若き数学者のアメリカ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101248011

感想・レビュー・書評

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  • 何度目かの再読。何回読んでも良い。 若い独り身の頃に、いかに孤独に自分を作り上げる作業が大事かを知る本。 貴重なインプット体験と、偉大なるアウトプット体験が生み出した名著。

  • 国家の品格はあまり覚えていないけど、このアメリカ記録は、自分が博士を目指している身だけにとても関心を持って読みすすめられました。

    セリーヌとの一コマがハイライトでしょうか。

    経験談は読みやすいし、アメリカでの話なので生活に疲れたときにいいですね。

  • 藤原正彦さんのアメリカでの3年間の研究生活にまつわるお話。国家の品格を読んだ時にはこの人はアメリカをめっちゃこき下ろすなあと思ってたけど、アメリカでの経験から来てたなら今思えば説得力あった。

    日本の誇りを持ちつつ数学者として、教師として奮闘していく様子にはエールを送りたくなる。

    情景の描写からは、筆者の美しさを愛する心が伝わってくる。途中でさんざんアメリカをバカにするけど、だんだんアメリカにある美しさも感じ取っていた。アメリカには涙がないって途中で書いてあったけど、最後の最後に砂漠のど真ん中の道路に対して「この道は涙の道である。」って言いきってた。

    子供と一緒にフロリダの水平線の美しさを見たシーンは印象的。あと、人種の観点から教育を工夫する話、ストリークていう裸で外を歩き回るイベントに恥ずかしがりながら参加する場面、アメリカの人に対して元々開拓者達であったことから「アメリカには心の故郷がない」とか「新しいものへの好奇心」とか「個人主義的で国民性のないところが国民性」とか分析している部分も面白かった。

  • 先生がお茶目で面白かったし、日本人対アメリカの関係もなんとなくわかる気がして、ダブルで面白かった。

  • 人生における苦悩に直面した時に読むといい本。どんな凄い人でも苦労した時期はあり、時間とともに転機が訪れていい方向に向かっていくと思わせてくれる本

  • 今ではいろんな本を書いているが、エッセイストとしての原点となる作品。この本で数学者なる者の考え方、行動というものの一端を知った。今でもバリバリに活躍される氏の若き頃の作品であり、今読んでも十分に元気がもらえる。
    話のテンポも良く、読みやすい。ユーモアたっぷりの文章は読んで飽きないです。

  • 高校時代に古本屋で立ち読みした本。
    研究者はこういう生活なんだなと夢想した。

  • 「読書力」文庫百選
    5.ういういしい青春・向上心があるのは美しきことかな
    →名エッセイ

    齋藤孝著『大人のための書く全技術』40冊―17

    日本にいたら書けない物語。留学すると寂しくなったり暗くなったりするし、日々の心の揺れも大きくなる。そういうときこそ、人間はいいものが書ける。

  •  これから100年後も大国アメリカの優位性は揺るがないだろう。『100年予測』ジョージ・フリードマン著ではその理由を細かく示す。アメリカに憧れ、理想の国家像として、果てしない経済拡大路線を突き進む日本が陥る悲惨な現実。全てにおいて、豊かに見えるアメリカの苦悩を垣間見ることができる。

  • 若き日の数学者藤原正彦氏が、数学の大学教授として単身渡米し
    そこで見たこと、感じたことを「数学者」とは思えないほど瑞々しい文体で綴ったルポルタージュ。

    はっきりいって、そんじょそこらの作家によるルポよりよっぽど完成度が高いです。

    時には感情に振り回されながらも、砂漠に突如現れたラスベガス、見ず知らずの子供と見つめた砂浜に打ち寄せる波、旅の途中で出会った家族、近隣の住民や教え子や恩師たち・・。
    若さの特権を最大限活用された、透明感あふれる視線と純粋で粋な感情で全力疾走したアメリカ生活。

    優れたルポルタージュには、行ったことも聞いたことも出会ったこともない土地や人の「熱」や「匂い」が感じられるが、本書はまさに優れたルポ特有の空気が内包されている。

    最後のアメリカ、日本の高校・大学生比較論だけでも一読の価値あり。

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著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2020年 『本屋を守れ 読書とは国力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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