砂漠 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (546ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250250

感想・レビュー・書評

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  • 人生という砂漠も、なかなか悪くないと思わせてくれる伊坂小説。

    ○学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。
    そういう人生を送るなよ。


    ○その気になればね、
    砂漠に雪を降らすことだって、
    余裕でできるんですよ。

    ○俺は恵まれないことには慣れてますけどね、大学に入って、友達に恵まれましたよ。

    ○今、目の前で泣いている人を救えない人間がね、明日、世界を救えるわけがないんですよ。

    ○前進ですよ、とにかく、前進ですよ。

    ✳︎砂漠のレヴューを書いてなかったことにびっくり。伊坂作品でも、かなり好きなほうで、選書でもよくお届けしている一冊です。

    今回は名言ピックアップでした。

  • なんだかな…と少し冷めた目で読み進めていた。麻雀、合コン、通り魔犯、空き巣犯、超能力、捨て犬、ミスコン…ガチャガチャした、青春てんこ盛り!といった内容だったから。
    だから最後、学長の台詞が効いた。びっくりした。この台詞のために書いたんじゃないかってくらいしっくりきた。

    「学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げることは絶対に考えるな。そういう人生を送るなよ」
    「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである」

  • フィッシュストーリーから約半年。待ちに待ちました。伊坂の文庫作品。今回の舞台は大学生活です。主人公は北村。でも友人西嶋のキャラクターが強くて、そして考え方というか生き方が面白く+かっこよくて、正直西嶋に感情移入しちゃいます。熱い!熱いんだよー。食物連鎖とか、自然の厳しさとか言ってんじゃね~!!ってね。でもって、マージャンでは平和ばっかり作ってみたり。

    そしてなぜか、最後の莞爾の言葉を読んで、もう一度大学生に戻ってみたいなぁ~。と思ってしまった…。本を閉じると、そこには、砂漠に出て10年のダメ社会人がいました。あはは。

    でも本は面白かったぞぃ。伊坂を代表する1冊だったと思います。

  • なるほど。大海ではなく砂漠に例えたわけですね?学生時代最後の青春…理想も思想も青い正義に溢れていますが、若いっていうのはそういうことなんだと思います。と、やはりキャラの個性が活きている話は読んでいて楽しいです。青春小説も面白い…さすが伊坂先生

  • 鳥井と西嶋のキャラが好き。
    なかでも西嶋は、論理より行動的で、努力家で、いまを精一杯生きるとても魅力的な性格が印象的だった。
    所々に登場する名言には、はっとさせられるものがあった。

    ---------
    目の前で子供が泣いているとしますよね。
    銃で誰かに撃たれそうだとしますよね。その時に、正義とは何だろう、とか考えててどうするんですか?助けちゃえばいいんですよ。p.268


  • “五月になるのはあっという間だった。学生生活なんてまばたきする間に終わっちゃうぞ、と言っていた親戚の言葉は、本当かもしれない。春にはじまり、夏が来て、秋が過ぎたら冬、一年なんてすぐだぞ”
    頭の方にある何て事のない一節からの引用だが、これに尽きると思う。読み終わってハッとした。

  • この小説に憧れて、麻雀を始めて、ラモーンズにハマって、犯罪者を追いかけて、キックボクシングを始めて、アメリカ大統領に対して戦争反対を呼びかけた。

    なんてことは、まるでない。
    ただ、人間関係における贅沢をしたいとひたすらに思った。日常と仲間を大事に生きたい。

  • 主人公の北村と、東西南北の姓を持つ友達プラス1人の大学生活の話。
    一番楽しい時期だよね。と思いながら読み進めました。
    春夏秋冬で話が進むのですが、最後にその仕掛けがわかり、さらに面白くなりました。

  • 未だにピンフ作る時私の中の西嶋がごたごた言ってます。
    私は社会にオアシスを作れる気がしないので、これ読んだあと1ヶ月くらい鬱状態になりました。

  • 定期的に読み返しては大学時代に戻りたいなぁ、こんな友達が欲しかったなぁと思わせてくれる本。
    最初に読んだ時よりも私自身が大人になったことと今現在の社会情勢が相俟って西嶋の言葉にとても刺さるし考えさせられるフレーズが多い。

    そして個人的にこの話を読む度に「数学と確率の勉強したいなぁ」と思いつつ手を出せないでいる。
    今度こそ覚えてみようかなぁ、意外と強くなれるかもしれないよなぁと思いつつ。
    そんなことは、まるでない。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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