して、謀反により自分が王に代わり国を治めようとするある家臣。果たして義はどちらにあるのか。

変わらずの筆致とストーリー展開で、ページを繰る手が止まらない。

なお、今回の王も第一弾同様、異世界である蓬莱（日本）で発見され、今の世界に転生してきている。また、王だけでなく、王を発見し、その後は王に仕える契約をする麒麟についてのエピソードもバランスよく盛り込まれているので、主人公が二人いるような形となっており、その点でもストーリーが倍になったような気がしてより面白さを引き立てている感じが下。

[りさんの感想 · 2020年5月4日]

最の高。

[まるさんの感想 · 2019年11月3日]

延の国造りの物語。
中央集権か地方分権か。国を治めるとはどういうことか。統治者がいない国は、結局統治者を生み出すことになる気がする。
作者が作った設定は、現実世界とは違うルールではありつつ、現代人が直面する課題がちゃんと課題として提示されるように機能してるからすごい。最初の作り込みが間違ったら、こうはいかないもんな。

[茶柱たつこさんの感想 · 2019年10月7日]

延国五百年の礎となる、延王尚隆と延麒六太の邂逅と始まりの物語。
頭領の子として育ったからこそ為政者としての役割は民のためだけにある、という尚隆と、王がいるからこそ国は亡びるという思いが拭えない六太。
同じ胎果として育ちながら、その境遇がまったく違うために複雑な感情を抱きながらも尚隆に惹かれずにはいられないのは麒麟としての性なのか。
いやでもやっぱり尚隆の人間力の魅力だろう。
飄々としながらも芯が通っている尚隆はやはり格好良いのだ。

[おむすびさんの感想 · 2019年4月15日]

尚隆に惚れそう。上に立つ人間はこうじゃなきゃ！っていう理想とはかけ離れてるかもしれない、いや、逆にこれが理想のトップなんじゃないのか？と思わせる人柄。
十二国記シリーズまだ3作目(魔性の子入れて4作目)だけど、全て違う立場から物語が始まっているのが本当に凄いと思う。だからこそ私達読者もあちらの世界の見聞が広がっている感じがする。
ファンタジー作品ではあるけど現実の鏡写しの十二国の世界、戦争も人殺しも政治の理想も腐敗も、全てこの世界と同じ事なんだよなあと思う。
麒麟の、六太の慈悲深さや思慮が愛おしいし、それによって不幸を被るのが可哀想で仕方がない。でもあなたの選んだ王は王たる資質を確かに持っているよ、大丈夫だよ、いつか終わる日が来たとしても、延国は尚隆と六太の国で幸せだと思うよ。

[ayuko.さんの感想 · 2019年1月12日]

延王と延麒のお話。

[san33さんの感想 · 2018年11月24日]

色んな人が書いてるけど、ここのペアが一番好きかも。ちょっと相手役が途中で崩れすぎな気はしますが。もうちょっと均衡してた方が現実的で面白いように思わなくもない…

[木村まろうさんの感想 · 2013年1月24日]

六太と尚隆の関係がいい。
普段は悪態をつくけれど、底の方では堅い絆でつながっていて、いざという時は、ブレない、揺らがない。
かっこいい。

[arasekinさんの感想 · 2013年1月11日]

深い、なんて深い話なんだ。素晴らしい。フィクションなのに、かえってそのことが現実世界の諸々を物語る、みたいな。
その設定が内包する矛盾を自ら問題としてストーリーが組み立てられる。それを言いたかったからわざと矛盾を孕ませたのか。
とかなんとか技巧もさることながら、単純に、おもしろいんだよねえ。

著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家　ゴーストハント（1）特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」